第101話 勇者の話をきいてみよう
そして朝を迎えた。
よし、気持ちを切り替えて、出発しよう。
〈おはよう、リイナ〉
〈おはよう、ヒビキ。あんな結論になったのに、あなたは元気ね〉
呆れた口調か、ほめている口調なのかはわからない。
〈進むしかないんだし、聖都に行くのは、前からきまってたじゃない。〉
〈そうだけどね〉
まだ、納得いかないようだが、
僕は、寝室をでて、居間に向かった。
部屋には、ミカンちゃんがまっていた。
「おはようございます、リイナさん」
あかるく、元気に声をかけてくれた。
「おはよう」
僕は、事の顛末を丸く話をし、
今日、街から二人で出発することを話した。
「寂しくなります、もっといてくださってもいいのに」
寂しそうな表情は、年相応に感じる。
「私ももっと実技や魔法が得意なら、
一緒にいけるんですけど・・・・
もっと修行しないと、一人だと、都市の移動を
許してもらえないんです。」
「もっと、頑張らないとね、お互いに」
こぶしを握り締めて、頑張ろうって感じをだしてる。
僕は、笑顔で彼女を見つめていたら、
「そういえば、リイナさんがくる数日前に、
勇者さんが、教会に飛んできて、
オリビアさんと話したと思ったら、
直ぐに飛んでいったんですよ。
かっこよかったです、勇者さん。
私も、勇者さんみたいに、
強ければ、一緒にいけるんですけど。」
乙女の目をしている。ころころと表情がかわるな、この子は。
「へぇ~。空って、飛べるものなの?」
「私も、初めて見ました。
勇者さんだけしか、飛べないんですかね。
どうなんでしょう。私は勇者さんしか飛んでるのを見たことがないです。」
どうやら、判らないみたいだ。
「どんな人なの?
イケメン?」
僕は、疑問をぶつけてみた。
「イケメン?かっこいい人です。
年は、リイナさんより、少し年上だと思います。
身長も頭一つ大きと思います。
体格も私たちより一回りはおおきいですね、胸も
で、
眉がキリリってしてて、
目地からがつよくて、
それに、真っ赤な目が印象的でした。
全面で先頭にでるには、露出が高い防具でしたね、
きっと、攻撃を食らわない自信の表れ何でしょう」
また、目が乙女になってる、ハートまーくだ。
「背中に、一本剣を持ってましたね。
片手剣と大剣の間くらいで、
盾は、見えませんでしたから、
剣一本を両手で使うんだと思います。」
今度は、天空を見ながら思い出してる。
「ちょっとしか見てないのに、
よく覚えてるね」
「それは、あこがれの人ですから!」
強めに返された。
「初めてあったんじゃないの?」
「あったのは、初めてですけど。私たちの周りでは、ファンがいっぱいいるんです。」
そういうものなのかな。
〈リイナ知ってる?〉
〈覚えてないわね〉
どうやら、リイナは知らないらしい。
そんなやり取りをしていると、
寝ぼけ眼で、ジーンがやってきた。
まだ、着替えてない、大分ラフな格好だ。
「おはよう、ジーンさん」
僕が挨拶をすると、
「おはよう、リイナ、ミカン」
ジーンさんも、挨拶を返してくれた。
「おはようございます、ジーンさん。
ジーンさんも起きましたので、
朝ごはんの準備をお願いしてきます」
そういって、ドアを出て行った。
「今日は、ヒビキだっけ?呼び捨てでいいですわ、
わたくしも呼び捨てにいたしますから」
「わかったよ、ジーン」
こちらを見ることもなく、彼女は、洗面所に向かっていった。、
顔を洗うのだろうか、そういや僕も洗ってない、
慌ててついて行くことにした。




