第117話 ダンジョン内に灯を照らしてみよう
〈これって、ゴブリンを探索すれば、
どこにいるか、わかるの?〉
〈可能かもね。やってみるわ。〉
そういうと、再度呪文を唱えた。
「探知」
先ほどよりも多くの情報が、頭に流れてきた。
リイナが地図にペンで人数を書き込んでいく。
〈そこ、3じゃなくて、4だったよ、
手前が2だよ〉
〈誤差でしょ、もう〉
といいながらも、地図に数字を書き直してくれてる。
「殲滅していくことも可能だけれど、
左側にある十字路を4方向から攻められると危険ね」
「救出を優先したほうがよいですわ。」
「殲滅、
殲滅して
あいつらを
ほろぼせば
いいの〉
片言でしゃべってるが、
言ってる内容は、恐ろしい。
「大事なのは、殲滅ではないですわ、
マホさんの身柄の確保と
我々の無事ですわ」
きつく睨みつけると、
しぶしぶ納得したようだ。
マイミさんは、残って待つことを良しとしなかったため、
先頭をリイナが、真ん中にマイミさん、殿をジーンの隊列を組んだ。
ダンジョン内は暗く、見通しが悪かった。
「灯」
マイミさんと、ジーンは、魔法を唱えると、
両者の左手には、明るい光が顕現した。
リイナは、唱えず、少し考えると
「全灯」と
と唱えると、ダンジョンの天井に光が続いている。
〈リイナ、静かに行くんじゃなかったの?
これじゃ、いることがバレバレじゃないか〉
「ふふふ。
最初に轟音を出した際に、来てることは、ばれてるんだから、
静かに進んでも、しかたないわ。
今は、中で大混乱中だろうしね。
夜目がきかないこっちは、明かりが小さいと歩みもおそくなるし、
時間がかかればかかるほど、不利になるんだから。
ダンジョン内全てが、明るい方がいいに決まってるわ」
3人に聞こえるように説明してくれた。
「確かに、トーチだと、近くはみえますが、
遠くの敵はみえませんわ。
相手からは、私たちのトーチで狙いたい放題ですわ」
ジーンは理解してもらったようだが、
マイミさんは、ばれないようにっていってたのに
って憤慨しているようだ。
「あら、曲がった先で、待ってるようですわね」
「陰で、二人いるのがばればれね」
ジーンは、前にでて、二つ矢をつがえると奥に向かって矢を放った。
〈2連曲射〉
矢は、奥の壁にはささらず、手前で、陰のある道のほうに飛んで行った。
ぎゃという悲鳴の後、どさどさという音が消えたときには、
影は見えなくなっていた。
「適当に放ちましたけど、無事に倒せたようですわ」
「すごい
すごーい」
さっきまで、憤慨してた
マイミさんが、子供のように嬉しそうに飛び跳ねてる。
「明るい
いいね」
どうやら、利点が少しわかってもらえたようだ。




