1面
01ミカ「…あれがまた余計なことをしでかしたようだな。」
02ガブ「…そのようね。…矛先がまさか人の子だなんて」
03ラファ「今回ばかりは笑い事ではすみませんよ。我々が降りなければ彼らがどうなることか」
04ウリ「えー、あいつらのお遊びには極力付き合いたくないんだけどなあ。」
05ミカ「そうも言ってられない状況だ…私たちであれを止めにいく。」
06獅音「…う…(目が覚める)」
07ルシ「やーっと目覚めたか獅の面。人間ってのはすぐ死にそうになるから困るぜ」
08獅音「な、んだ貴様…?ここは…、?…目の上に何か…」
09ルシ「だぁーめんどくせーな、質問は1つずつにしろってママに教わんなかったか?」
10獅音「おい、僕にそんな口のきき方をするな。」
11ルシ「あーあーめんどくせぇ奴がもっとめんどくせぇ罪の発現をしちまって。俺様を何だと思ってんだよったくよぉ」
12獅音「罪の発現・・?」
13ルシ「最初の質問はそれか?そうだなあ、言うなれば・・」
14猿賀「能力の活性化?」
15サタン「そうだ猿の面。お前が付けているその獣の半面は我が司る力を増加させるもの。時間が経過によりその能力がお前に付与されてゆく。」
16猿賀「ちょっと、言ってる意味がよくわかんないんだけど。なんでそんな面をあたしがつけないといけないわけ?」
17サタン「ああ、それは」
18ベルフェ「君がそれを望んでいるからだよぉ、熊の面。」
19熊谷「なに?僕がなにを望んでいるって?」
20ベルフェ「このお面の能力ぅ。君は発現をしたばかりだしあんまり実感ないだろうけどぉ。君がすっごい欲しいもの実は手に入れちゃってるんだよねえ。・・・思い当たる節・あるでしょお?」
21熊谷「・・・・、それで?・・・君の目的はなに。」
22マモン「金ぇ?そんなもの俺はいらねえぞ。これは暇つぶしだ。」
23猫実「・・・暇つぶし・・だと?」
24マモン「お前はこんなものじゃ満足できねえだろ猫の面。だからこの面をあと6つ用意しておいた」
25猫実「・・・力の手に入る面が、・・あと6つ」
26マモン「欲しいだろ?だがタダで全部やるってわけにはいかねえ。」
27豚真「a)取り合い・・・他にもこの面をつけた人がここにいるということですね。」
28ベルゼ「理解が早くて助かります豚の面。ここはあなた方の云わば闘技場。出会った者同士が戦い面を奪い合う・・簡単でしょう?すべての面を奪ったものが勝者です。7人のうちのたった一人がすべての能力を手に入れられる・・・」
29豚真「a)面を奪ったものにその面の能力が手に入るのはわかります。奪われたものはどうなるんですか?まさか・・・・・」
30アスモ「がーはっはっは!命をとるだと兎の面?!そんな悪魔のようなことはせん!!ただ能力を奪われて元の世界に戻るだけだ!!それがお前たちにとって命を失うことと同等かどうかは別としてだがなあ!がーはっはっはっは!」
31兎我野「・・・・、どうでもいいんだけど・・・あんたたちはなんなの?人間じゃないってことくらいこの私にもわかるけど。」
32アスモ「わしらか!!そうだな!!わしらは悪魔だ!!がーはっはっは!!」
33兎我野「・・・悪魔なんじゃん・・」
34レヴィ「さて蛇の面、ここまでの話でなにか不明なことは?」
35蛇丸「大体のことは分かったわ。まったく厄介なゲームに巻き込まれちゃったわね。どうせ拒否権もないんでしょうし・・そもそも拒否する理由もないんだけど」
36レヴィ「君ならそういうと思っていたよ。それじゃあこのゲームのルールを教えてあげようね。君たちは自らの顔を晒すことも名を明かすことも許されない。それと7人それぞれに対応する武器と僕たち悪魔が存在する。ま、僕たちが手を貸すことは皆無だと思ってもらっていいよ、僕たちはただのギャラリーだからね。」
37蛇丸「ほんと悪趣味ね。・・・・チュートリアルの最後に教えて頂戴。あなたたちと、その能力の名前。」
38レヴィ「ああいいとも。僕はレヴィアタン。ヘビを模る蛇の面、嫉妬を与えしもの」
39アスモ「わしはアスモデウス。ウサギを模る兎の面、色欲を与えしもの」
40ベルゼ「私はベルゼブブ。ブタを模る豚の面、暴食を与えしもの」
41マモン「俺ぇはマモン。ネコを模る猫の面、強欲を与えしもの」
42ベルフェ「僕はベルフェゴール。クマを模る熊の面、怠惰を与えしもの」
43サタン「我はサタン。サルを模る猿の面、憤怒を与えしもの」
44ルシ「俺はルシファー。ライオンを模る獅の面、傲慢を与えしものだ。さあ、人の子、楽しもうぜ・・?最高の暇つぶし、柒の始まりだ」
ナレ「傲慢、憤怒、怠惰、色欲、強欲、暴食、嫉妬。人間を死に至らせる7つの罪として、見做されてきた欲望や感情を指す。
これらの大罪と比肩する悪魔は獣の半面を創り出し、銘銘罪の力を込めた。
集められた7名の人間は自らの顔を晒すことも名を明かすことも許されない。
力を得る。故に血を流す。
その戯を悪魔は柒と喚ぶ。」
45獅音「柒。1の面、傲慢な天使は地で怒る」
獅音がルシファーを相手に体術の訓練をしている
46ルシ「なあもう行こうぜ獅の面、お前がすげえのはもう十二分にわかったって。」
ナレ『(説明するように)ルシファー。神になり代われると反逆したが故に堕とされた大天使長。』
47獅音「僕の限界はこんなものではない。折角得た能力だ、実際別の面に会った時に使いこなせてなきゃ意味がないだろう?その口と尾は飾りか?真面目に相手をしろ、悪魔。」
ナレ『(説明するように)傲慢、獅の面。24歳。1番でなくては気が済まない男。』
48ルシ「やあだね。てか俺様は元大天使長だぞ?人の子如きが練習に使えるような存在じゃねえの。」
49獅音「(尾の攻撃を受ける)・・ぐっ・・、貴様ルシファーって言ったな。堕天のか」
50ルシ「人の子も俺のことは知ってんのな。何かの下に付くなんざ俺の性に合わなかったんだよ。お前もだろ?獅の面」
51獅音「・・・そうだな。僕は・・・・」
52ルシ「だあからその面を渡したんだろーが。傲慢にすべての面を奪い取ろうぜ?ソレを持つべきなのはお前だけだ、そうだろ?」
53獅音「・・ああ」
54ルシ「だったらいこうぜ!な?・・奪い合ってこその最高の暇つぶしなんだからよお」
55獅音「貴様の指図は受けない、僕は僕の動きたいときに動く。どうせギャラリー、なんだろう?なら黙ってみてろ」
56ルシ「ちっ、マジでめんどくせえ奴」
57猿賀「めんどくさいなあ?!なんであたしがわざわざ探さなきゃいけないわけ?あんたが探して連れてきなさいよサタン!!」
ナレ『(説明するように)憤怒、猿の面。18歳。常にイラついている女』
58サタン「言ったであろう猿の面。我らは傍観のみ、手助けなどは出来ん規則だ。」
ナレ『(説明するように)サタン。神の使いだったが反逆したが故にルシファーと共に堕とされた。人間を怒りの子として可愛がる。』
59猿賀「規則規則って・・・破ったらいいじゃない!あんた悪魔なんでしょ?!」
60サタン「・・・、我は信念のもと動いている。怒りたければ気が済むまで怒るが良い。お前たちは生まれながらにして憤怒の子であるのだから」
61猿賀「意味わかんない!あー腹立つ・・!さっさと終わらせて帰ってやる・・!」
62サタン「・・む、この気配・・・。はあ・・・」
63猿賀「何よ溜息なんかついて」
64サタン「最も話の通じないバカと当たってしまったかと思ってな・・備えろ猿の面、先ほどの名称は忘れておらんな?」
65猿賀「まさかもう?ほんとあり得ないマジ死んだらいいのに」
66サタン「口の悪い娘だな・・・」
67ルシ「おい獅の面。こっちから行かなくても向こうからやってきたぞ」
68獅音「は?(目を凝らす)・・・・若い女?女も参加してるのか。あの面は・・」
69ルシ「猿の面、憤怒だ。(小声で面倒くさそうに)また厄介な・・。(明るく)おーきたかサタン!」
70サタン「ルシファー、お前だったか。」
71猿賀「・・・ルシファー・・?」
72ルシ「堕天使同士仲良くやろうぜえ?・・まあその面はこいつが頂くけどな?」
73獅音「おい、猿の面」
74猿賀「あ?何よ、急に話しかけないで」
75獅音「僕にその面をおとなしく渡せ」
76猿賀「はあ?!」
77ルシ「獅ーのーめーんー、戦えって言ってんだろ俺様はあ!お話合いなんてつまんねーだろお?!」
78獅音「女に手を出さないという家のしきたりがある。」
79サタン「ほう。気に入ったぞ獅の面。だが、この我の面をそう簡単に渡すわけにはいかん。それもまたお前の言うしきたりだからだ」
80ルシ「そーだったお前は俺様と同じ堕天使でも神の下であることに変わりねえんだった。そういう規則とかしきたりとか好きじゃねえんだよなー。さっさとやれ獅の面、力尽くしかねえんだよ」
81サタン「猿の面、あれは傲慢の獅の面だ。気を抜くな。」
82獅音「獅の面スペルビア・シン!!」
83猿賀「猿の面イラ・シン!!」
84ルシ「ありゃイラ・シンって棍棒だったか?わりと近距離戦になりそうだな。5分ってとこか」
85サタン「ははは、随分と甘く見られているようだ。」
86ルシ「お前見る目ないな、サタン?なんで女なんか選んだんだ。憤怒だったら男の方がいいだろぜってー」
87サタン「人の子の男は老いが進むにつれて発現が増すようでな。使い物にならんかったのだ。」
88ルシ「へー、なんかよくわかんねえけど。憤怒と傲慢、どちらか罪深いか…教えてやれよ獅の面。」
89獅音「悪く思うなよ、猿の面。一瞬で終わらせてやる」
90猿賀「はっ、バカ言わないでよ。こっちだってその面を欲しい理由ができたの。」
91獅音「そうか。・・・なら、精々足掻けよ。——————ふんっ、はあああ!!」
92猿賀「ぐっ・・・!!こんのおお!!」
(獅音が走って飛んだあと蹴りを繰り出す→猿賀が避けて棍棒で地面を叩くと割れて獅音を襲う)
93獅音「う・・ぐ!おい悪魔!いくら女だからって武器と生身ってのはちょっと割に合わないんじゃないのか?!」
94ルシ「あー?なんもきこえねえなあ?けけけ」
95獅音「ちっ、後で絶対にぶっ飛ばしてやる・・・ふっ・・!はっ、・・たああっ!」
96猿賀「・・・ひっ、・・・うっ・・ぐう・・っ!」
(獅音の体術の連鎖を必死に避ける猿賀)
97ルシ「あーあ、かあいそーに。避けてばっかじゃ面はとれねーぜ?降参、した方がいいんじゃねーの、サタン?」(二やつきながら)
98サタン「・・・・・、猿の面。」
99猿賀「はぁ・・はぁ・・、・・・・・?」
100サタン「思い出せ、猿の面。あのようには・・戻りたくはないだろう。」
101ルシ「げ、おめー・・・・やりやがったな」
102猿賀「・・・あの・・頃に・・・はあ・・、・・あの・・・こ、ろ・・はあ・・・はあっ・・・はあっ!!」(だんだんと過呼吸)
103獅音「・・・なんだ?」
104ルシ「獅の面」(隣に急に現れて真剣な様子)
105獅音「…っ?!なんだ急に」
106ルシ「気ぃつけろー?だいぶ荒れるぞ、あいつ」
107獅音「・・・荒れる・・?」
108猿賀「はあっ!!・・あ・・・はあっ!!・・・うるさい・・・うるさいい・・・うるさあいいいいい!!!!」(豹変した猿賀が獅音に遅いかかる)
109獅音「っ?!面が完全に顔を覆った…?!?!・・・・ぐ・・っ・・クソ、・・・・っ?!」(避けて砂ぼこりに顔をしかめるが、その中から棍棒が現れる)
110猿賀「黙れえええええっ!!!!」
111獅音「いっ・・・ぐぁ・・・っっ・・・ぐうう!!!」(棍棒に左腕を潰され痛みにうずくまる)
112猿賀「あ・・あたしは・・・あたしは・・・っ!!!!何も・・・何も何も何も悪くないのにいいいいああああああ!!!」
113獅音「(静かに)ごちゃごちゃと・・・・、貴様の方が・・・うるさいんだよ・・・!!!!」
(錯乱して立ち止まっている猿賀の顎を獅音が下から蹴り上げる)
114サタン「猿の・・面が・・」
115ルシ「意外とあっけなかったな。・・・暴走させたときにはひやっとしたが」
116サタン「最近の人の子は随分と脆い。・・怒りを現すことがこれほどまでに拙いとは」
猿賀過去
117猿賀「えへへ!偉いでしょう?今日もテストで満点取ったんだよ!え?次も…?も、勿論だよ、私頑張るから…!言う通りにする!ずーっといい子でいるね?だからね、お願い、捨てないで?ね?パパ、ママ。だあいすきだよー!えへへ!」
118猿賀「……パパ、……ママ。…なんで…、どこに行ったの……?私のことが嫌いになったの…?私が悪い子だから…?ごめんなさい…ごめんなさい…」
119猿賀「どうすれば良かったの……、あの人たちの言う通りにして、すべて耐えて…ずっと笑顔でいたのに…なんにも報われない。…誰も褒めてくれない…。どうしてどうしてどうしてっ!!!この怒りを……あの人たちに伝えることも…もう出来ない………」
現在
120猿賀「…ご…めん……な……い(ごめんなさいを途切れる声で)」
近づいて地面に落ちている面を取る獅音
121獅音「なに謝ってんだか、憤怒のくせに」
122ルシ「よし決着ついたな。それ、ちゃんと持って帰れよサタン。」
123サタン「ああ、そうだな」
124ルシ「(少し小声で)おい、次はちゃんとしたの選べよ…?…つまんねーだろが」
125サタン「………(やはり気が合わないと思っている)、さらばだ。帰るぞ、猿賀。」
サタンが猿賀を抱えて消える
126ルシ「(独り言)…ったく、同じベリアルとは思えねーな。(明るく)やったな獅の面。これでお前は憤怒を手に入れた。」
127獅音「この面はどうすればいい。」
128ルシ「自分の面に重ねてみろよ」
獅音が言われた通りにすると猿の面が獅の面に溶けてライオンの顔の部分が猿になる。
129獅音「…面が溶けた……」
130ルシ「獅子の顔が猿となり、お前は2つの罪を重ねた。その調子でどんどん奪ってこうぜ」
131獅音「…………」
132ルシ「ん?あれ?おーい獅の面?獅の面って(ば)」
133獅音「うっせえ悪魔!俺に指図するなって言っただろ?!」
134ルシ「はぁ早速かよ……やっぱめんどくせー…」




