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そのいち

前作完結していないですが、2作目です。

前作と同じ世界でのお話なので、あれ、と思うことがあると思います。

いつかこのお話の女の子と青年メインのお話を書きたいなぁとか思ってます(*^^*)

むかしむかし、あるところに一人の女の子がいました。

女の子は奴隷でした。

物心ついたときから、村一番のお金持ちの家で畑仕事をしていました。

ほかの奴隷はみんな大人だったので、女の子は子供だったけれど、大人と同じくらい働かされました。

女の子には休む暇なんてありませんでした。

毎日大人の倍以上の時間をかけて、くたくたになるまで働きました。


夜になると、奴隷たちは馬屋に押し込められました。

狭い馬屋でも、働くよりはずっと楽でした。

しかし、女の子はやっぱりやすめないのでした。

女の子が寝ようとすると、毎晩きまって馬屋の扉が開くのです。

入ってくるのは主人の息子。

女の子の姿を見つけてにったり笑います。

ああまたかと女の子は思いました。

息子は女の子のそばまでいくと、女の子の長い髪の毛をつかんで馬屋の外に引きずり出します。

馬屋の外は寒く、女の子のボロ布のような服では急速に体温を奪われていきます。

息子は意地悪そうな目で女の子を見ました。

お前の目の色、気味が悪い。まるで蛇だ。

息子はお決まりのセリフをいいました。

女の子は月光のした、金色にきらきら光る自分の瞳が好きでした。

それに、夜はとてもよく見えるのです。

だから息子から何を言われても平気でした。

蛇は殺さなきゃな。

そういって顔や体を殴られるのも慣れっこでした。

途中から気を失って、目が覚めるといつもあさひが顔をだしていました。


そんな毎日を繰り返していましたが、女の子は逃げようなんてまったく思いませんでした。

なにせ奴隷の生活しか知らなかったので、ほかの人間もみんなこんな生活をしているのだと思っていたからです。


やがて数年が過ぎ、女の子はいつのまにか奴隷とは思えないきれいな少女になっていました。

それでも女の子の生活は変わりません。

畑を耕すことが少し楽になったぐらいでした。

夜になると、相変わらず主人の息子に殴られます。

女の子はやっぱり逃げようとは思っていなかったのでした。


ある日、女の子の働くお屋敷にお客様がやって来ました。

リンデバークの神官さまらしいよ。

ほかの奴隷がそんな噂をしていました。

リンデバーク、神官。

勉強なんてしたこともなかった女の子にはよくわからない言葉でした。

お屋敷に一人人間が増えたんだ、と思っただけでした。

そしていつものようにクワをもって畑に出ていきました。

季節は夏。

太陽は女の子をじりじりと照りつけます。

額から汗を流しながら、女の子は畑を耕しました。

おい、おまえ。こっちにこい。

突然声を掛けられて振り向くと、主人が立っていました。

なんの用なのでしょう。

今まで女の子は主人から声をかけられるなんてこといちどだってなかったのです。

不思議に思いながらも女の子は主人の前に行きました。

主人はこう言いました。

おまえ、神官さまのお世話をしろ。おまえが一番見た目がいいからな。

だれかのお世話なんて女の子はしたことがありませんでした。

しかし女の子は主人の言い付けは守らなければいけません。

お世話とは、なにをすれば良いのでしょう。

女の子は尋ねます。

いいから言われた通りにしろ、と主人は女の子の顔を殴りました。

息子よりも力が弱かったので、女の子はへっちゃらでした。

主人がいうには、神官さまと呼ばれる人の言うことを聞いて、食べ物や服などを運び、部屋を掃除すればいいようです。

女の子が神官さまのところで働いているあいだは、別の奴隷が畑仕事をしてくれるようでした。


女の子は初めてお屋敷に入りました。

白い壁、金の像、大きな絵画など、見たこともない光景が広がっています。

辺り一面きらきら輝いていて、女の子はなんだか窮屈な気分になりました。

これに着替えろ、と主人から渡された服は、真っ白のエプロンに黒いワンピース。

たくさんのレースがつかってありました。

この部屋で着替えてくるんだ。

主人はひとつの部屋のなかに女の子を放り込みました。

どんな風に着るべきなのか、女の子はまったくわかりませんでした。

戸惑ってきょろきょろあたりを見回すと、入ってきた扉の近くに同じような服を着た女の人がたっています。

女の子は見よう見まねでワンピースに着替え、エプロンを着けました。

部屋から出ると、主人のとなりに一人の青年が立っていました。

白髪に白い肌、おまけに服まで白いので、雪でできた大きな人形だと間違ってしまうところでした。

こちらが、おまえがしばらくお世話をするリンデバークの神官さまだ。失礼のないようにするんだぞ。

主人の口調は驚くほど穏やかでした。

よろしくお願いしますと女の子は言いました。

青年は女の子の姿を見て、わずかに目を細めました。

そのひとみは紅で、女の子はとてもきれいだと思いました。

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