第1話 会話から、はじめてみよう
僕は、転移したんだろう。
神様とかに会って、
チート能力をもらうってことになったら、
よかったんだろうけど…
そんな展開はなかった。
暖かい日差しのなか、
目を覚まして周りを見回してみる。
僕は、森の中におり、周りには樹がうっそうと広がっていた。
自分の近くには、半透明の女の子の幽霊がいた。
冷静に、この状況を受け入れるには、信じがたいものがあるよね。
少し先には、3~4階だての廃墟があり
〈起きたなら、わたしの体返してよ〉
目の前で憤慨してる女の子は、
何を言ってるかまったくわからなかった
自分の服装をみてみると
僕の服装は、目の前の女の子と一緒で、
男だった僕にはなかった、
かすかな胸の膨らみがあった。
〈かすかっていうな〉
先ほどより更に、怒らせたみたいだ。
煙みたいな白い輪郭の為か
本当に怒っている、よく判らない。
怒っている感覚が理解できるような認識があった。
〈とりあえず、エロいことはしないでね〉
したいことはやまやまだが、
嫌われて、非協力な状態になってはしかたない。
うん、ここは、見えないところでやろう。
〈見えないところとかないから! 〉
返って怒らしたようだ。
それにしても、全ての考えが
筒抜けとか、切ないものがあるな。
〈うん? 考えを伝えたくないって、
思えば、伝わらないっぽいよ。
現にわたしの考えは伝わってないでしょ? 〉
確かに、彼女からの考えは、
伝わってなくて、
会話形式でしか、こっちに伝わっていない。
よし、伝わらないように意識をして、考えてみよう。
彼女はかわいい。
中肉中背?すこしやせ気味かな、
かわいいより、目立ちが整った美しさが
ある気もする。
年齢は18歳くらいかなぁ
次は、伝わるように意識を向けながら、聞いてみた。
〈どう聞こえた?〉
〈うん?、何か考えたの?特に聞こえなかったわよ。〉
だいたい、わかった。
今度から、えろいことを考えるときは、
聞こえないように意識しなきゃ。
〈聞こえてるわよ〉
そう、彼女の眼はぎろりと睨んでいるようだった。