第125話 一番高い露天風呂から、村を観察してみよう
しばらく進み、二人に気付かれないよう、
ゆっくりと山の方に向かった。
向こうは、子供がいるぶん歩みが遅いのだが、
こちらも、カエルがいる分歩みが遅い。
それでも、村が小さいせいか、半時もせずに、中央のバザーに到着することができた。
山の方をみると、教会と隣接する宿が見えた。
「教会は、あとでいいわ。
まずは、宿にいくわ」
「わかりました、リイナ様」
ようやく、親子連れと道をかえて歩くことができた。
目的地が見えているせいか、
元気に案内を開始する。
ホテルのロビーまでは、一時もないいまま向かうことができた。
宿をみたあたりから、ジーンは、置いてきぼりをくらっている。
「寝室が二部屋ある、部屋ってある?」
「別部屋ではなくてですか?」
「ええ」
「3階のお部屋になりますが、
お値段が一番高く設定されております」
「そこで構わないわ、
通してちょうだい。
あと、エルももうここでいいわ。
これまで、ありがとう」
「はい、わかりました。
ですが、部屋を見学させてもらってもいいですか、リイナ様。
一番高い部屋を見たことがないんです」
「まぁ、いいわ。
そのかわり、ジーンを迎えにいって、一緒にあがってきなさい」
「はい、わかりました。行ってきます」
彼女は、元気に、宿の外に走って行った。
「じゃ、連れて行ってもらえるかしら」
「こちらです」
そういうと、支配人さんは、
先に、階段を上がって行った。
どうやら、ここの宿には、素敵な移動部屋はなさそうだ。
といっても幽体の僕は、疲れることもないし
すりぬけられるから、先にいけるけど。
僕は、二人より先に上を除きにいくを、2階を散策した。
二階は、6部屋ほどが並んでいる。
部屋をのぞくと6畳一間の間取りで、ベッドが一つと、
物が少しおけるくらいの部屋だった。
おっと、二人が三階にむかってる
僕も遅れながら、三階に進む。
むかった廊下は、扉が3つあるフロアだった。
2階にあった2部屋がくっついた部屋が3つあるのかなと
思ってたら、
さらに奥の建物につながっていた。
ここは、太いい1本の字の建物じゃなく、
Tの形の建物みたいだ。
隣接している教会の後ろにも、建物が続いていた。
外にでて、下を見下ろすと、1階から、教会にも行けるようだ。
3階の奥が、この建物で一番大きな部屋割のようだ。
水上都市でとまったホテルと比べると、
12畳ほどの居間には、小さい4人掛けのテーブルとクローゼットがあった。
奥には、備え付けのキッチンもある、思ったよりも立派だ。
他に、3部屋の寝室と、備え付けの小さいお風呂があった。
一部屋だけ、キングサイズのベットがあり、後は2づつベットがあった。
「この部屋のみとなりますが、本当に
よろしいのですか?」
「ええ、ここでいいわ。」
「かしこまりました、ありがとうございます。
本部屋に浴室がございますが、
この上に、山から引いております温泉を使用した
大露天風呂が設置しております。
ご自由にお使いください。」
説明の最中に、ジーンとエルも来ていたようだ。
どちらも、興味深々に話を聴いている。
僕は、彼女らに内緒で、こっそり屋上にある
温泉を見にいった。
こっそり、見に行ったが、
誰も使っていなかった、残念。
見つかるわけがないんだから、こっそり、行く理由もないんだけど。
屋上には、20畳の程の巨大な浴槽が設置され、
村をでさえぎる高い建物がないため、
村の全貌をみることもできた。
後ろには、生い茂る木々が広がり、正面には260度のオーシャンビューは、
心をうたれるような風景だ。
ま、入れないけど。
ふと、左側をみると、
他のホテルも同じような構造のホテルが、
いくつかあるがこちらの方が建物として、高いため、見下ろす形だ。
あ、一番奥のホテルの露天風呂に女性がはいってる。
米粒ぐらいの大きさだけど、
きっと女性だ。




