第121話 思い入れのない物は、共感しづらいと知っておこう
とりあえずは、ダンジョンを出てから、
説明をすることにした。
想像していたようなことはなく、
入り口にも、ゴブリンはいなかった。
何事もなく、ダンジョンから、離れることができた。
「どういうことなの。
どうして、回復させなかったの」
リイナとジーンの目を
交互にマイミさんはみてる。
少し離れたところで、
ゴブ八とマホは、両手をつなぐと、
ジャンプして喜んでる。
リイナとジーンは、交互に呪いのことを説明したが、
理解できなかったようだ。
「わからない
娘が
かえってきた
いいわ。
ありがとう
ふたりとも」
彼女と娘と、ゴブリンが深々と頭をさげた。
どうやら、落ち着きを取り戻したようだ。
<<本の呪いは、解呪されました>>
<<本のユニークスキルが、思考力低下→思考力向上にかわります。>>
〈あ、呪いが解呪されたみたいだね〉
〈そうね、今まで、開けなかった本のページも、開けるみたい。
よりいろいろな上級魔法が唱えられるわ〉
〈へぇ、早くみてみたいけど、
今は、強力すぎて簡単には、試せないね〉
〈初級の魔法ですら、あの威力でしょ、
きっと楽しいでしょうね〉
どうやら、使ってみたくてうずうずしているようだ。
「じゃ、街にかえって、ギルドに報告しましょうか」
「ちょっと問題ですわ。
わたくしたちは、ともかく、ゴブリンは
村には、入れないですわね」
村のまんなかには、結界石があるから、途中ではいれないってことかな
「そうよ、
いっしょ
むり
ここで、
おわかれ」
マイミさんは、一刻も早くわかれたいようだ。
「やだ、一緒だもん
ずっと一緒だもん、
海の中で一緒にくらすんだもん」
なきながら、ゴブ八にだきついているが、
ゴブリンは、海の中で直ぐに死んじゃうと思うな。
「そうか・・・
わかった・
ここで、おわかれだ」
ゴブ八は、マホの手をはなすと
二人は、見つめあったかと思うと、泣きながら抱き合った。
メロドラマかな、子供の別れ際は、ちっとも泣けない。
二人は、しばらく泣き続けて、
気持ちの整理がついたのか、
二人は、抱き合うのをやめ涙をふいた。
「はちちゃん、
これあげる」
マホは、首にしていた桜貝のネックレスを、ゴブ八につけてあげた。
「ありがと。
だいじにする」
ゴブ八はそういうと、意を決したのか、
ダンジョンに向かっていった。
かと思うと、すぐ脇にぬけて、山の方に走って行った。
〈あいつ、慣れ親しんだところに、一瞬戻りそうになったな。〉
〈ええ、あわてて、気づかれないように、山に向かっていったわね〉
僕とリイナは、冷静に分析すると、
話あったあと、
ゴブ八が見えなくなったところで、
村に戻って行った。




