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最適解


僕には幼い頃から不思議な力があった。


別に人に自慢できるようなものでもないし、言ったところで理解してもらえるものでもないだろうが、人の心に住まう天使と悪魔を見ることができた。


そう。


まるで童話のような話だが、人にはそれぞれ一対の天使と悪魔が付いて回っている。


善に従うのが天使で、悪に従うのが悪魔。


人によってどちらを重視しているかは様々だが、それはその人に付いて回る彼らの上下関係によって判断できる。


悪魔のご機嫌取りを行う天使もいれば、天使にペコペコ頭を下げる悪魔もいるというわけだ。


正直、ある意味ではとても便利な能力だ。


初対面の相手が良い人か悪い人かなんて見た目では判断するのは難しくとも、その人の天使と悪魔を見れば一目瞭然だ。


人は見た目によらないとはよく言ったもので、ヤクザのような強面な人でも天使を重視する人もいれば、常ににこにこしていてるアイドルでも悪に準ずる人もいる。


でも、不便なこともしばしば。


なまじ自分に付いて回る天使と悪魔の姿が見えるものだから、彼らの情けなさにも直面する。


たった今、財布を拾った時もそうだ。


普通の人の悪魔ならネコババしろと宿主に告げ、それに負けじと天使が交番に届けろと食ってかかり、最終的にはそれが宿主の行動に繋がる。


ところが僕の天使と悪魔ときたらどうだ?


悪魔は確かにネコババしろと甘言を囁くが、同時に見つかった時のリスクについても言及し、天使も天使で、交番に届けなさいと真っ当に生きることを勧めるが、同時に落とし主から1割もらえる制度を追申する。


全く、一体こいつらは誰に似たんだ?


僕は胸中で大きなため息を吐き、





財布の身分証から落し主が可愛い女の子であることを確認した後、交番へと届け出た。





私には天使と悪魔を見る力はございませんが、


こんな些末なショートショートを最後まで読んでいただけたということは、


あなたが天使を大切にしているということです。


ぜひ、そのまま天使の指示に従って評価等頂けると幸いです(笑)





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― 新着の感想 ―
[一言] おもしろかったです
[一言] 天使「酷評してやれ。叩けば伸びるぞ。面白いのを量産するぞ。潰れたらそれまでだ」 悪魔「極甘な評価してやれ。有頂天になって面白い作品を量産するぞ。ネタが尽きればゴミだな」 「……なにもしな…
[良い点] どんな問題でも善と悪の境目がはっきりしていれば簡単なのでしょうね…。 「僕」氏の天使と悪魔は選択の結果のメリット・デメリットまで提示してくれるより機能的な存在で羨ましいかもしれません。 打…
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