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柒(しち)-罪の面-  作者: A8
8/8

7面

01ベリ「また会うとはなあ、大天使長…神の如き者ミカエル…」

02ミカ「こちらの台詞だ、堕天使ベリアル。何故お前がここに居る?…こいつらが何やら悪さをしていたことは承知していたが、お前が復活したとは聞いていない。」

03ベリ「ついさっきの事だ仕方ねぇだろ?連絡しなかったことは謝るって!メール送ろうかなーとは思ったんだけど。あ、電話の方がよかった?」

04ミカ「お前のそういう態度が気に入らないのだ。」

05ガブ「ミカエル、落ち着いて。堕天使相手に大人気ないわ。」

06ラファ「私は何故ベリアルが復活したのかは確かに気になりますがね。あの時デュナミスの力で消滅したはず…」

07ウリ「ラファエルがしくじった訳じゃないと思うけど」

08レヴィ「大天使長、神の人ガブリエル。癒す者ラファエル。神の光ウリエル…。四大天使がどうしてここに…」

09ガブ「どうしてかしらねレヴィアタン。神にあなたたちのことを見張るよう言われているからかしら。」

10ルシ「あのジジイ…」

11ラファ「実際、このような事態が起こっては神がそう仰るのも無理はないでしょうルシファー。貴方は行動を改めた方が良いですよ。」

12ルシ「うっせえラファエル!あのデュナミスとかいう軍団は連れてこなかったのかよ!ベリアルが復活したことは知ってたんだろ?!」

13ウリ「知ってたよー。それに完全体でないことも分かってた。だったら私達でやれる」

14ベリ「随分とナメられてやがる。分かってねえなあお前ら……ここに俺の玩具が全部揃ってんだぞ?……溜め込んだ分全部吐き出してやっから……精々逃げ惑えよ…!!!」

15ミカ「四大天使、構え!」

16ガブ「はっ!」

17ラファ「はっ!」

18ウリ「はっ!」

19レヴィ「まずいよ…!またあの何百年も続いた戦争が始まるの…?!」

20ルシ「…くっ……」

21獅音「おい」

全員が獅音を見る


22ベリ「お前……!!いつの間に7つの面を揃えやがった…?!」

23ルシ「獅の面…?!重ねていた面を解いたのか…」

24獅音「ベリアル、この7つの面がないと、完全に復活できないんだったな」

25ベリ「…何をする気だ…?!」

26獅音「面から問われた。何を求めるか……。僕は、……僕は……この面を、全て破棄する…!!!」

27ベリ「きさまあああああああ!!」


四大天使によって完全に動きを封じられるベリアル


28ベリ「四大天使ィ……離せェ!!!!!」

29ミカ「やれ人の子!!!」

30ルシ「やれ獅の面!!!」

31獅音「はあああああああ!!!!」

獅音の攻撃で面にヒビが入り粉砕


32ベリ「人の子め……いつか、…いつか必ず……この借りを返しに来るからな………」


ベリアルがゆっくりと消える


33獅音「……ッは……はぁ……はぁッ…」

34ルシ「…獅の面。…すまない、ベリアルの復活にあの面が関係しているとは」

35獅音「……悪魔が僕に謝るな。お前が何を考えていようが今の僕には関係の無いことだ。」

36ルシ「………なんで、面を捨てた?」

37獅音「……悪魔のお前にはわからない。……欲の魅力に取り憑かれたアイツらにもきっと。………帰るよ、あの世界に用ができた。さあ、僕の名前を言え。」

38ルシ「……二度と、会うことはないだろう…獅音」

39獅音「ああ、そうだな、ルシファー」

獅音が消える


病院にて目を覚ます獅音

40獅音「…父さん、母さん……兄さんまでどうして……。…そうか、僕は意識を失って……。……え?いや、頭などは……ああ、………(少し笑う)…兄さん、僕は兄さんを越えることはもうやめたんだ。今まで悪かった…これからは、僕らしく自分のペースで生きることにするよ。……だから頭なんて打ってないってば。」


とあるバーにて

41熊谷「…こんばんは」

42蛇丸「っと…珍しい、今日もお客が来ないんでもう閉めようか…と…。……噂になってんぞあんた、そういうケもないのに突然訪ねてきては男を探してる奴がいるって。オマケに左手の薬指には指輪までしてなんの嫌がらせだ?ってな。」

43熊谷「…すみません、どうしてもお礼が言いたかったので」

44蛇丸「礼を言われるようなことは何もしてねえよ。それより、…あんた、面、しといた方がいいんじゃねーか?(笑いながら)喰われんぞ?」

45熊谷「えっ?一体どういう…」

46蛇丸「ったくジョークも通じねえか。こういう場所あんま来んじゃねーよ。さっさと帰んな」

47熊谷「あ、あの、」

48蛇丸「なんだ」

49熊谷「口調……変えてみませんか、…」

50蛇丸「…は?」

51熊谷「や、あの、…僕、今のカッコイイあなたもいいと思うんですけど、あの時のあなたも…好きだったなって…」

52蛇丸「…………、そう。…ありがとね」

53熊谷「…いえ」

54蛇丸「あなた、もう来ちゃだめよ?」

55熊谷「えっ?!」

56蛇丸「当たり前よ、奥さんいるのにこんなとこくるなんて!次来たら食べちゃうわよ!」

57熊谷「えええっ?!わ、分かりましたよ…もう……」

58蛇丸「……ふっ…ははは、」

59熊谷「……ふふ、……最後に、いいですか?」

60蛇丸「なによ。ほんとに最後だからね」

61熊谷「はい。……名前を教えてください」

62蛇丸「…蛇丸よ」

63熊谷「蛇丸さん、お元気で。」

64蛇丸「あなたもね。…熊谷さん」


65猿賀「ああ・・・あああ・・・、あは、あははは・・・っくそお・・クソクソクソ・・っ・・イライラするなあ・・・っ・・もお・・っ・・・なんで・・・なんでなんでなんで・・・っ・・・なんで・・・っあの面さえ・・・あの面さえあれば私は・・・こんな気持ちには・・・っ・・」

(苛立ちが達して笑っている。泣きながら歯を食いしばるように)


66兎我野「あーあ、また簡単に死んじゃった。(長いため息)違うんだよねえ、私は絶望を感じて死んで欲しいのに。誰も助けてくれない・・全員が敵だってわかった時の絶望をね。まあ・・・殺せないよりはマシだけど(熊谷との戦いを思い出して)・・チッ・・。・・・あんな面なんてなくても、・・私は一人で復讐してやる・・・」


67猫実「あははは!いやあ参りましたよオ!ほんとはね!今日入ってくるはずだったんすよ!!!そりゃあもうすげえ大金がガッツリと!!!でもなんかの手違いで今手元にはなくて・・・(命の危機を感じて少し焦ったように)ちょ信じてくださいよォ!!!今回はマジなんですって!!!や・・待って・・ほんとに・・!!!頼む今回は見逃してくれよ!!頼む!!!!頼むよおオオ!!!」


68豚真「a)(小さな声で言い聞かせるように)大丈夫大丈夫・・・あなたは一人じゃないわ・・そうでしょう?・・・そうよね、あなたがいるんだもん・・・私はひとりじゃないよね・・・・。当たり前じゃない、あたしがずっと側にいるわ・・?・・・嬉しい・・そうよね・・ひとりじゃないから・・・私は大丈夫・・・大丈夫・・・大丈夫・・・・」

(声はa)のままで)


ナレ「傲慢、憤怒、怠惰、色欲、強欲、暴食、嫉妬。人間を死に至らせる7つの罪として、見做されてきた欲望や感情を指す。

これらの大罪と比肩する悪魔は獣の半面を創り出し、銘銘めいめい罪の力を込めた。


集められた7名の人間は自らの顔を晒すことも名を明かすことも許されない。

力を得る。故に血を流す。

そのざれを悪魔はしちと喚ぶ。」


ナレ「しち。7の面、名を明かす時」

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