ありがとう
初書きなので、温かぁい目で見てくれると嬉しいです(かなり)
まだまだまだ未熟中の未熟者ですが頑張っていきたいと思います。
暗くて何も見えない世界。
人の気配も建物の影さえも何も無い世界。
そんな空虚な世界に独り佇む人影。それが俺。
特に何をするでもなく周りに目を向ける。
どこを見渡しても目に映るのは黒、黒、黒。
当然、光など一切ない。
目印も道も無いから、自分が何処に立っているのかすら分からない。
ただ突っ立っているのもそれはそれで気疲れしそうなので、取り敢えず今向いている方向に進んでみることにした。
どれくらいそうしていただろう。
何処からともなく“音”が聞こえた。何の“音”だ。
耳を澄ませてみる。聞き取れない。
だが確かに“音”が聞こえる。
歩いていた俺の足は段々と、少しずつ速さを増す。
次の瞬間には、俺は勢いよく走り出した。
微かに聞こえる“音”を求めて、真っ暗な道なき道をひたすらに走る。
俺の出すリズミカルな音と不思議な“音”がこだまする。
“音”はやがて“声”になった。
誰だ、誰の“声”だ。誰が俺を“呼んでいる”?
息が切れる。足がもつれる。視界がぐらつく。でも止まる訳にはいかない。
俺は走る、“声”を求めて。
遥か先に小さな“光”が見えた気がした。
俺の足はいっそう強く地面を蹴る。
駆けろ。足を動かせ。もう少し。あと少し。手を伸ばせ。指を伸ばせ。音を出せ。声を張り上げろ。
“光”はもう目の前だ、止まるな。進め。進め。
“声”は段々近付いて、そして明確になる。
“光”の向こうまで届くように、強く、強く声を出す。
目一杯に伸ばした指が“光”に触れた瞬間、辺り一面が白に染まった。
いきなりの出来事に、瞑っていた目をゆっくり開けると、そこには優しい空間が広がっていた。
“色”が、“音”が、“声”が広がっていく。
今まで見た事がない程にカラフルな景色に驚き見とれていると、目の前には眩しいくらいに輝く太陽。
全てが初めてだった。こんなに綺麗な世界を俺は知らない。
辺りを見回しながら色の上を歩いていると、俺を呼ぶ声と笑い声。
俺は笑顔で走り出す。
柔らかい風が色彩と共に俺を包んだ。
暗くて何も見えなかった世界。
建物の影さえも何も無かった世界。
そんな空虚な世界に独り佇んでいた人影。
それは昔の俺。
長い間独りだった俺の周りには今、光輝く太陽と色鮮やかな音。
そして暖かい笑顔がある。
あぁ、あの時聞こえた“音”は お前らだったんだな。
どうにも文章力が拙くて...すみません。