3面
ナレ「傲慢、憤怒、怠惰、色欲、強欲、暴食、嫉妬。人間を死に至らせる7つの罪として、見做されてきた欲望や感情を指す。
これらの大罪と比肩する悪魔は獣の半面を創り出し、銘銘罪の力を込めた。
集められた7名の人間は自らの顔を晒すことも名を明かすことも許されない。
力を得る。故に血を流す。
その戯を悪魔は柒と喚ぶ。」
豚真「柒。三の面、強欲猫は豚に喰われる」
01猫実「おいマモン!例の話なんだがよ!」
ナレ『(説明するように)強欲、猫の面。26歳。金のためなら何でもする男。』
02マモン「なんだぁ猫の面、まぁた金の話かぁ?」
ナレ『(説明するように)マモン。人の金銭欲を満たし、その代償に命を奪う。金銀の類を馬糞や灰に化す。』
03猫実「ばあか!そこが1番大事なんだよ!俺もお前も、目的はただ一つ。このゲームに買って金を得る!それだけだろ?」
04マモン「まあなぁ?俺ぇは金の欲に塗れてるお前を見るのがおもしれぇだけだが。お前分かってんの?俺は代償にお前を殺すことだって出来んだぜぇ?」
05猫実「構わねーって。ただそのタイミングは俺に考えさせてくれよ?マモン。折角金を得ても使わなきゃそりゃあただの紙切れなんだからよ。」
06マモン「へいへい。命よりも金が大事とはぁ、俺ぇでも呆れる強欲さだぜ。約束通り、面を全部集められたらの話だからぁな?猫の面。」
07猫実「わかってるっつの。俺のこの鉤爪で全て掻き集めてやる。」
08マモン「はっ、変なもんまで集めなけりゃいーけどなぁ。」
09ベルゼ「聴くところによれば猿と兎が消えたらしいですよ、豚の面。」
ナレ『(説明するように)ベルゼブブ。豊穣の神でありながらハエの王の名を持つ。権力と邪悪さでサタンに次ぎ、実力はそれを凌ぐ。』
10豚真「a)…そうですか。随分と早いですね、1人が3つ、もしくは2人が2つの面を手に入れたということですか。」
ナレ『(説明するように)暴食、豚の面。21歳。二つの顔をもつ女。』
11ベルゼ「そのようですよ。その者達の面は既に重なっているでしょうから、敢えて狙い、一気に2つの面を手に入れるということも一つの手ですね。」
12豚真「a)成程、その方が効率は良さそうですね。…猿と兎……、b)ふっ(少し笑う)馬鹿な人達…。」
13ベルゼ「あなたは簡単に言えば欲が2倍ですから。みな、そう簡単にあなたのようにはいきませんよ、豚の面。」
14豚真「a)狡をしているつもりはないんですよ?それに、私を選んだのはあなたですよね。」
15ベルゼ「仰る通り。私の目に間違いはないと思っていますから。」
16豚真「b)そのハエの目に?」
17ベルゼ「はは、手厳しい。…これは神の目ですよ豚の面」
18マモン「いいかぁ猫の面。今残ってる人間の数はぁお前を抜いて4だ。うちの1か2は既に面を奪ったツワモノだからなぁ?気ぃぬくんじゃねえぞお?」
19猫実「わーってるよ!(分かってるよ)…お、あれは……!おーいお前ーー!!!」
20ベルゼ「おや、何やら頭の弱そうな男が手を振ってますよ豚の面」
21豚真「a)本当ですね。……猫の面……強欲…ですか。でしたら私ではない方がいいかもしれませんね。」
22ベルゼ「あ、変わります?どうぞどうぞ。私はどちらのあなたもお気に入りですから。」
22豚真「a)そうですか」(少しにやりとして)
23マモン「ベルゼブブじゃぁねえかぁ。いけ好かねぇ野郎とぶち当たったもんだぁ。」
24猫実「ベルゼブブ?じゃああれは……暴食かよ?!嘘だろおい!暴食っつーからもっとでけえのが来るかと思ったけどすげぇ美人じゃん!!ありゃだいぶ金の匂いがするぜ…?お近付きになれたら…くっくっくっ」笑いを堪えながら
25マモン「油断すんじゃぁねえ。ベルゼブブが選んだ人間だからなぁ、厄介に決まってる」
26豚真「b)あら、酷い言いようね。……こんにちは?猫の面」
27猫実「よ、豚の面。女は少し癖があったほうが可愛いってもんだよなあ?」
28豚真「b)そう言ってもらえると嬉しいわ。流石強欲と言ったところね、男らしくて素敵」
29猫実「おいおい、やめてくれよ。お前本当に暴食か?どちらかといえば色欲なんじゃねえの?」
30豚真「b)あら、褒め言葉よ?でも残念、私はこのハエに選ばれた暴食。こんな力、お金好きの貴方には必要ないわね?」
31ベルゼ「全くどちらが酷い言いようですか。何度も言いますがハエの王でもあり豊穣の神でもあるんですけどね、私は」
32豚真「b)そうだったかしらね。でもね、猫の面。私はあなたのソレ、喉から手が出るほどに欲しいのよ。」
33猫実「え?」
34マモン「まさか交渉してくるとはなぁ」
35豚真「b)当然よ。いきなり奪い合いだなんて美しくないもの。…ね、あなたがソレを譲ってくれたら、お金でも、私の身体でも、あなたが望むだけいくらでも渡していいわ」
36猫実「マジで!!最高かよ…!」
37マモン「おい騙されるなぁ猫の面!面がなけりゃあお前が手に入れたもん全部灰になっちまうぞぉ!」
38猫実「…っとそうか、危ねぇ。まんまとのせられるところだったぜ」
39ベルゼ「あぁ残念。面を渡してくださればあなたが痛い目に合わずにすみましたのに。」
40豚真「b)豚の面グラ・シン。大丈夫よ?一瞬で終わらせてあげる。」
41猫実「猫の面アワリティア・シン!っておいおい拳銃かよ、ちょーかっけぇ!!俺の鉤爪で面と一緒にそれも奪ってやる!」
42豚真「b)ふふ、できたら、ね?」
43猫実「はははは!!!楽しくなってきたぜ!!おいマモン!」
44マモン「へいへい。じゃ、やりますかねぇ」
猫実の身につけていた金の留め具にマモンが触れると留め具が灰となる
45猫実「……うおおおおおお!」
46ベルゼ「マモン!あなた、悪魔のくせに手を出しては…!」
47マモン「ゲームに手ぇ、は出しちゃぁいねーだろぉ?俺ぇはただ、俺ぇが選んだ人間のぉ身につけていた留め具に触っただけだぁ。たまたまぁ金だったんで灰になっちまったがなぁ?」
48ベルゼ「ちっ(舌打ち)、猫の面が覆ってしまいましたか…」
49豚真「b)問題ないわよベルゼブブ。いつもの冷静さはどうしたの?」
50ベルゼ「裏切りは許されることではありませんから…。やはり悪魔とは理解し合えない」
51豚真「b)あらそう。私からすればあなたもアレも変わらないけど。それに私は裏切り、…大好きよ?」
豚真の連続発砲を鉤爪で落としていく猫実
52猫実「うおおおおお!当たらねーーーー!!!」
53豚真「b)うるさい男。捕まえたら口を縫い付けてやろうかしら。」
54ベルゼ「あなたは捕まえる前に殺すでしょう…」
55豚真「b)さあ。」(少し楽しそうに)
56猫実「うおおおおおお!攻撃は終わりか?!豚の面!!だったら次は俺の攻撃だぜぇ!!?」
57マモン「……(独り言)なんだぁあの余裕…半面のままなのにどうしてあの猫の面を見ても涼しい顔ぉしてられる?」
58豚真「b)そうだわ、大事なこと忘れてた」
59猫実「?!」
60豚真「b)ね、猫の面?私の能力、なんだったか覚えてるかしら」
61猫実「暴食だろ?!当たり前じゃねーか!」
62豚真「b)んふふ、大正解!…じゃあもうひとつ、お腹いっっぱいになったら、どうなると思う?」
63猫実「腹が一杯になったら?うーん、なんだろ…わかんねえな?」
64豚真「b)残念。正解はね…?……破裂、するのよ?」
パチンと指を鳴らした瞬間地面に落ちていた銃弾が全て爆発する。
65猫実「うわあアアァァ?!?!?」
66マモン「なに…ッ?!地面に落とした銃弾が爆発したぁ?!」
67ベルゼ「私も彼女も2つの顔と名をもつもの。武器もまた2つの姿があっても不思議では無いでしょう。」
68猫実「失礼致します。お呼びでしょうか。……え?あ、はい、………は?………解雇……?ま、待ってください!!私はこの会社のために…!!!なのにどうしてそんな急に…!!おい待て…!!!!」
69猫実「暑い……なんで、俺がこんなところで働いているんだ……どうして……エリートだったはずのこの俺が……」
70猫実「腹…減った………、ろくな飯が食えない……スーツが買えない……鞄も靴も……ネクタイすらも……。あの頃みたいに…金があれば……金さえあれば……!」
71マモン「あーあ可愛そうに。こんなにバラバラじゃぁ持って帰るのも大変だろぉ。面倒な殺し方はやめてくれよなぁ」
72ベルゼ「自分で選んだ人間が死んだというのに、随分と冷めているんですね、マモン。それとも悪魔はみなそうなんですか?」
73マモン「まぁ俺ぇ達も金で繋がってた、それだけの関係だからぁな。さぁて帰るかあ、行くぞぉ猫実ぇ」
マモンと猫実が消える
74ベルゼ「…やはり悪魔とは気が合わないですね…」
75豚真「a)あなたは私が死んだら、涙の一粒でも流してくれるのですか?ベルゼブブ」
76ベルゼ「さあ、どうでしょうね」
77豚真「a)そのハエの目から、ですか?」
78ベルゼ「全く、あなたって人は」




