お迎えに上がりました
『この度は私ども幽好界にご入会していただき、誠にありがとうございます。
本日中にお迎えに上がりますので、どうかそのままでお待ちください』
始まりは、このふざけた内容のチラシだった。
「はっ!?なに幽好界って!入会した覚えないんだけど!!」
「あんたまた怪しいサイトにアクセスしたんじゃないの?お母さんあんたの趣味にどうこういうつもりはないけどね、変なサイトだけは見ないでよ・・・」
・・・まあ、気にすることもないと思って放っていた私も悪いけどさぁ。
「なんでこうなるのー!?!?!?!?」
私公園散歩してただけなんだけど!?なんで落とし穴なんてほってあるのさ!
いや、確かに油断した私も悪いけど、ここしたコンクリートの筈だよね!?なんでこんな深い穴があるのさ!お姉さんびっくり!!
「わたくしといたしましては、会社に勤めることもなく、いつまでも親のすねをかじっているあなたにびっくりですがね」
・・・ゑ?
「あんた・・・誰?」
「人に名を聞く前にまず自分から名乗るべきなのでは?海藤美花さん」
「いや、私の名前なんで知ってるの?てか、この穴ほったのあんた?」
「察しがよくて助かります。わたくし、こういうものです」
そう言って差し出された名刺を見てみると、『幽好界会長補佐 菴』と書いてあった。
「あの・・・名前の部分が読めないのですが?」
「これは失礼。この程度の漢字なら読めるかと思ったのですが・・・」
こいつ・・・絶対馬鹿にしてる。
「まぁ、あとでご説明いたします。もう間もなく到着致しますので」
そう言わて下を向くと、町が広がっていた。__それもかなり大きな。
「は?え・・・ちょっ・・・落ちてる!?」
「何をいまさら。落とし穴から来たのですから落ちてるに決まってるでしょう」
「いやまぁ・・・そうですけど。コンクリートの下に町が広がってるとか・・・想像できませんよね?」
「人間にとってはそう言うものですか」
え?”人間にとっては”って、どういうこと?