新しい仕事と新しい家
「本日から配属された海藤美花さんです。みなさん、よろしくお願いしますね」
雪芽さんの家にお世話になった翌日、私の職場になる幽便局へ向かった。
「あ、あの・・・これ、制服、です」
「ありがとうございます。あの、お名前をお伺いしても?」
「は、はぃ・・・私、教育係になりました・・・勇と・・・もうします」
「よろしくお願いします。勇さん」
勇さんは気が小さいようで、握手しようと手を差し出しただけで怯える。
「勇、いい加減その人見知り直したら?あ、私は劉輝。よろしくな!」
笑顔が・・・まぶしいですね。
「ここが、私たちの担当区域になります。一軒一軒回るのは大変ですが、頑張りましょう」
先ほどまで人見知りをしていた勇さんは、仕事になるとスイッチが入るらしく、とてもはきはき物を言う。それを横目で見ながら私は幽便物を届けていた。
「えっと・・・46587・・・46587・・・」
「46587はあそこです。右から若い順に番号が並んでいるので、分かりやすいですよ」
「あ、ありがとうございます」
「いえ。早く終わらせてしまいましょう。戻ったら幽便物の整理と局内の清掃がありますから」
・・・本当に、さっきまで人見知りしていた勇さんはどこへ?
「終わりましたね。お疲れ様です」
「あ・・・はぃ。お疲れ様、です」
あれ?また人見知りに戻ってる。
「美花さん!お疲れ様です!勇も!」
「ぁ・・・お疲れ様、です」
(あの、なんで勇さんはこんなにも裏表があるんですか?)
(彼、仕事中は人見知りしないんですけど、仕事が終わったとたんこれなんだ。まぁ美花さんも慣れたら気にならなくなるよ)
そう言うものか。
仕事が終わって一度雪芽さんの家に帰った後、新しい家に来ていた。
正直、昼からの仕事でよかったと思う。
「はい。ここが美花さんの新しい家ですよ」
「本当ですか?少し一人で住むには広すぎる気が・・・」
いったいいくら契約金でしたんだ?
「まあ、最初はそう言う反応になりますよね。でも、ここ、この辺で一番安くて狭い土地なんですよ」
なんですと!?それは一体どういうことですかな?
「あ、言い忘れていましたが、ここ一帯の畑も土地に入っていますよ。畑仕事もしないとやっていけませんからね」
「畑!?畑なんてやったことないんですけど!?」
「え?薩摩出身ならできると思っていたんだけど・・・」
「薩摩出身だからって、みんな畑ができるわけじゃないんです!!」
「なら、補佐殿に一度相談してみましょうか」
もしや美花さん、やり始めると止まらないタイプかも・・・?




