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柒(しち)-罪の面-  作者: A8
5/8

4面

ナレ「傲慢、憤怒、怠惰、色欲、強欲、暴食、嫉妬。人間を死に至らせる7つの罪として、見做されてきた欲望や感情を指す。

これらの大罪と比肩する悪魔は獣の半面を創り出し、銘銘めいめい罪の力を込めた。


集められた7名の人間は自らの顔を晒すことも名を明かすことも許されない。

力を得る。故に血を流す。

そのざれを悪魔はしちと喚ぶ。」


蛇丸「しち。四の面、熊の咆哮ほうこう、大蛇の涙」


01レヴィ「ほんとやになっちゃうなぁ、僕は女を選びたかったのに!」


ナレ『(説明するように)レヴィアタン。どんな悪魔祓いも効かない大嘘つきの悪魔。女に取り憑くことがすき。』


02蛇丸「あら失礼しちゃう、アタシだって女よ?ココロは、ね?」


ナレ『(説明するように)嫉妬、蛇の面。29歳。女になりたい男。』


03レヴィ「そんなの僕は知らないよ!本来であれば女の嫉妬が一番良いのに・・欲の念で選んだらまさか男だなんて」

04蛇丸「あら、そこは女の子に勝っちゃったってことなのね?んふ、嬉しいわあ?」

05レヴィ「君を喜ばせるために言ったんじゃないよ蛇の面!まったく、最近は変わった人間もいるんだなあ。神も気まぐれが過ぎる」

06蛇丸「・・・私も神を恨んだことがあるわ。そうねえ・・今なら悪魔の方が好きよ?・・こんな機会を与えてくれて・・・アタシは今のアタシ、嫌いじゃないから。」

07レヴィ「やめてよ僕は好かれるためにやってるんじゃないし、そもそも君を選んだことは手違いだったんだからね」

08蛇丸「じゃあ私の運の良さか、それこそ神の気まぐれに感謝、かしらね!」

09レヴィ「・・・変な奴・・・」


10熊谷「・・・う・・・」(目が覚める)

11ベルフェ「目が覚めた?・・急に暴走しちゃったから疲れちゃったんだねえ。あれからだいぶ意識失ってたんだよお」

12熊谷「そう・・なんだ・・・ええ・・と、暴走っていうのは・・?」

13ベルフェ「元々君たちの面は半面、目と鼻までの大きさだけど、暴走すると全面になって顔全体を覆うようになる。50%の能力効果が100%になって制御が外れるってことだねえ」

14熊谷「・・・・?・・あれからの記憶が少し曖昧なんだけど・・」

15ベルフェ「己の制御も自身で出来なくなってしまうからねえ。ここは君たちの過去から最も遠く離れた場所。そこに少しでも自分の過去を入れてしまうと面が拒絶反応を起こして君を覆ってしまうんだ。ま、その分君は強くなるんだけどお」

16熊谷「なるほど・・・。(突然の頭痛)っ?!ぐ、うっ・・・頭が・・・・・」

17ベルフェ「熊の面?」

18熊谷「・・・・う・・・頭が痛い・・・っ、怖い・・怖い・・・なんだ…?僕は何に・・何に怯えてるんだ・・?」

19ベルフェ「(独り言のように)やっぱり・・君に色欲は合わなかったかなぁ・・。熊の面、君がそうなっている原因はね、兎の面だよ。」

20熊谷「兎の面・・・?」

21ベルフェ「罪の面を重ねるとね。君の能力も武器も二つになる。でもその分、たまにうまく合わない時があるんだよ。君の罪は怠惰。元に信頼があってこその悲しみの能力・・・。だけど彼女の色欲は逆に、信頼のない裏切りによる恨みの能力。君と境遇が似ていても、生まれた罪が違う。だから君は今兎の面に喰われかけてるんだよ。」

22熊谷「どうすれば・・・治まる・・・?」

23ベルフェ「・・・・・・」(バツが悪そうに)


24蛇丸「それで、もう三人がいなくなっちゃったって言ったわね?」

25レヴィ「そうだよ、確か猿と兎と猫・・だったかな。」

26蛇丸「確率的に考えると…私と出会うのは戦闘経験のある子ね……相性が良ければいいんだけど」

27レヴィ「相性?面の相性ってこと?」

28蛇丸「違うわ、…人よ」

29レヴィ「ふうん…?……みて蛇の面、ベルフェゴールだ。君がまず得る面は熊の面だね。」

30蛇丸「待って?あの男性の面、兎の耳が付いてるわ。」

31レヴィ「兎の面を奪って重ねたんだろうね。君がアイツに勝てば一気に熊と兎の面を手に入れられるって事だ。」

32蛇丸「大人しそうな見た目なのに強いのね?素敵。……あら、でも少し様子が変よ?」


33ベルフェ「…うわ、タイミング悪…」

34熊谷「……っ…?」(苦しそうに蛇丸たちをみる)

35レヴィ「やぁベルフェゴール、熊の面」

36ベルフェ「どーもぉ、レヴィアタン、蛇の面。悪いけど消えてくれないかなぁ、今君たちはお呼びでないんだよね。」

37レヴィ「君たちが僕達に対してそうでも、僕達はそうではないんだよベルフェゴール。まあ、用があるのはその面に、なんだけど。」

38蛇丸「ねえ?あなたどうしたの?随分と苦しそうだけど。」

39熊谷「………っ」(息が荒い様子)

40レヴィ「多分だけど、面の相性が合わなかったんじゃないかな。君が心配してたことが良いように働いたね蛇の面。君の運の良さ、認めざるを得ないよ。」

41ベルフェ「(熊谷にしか聴こえないように)……熊の面、ここは一旦引こう。そんな状態の君に勝算はないよ。体制を整えて…」

42蛇丸「蛇の面インウィデア・シン」

43ベルフェ「ちっ(舌打ち)…熊の面、ほら急いで…!」

44レヴィ「さ、ちゃちゃっと面を奪って次の人間を探しに…(話している途中に蛇丸から武器を渡される)…あ、はい。…えっ?!はっ?!」

45蛇丸「あなたこれ持ってて頂戴」

46ベルフェ「…?武器をレヴィアタンに渡した…?アイツ…一体何を…?」

47蛇丸「ねえ、ベルフェゴール。少し外してくれないかしら。」

48ベルフェ「……っ」(警戒するように)

49蛇丸「大丈夫よ、いきなり攻撃したりしないわ。その証拠にほら、アタシの鞭もレヴィアタンに渡したし」

50ベルフェ「…何を考えてるの、蛇の面」

51蛇丸「熊の面と話がしたいだけよ、終わればあそこのレヴィアタンがいる場所まで戻って、改めて戦いを始めるわ。」

52ベルフェ「…君が知っているかはしらないけど、レヴィアタンは大嘘つきの悪魔だよ。アイツが…」

53蛇丸「アイツが選んだ人間なんて信用ならない、そう思うならちゃんと見張ってて頂戴。もしアタシが裏切ったりしたらあなたがアタシを殺していいわ。」

54ベルフェ「そんなこと」(話の途中できられる)

55熊谷「ベルフェゴール、構わないよ…」苦しそうに

56ベルフェ「…だけど…」

57熊谷「…大丈夫…」

58ベルフェ「…………」熊谷の様子を見てその場を少し離れる


59蛇丸「…はじめまして、アタシは蛇の面。本当はちゃんと名乗りたいんだけど、そうしちゃうとここには居られないみたいだからごめんなさいね」

60熊谷「………、蛇の面。…僕のこの面が欲しいんじゃないのかい…?」

61蛇丸「欲しいわよ?でも、弱ってるところを襲うなんてフェアじゃないもの。」

62熊谷「………君みたいな人もこういうゲームに参加させられるのか。明るくて…誠実で…人に好かれそうな君が」

63蛇丸「………」

過去の自分を思い出して活性化する蛇丸

64ベルフェ「お前……っ!!」

65熊谷「ベルフェゴール!!」大声

66ベルフェ「ぐっ……」

67熊谷「はぁ…はぁ…僕のせいだから……。僕がいいって言うまで…そこを動くな…」

68蛇丸「あら、いいの?」

69熊谷「悪かったよ、今まで会ったものの中で、君が唯一信用できそうだったから……(苦笑いして)これも兎のせいかな」

70蛇丸「気にしないで。それに、あなたと同じでここでのアタシは作り物。嫉妬に選ばれて当然の人間よ。……ただ、」

71熊谷「……ただ?」

72蛇丸「アタシの願いは…限界があるの。…だから、もし、アタシがそれでもいいって思える人がいたら、…譲ろうと思ってる。」

73熊谷「………まさか、…面を」

74蛇丸「自分の感情や考えが変わることで叶えられるものなら命懸けでやったかもしれないわ。…でもどれだけ人から奪おうと手に入れられないものなら、叶えない方がアタシは心地いいの。あなたに、この面を譲ってもいいわ。こんなアタシを信用してくれたんだもの。」

75熊谷「………。……この面は」

76蛇丸「え?」

77熊谷「この面は、…重ねると能力と武器が何乗にもなるけど……うまく合わないと別の面や己自身を喰ってしまう。僕は今…怠惰にも、色欲にも喰われかけたのを君に救われた…。だけど、既に罪を重ねてしまった僕が進める道はきっともう……ない。」

78蛇丸「あなた……もしかして…」

79熊谷「蛇の面、このゲームの中でたった1人だけ…欲を捨てた君なら…この面の呪いは重ならないはずだ…。どうか……どうかこのゲームを……終わらせて欲しい。(涙声で)…こんなに…こんなに苦しいのは…もう嫌なんだ…。過去のために…こんなことを続けていくのはもう…僕には耐えられない…。それなら僕は……君と同じようにするよ。」

80蛇丸「……分かったわ。きっとあなたなら、戻っても上手くやれるはずよ。アタシが言うんだもの、間違いないわ。自信を持ちなさい。」

81熊谷「……ありがとう、蛇の面。僕の名前は………熊谷だ。」少し笑顔で

消える熊谷


82熊谷「あの……ええと……、その………、わ、笑わないでよ…!僕は真剣なんだから…!……んん(軽い咳払い)、その、君と、…結婚したいと思ってる……、んだけど…どうだろう……。……ほんと?……はは、良かった……」嬉しそうに

83熊谷「え?離婚?突然どうして……慰謝料……?待って、僕が何か、……話をさせてくれ、頼むよ!妻に合わせてくれ!!」

84熊谷「結婚詐欺だと弁護士には言われた。…あの人が、僕に、僕の存在意義は金を生み出すことでしかないと、そう言ったと聞いた。だけど僕は信じられなかった。信じたくなかった。…僕は確かに…愛していたんだ。」


85ベルフェ「熊の面?!?!………消えたってことは……真名まなを言ったの……?どうして………」

86レヴィ「蛇の面……何を話していたんだ……?」

87蛇丸「ごめんなさいね、ベルフェゴール。あなたのゲームは終了よ。もう二度と……あの人に近づくな。」

88ベルフェ「……っ、もう僕は帰る…!じゃあね!!」

ベルフェゴールが消える


89レヴィ「蛇の面……君、一体何を考えてるの?」

面を重ねる蛇丸

90蛇丸「行くわよレヴィアタン、これで3つの面を手に入れた。残り、4つよ。」

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