恋の予感
ー学校ー 美野
今日は、いつもやたらとうるさい大林が、静かだ。
ありがたいことなのだが、すごく奇妙だ。
こうなると、病気を疑ってしまう。
失礼なことだが。
そんな事を考えてたら、
心配になって、声をかけてみた。
「大林何か元気ないね。」
すると、大林は
「そ、そうか?そんなことないぜ。」
動揺したような口調で、言った。
絶対何かあった。のかある。
…てか、何で大林のことこんな考えてるんだ。
いけない、いけない。
授業に集中しないと!
ー授業後ー
やっぱ、集中できなかった。
どうしたんだろう。
さすがに、こんなんだと、心配してるどころじゃ
済まない。
大林が私のこと好きなの意識しすぎて、
好きになっちゃったのか?
そんな…。
そんな訳ない。
そう自分に、言い聞かせた。
ー昼休みー
「ちょっといいか?下行こうぜ。」
嫌な予感がした。
ーとある教室ー 2人
誰もいない。
誰も来そうにない。
そんな教室だった。
「あのさ…。真剣な話なんだけど…。」
沈黙が、続く。
今剣があれば、切りたいほどだ。
この空気を。
ただ、そんなことは、どうやっても、出来ない。
だから、話してみた。
「あのさー。体調戻ったんだ。」
そういうと、大林は
驚いたような顔で
「何だ、その話?」と言った。
もう授業中のことを、忘れたのだろう。
大林にしては、珍しいことだ。
勉強に関しても、妙なことに関しても
記憶力が、いい。
ちょっとしたことでも、覚えているのだ。
その大林が、忘れている。
それほど大きい何かが、あったのか…?
そう考えていると、大林が話し始めた。
「で、本題なんだけど…。俺…玉山のこと…」
「やめて!!」
いきなり叫んだので、大林はびっくりしている。
そりゃ、いきなり大きい声で、叫んだら
誰だってそうなる。
ただ…、もう先の言葉を、聞きたくない。
私は、生きなきゃいけないから。
「あの…、どうかした?」
心配してるんだな。
そりゃ、いきなり叫ばれたら
驚いた後に、心配するだろう。
「いや…、何でもない。」
そう言った私は、泣いてしまっていた。
そしたら、大林に抱きしめられた。
温かくて、落ち着く…。
けど…
「何すんの//!」
そう言って、大林を押した。
すると、何か勘違いした大林は
「何今さら、強がってんだよ。泣きたいときは、
泣けばいいだろ?」と言って、抱きしめた。
そして…
大林は私にキスをした。
「ちょっとやめてよ//!」
大林を押し、大声で叫んだ。
「ごめん…。」
ごめんじゃないよ!
大林のこと好きになっちゃう…。
けど、精一杯好きじゃないと否定した。
でも、そんなの無意味なわけで。
すでに、私は大林に恋をしていた。