第104話 書状と書面を受け取ろう
中にはいると、こちらに駆け寄り、そうそうに
「ミカン、ありがとう。
席を外してくれる」
微笑みながら、ミカンちゃんを追い出した。
「わかりました」
一礼すると、素直にしたがって、
ドアから、出て行った。
「ヒビキ様、改めまして、
申し訳ございませんでした」
深々と頭を下げ、謝罪の言葉は並べ始め、
昨日の話を行い始めた。
とはいえ、話してくれている内容は、
昨日と大差がなかった。
昨日は、リイナに話しており、どこまで僕が聞いてたのかは判らないため、、
改めて会話してくれたようだ。
「オリビア様は、本日2日連続徹夜されましたので、
疲れがでたため、お休みしております。
40台とはいえ、流石に堪えたようです。」
どうやら、年上とは思っていたが、
40台だったんだ、もう少し上かと思ってた。
「すみません、お手数をおかけして、
ご迷惑ばっかりで。
代わりにお礼をお願いします。」
僕は、軽くクロムさんにお辞儀をした。
「これは、こちらの不手際が多々ありますから、
お気になさらずに下さい。
お礼は、明日にでも、伝えておきますね。」
そういって、、机の上に置いてある書状を、
僕に手渡した。
「こちらですが、これまでの出来事を前半に、
今後のお願いを後半に記載してあります。
最後に名前を記載するのですが、
本来は、オリビア様のみの予定でしたが、
大司教様、オリビア様、私の3名による連盟で、
記載しております。
流石に、荒唐無稽で無下にできぬように
また、一連の騒動がオリビア様のみであると思われぬように、
配慮させてもらいました。
この連盟にするまでに、話し合いを私たちで行い、
三名で最終合意を得ました。
本日から、我々三名は、
ヒビキ様の一位に考え行動することと致しました。
ですので、
都市、教会含めて、対立した際には、
優先で行動・考えをさせていただきます。
これが、その書面です。
ご覧ください〉
クロムさんは、
机のなかから、大事そうに一枚の書面を取り出すと、
こちらに手渡した。
内容は、クロムさんが行ったような内容で、記載され、
文章の最後には、
大司教様を筆頭に、
オリビアさん、
クロムさんの名前が記載されている。
書面をクロムさんに返すと、
一枚の魔法陣がかかれたスクロールを取り出した。
「といいながらも、
残念ながら、この書面には、
決意や思いが書かれているだけで、
なんの効力も持ちません。
この決意を忘れぬために、
告知の魔法を、この書面に施します。
この書面を開いた際は、
3名に内容が告げられます。
こうすることで、決意を忘れないようにするためです。」
そういうと、持っていたスクロールを使用した。
青紫の光が、書面に対し魔法陣が描かれると、
パシュと音と共にきえた。
クロムさんの手には、まるまった書面が一束乗っていた。
「では、お受け取りください」
うやうやしく、頭をさげて、手渡してくれた。
僕も恭しく手を伸ばすと、ありがたく受け取ることにした。
「なるべく、夜中にあけるのは、やめてくださいね、
おきちゃいますから」
いたずらっぽく、クロムさんは、笑った。
これは、
開くことは、一生ないんだろうなぁ、思いながら、
書状と書面を二束をカバンにしまった。
この書面をみれば、
彼女達のことを思い出すに違いない。




