悲しい知らせと過去からの伝言
恭が、説得している時
恭の未知の可能性を感じた。
この人なら、色んな人を救えるだろう。
その巧みな言葉で。
失いたくない。
ー翌日ー 恭サイド 7月17日
「恭…。」
そう呼んだ死神は、いつもと比べて、暗かった。
「どうしたんだ?」そう聞くと
「昨日死神スーツ着てないから、疲れがヤバい。」
と言った。
ていうことは、あれで疲れなくなるんだ。
だから、夜でも仕事する。
何か悪いことしちゃったな。
「あの…、何かごめんな。」
とりあえず、謝った。
そしたら、死神は何も聞いていなかったのか
こう言った。
「死神業一緒に、やらないか?」
って。え?
どういうことだよ、昨日は危険っていったくせに。
とぶつぶつ言っている俺を無視して
死神は続けた。
「ただ、昨日みたいな仕事だけね。」
昨日のってことは、止める仕事。
それなら、あんま危険じゃないしな。
そんなことを考えながら、料理をしていた。
目玉焼きが焦げて、嫌なにおいがした。
ー学校ー 恭
学校に着いたと思ったら、校長に呼び出された。
校「いや、実はねー。こんなこと言いたくないんだけど…」
嫌な予感…。
ついに、親戚お金まで払わなくなったのか?
そう思っていた。
だが、思いもよらない言葉が、出てきた。
校「青島 葵くんのことなんだがね…。」
葵に何が?今日葵見てねぇし。
焦りとともに、怒りが湧いてくる。
校「事故で、亡くなったそうだ。その際に、こんなものが。」
校長がそう言って、1通の手紙を渡した。
俺宛だった。文字の感じからして、1年前のだろう。
なぜ、そんなにも渡されていなかったのか
考えても、わからなかった。
とりあえず、手紙を読んでみた。
恭へ
恭とは、幼稚園のころから、ずっと一緒だったね。
恭は、あんまり学校に来ないから、
家に遊びに行ってたよね。
楽しかったよ、あの頃は。
何も気にせず、遊べたんだもん。
けど、中2ぐらいになって、恭のこと
意識し始めた。
中2になってから、ほぼ毎日来るようになって
いずれ彼女ができて。
悔しかった。
ずっと見てきたのは、私だったから。
正直気付いてくれないのに、イライラしてた。
けど、嫌いになれなかった。
それからも、ずっと恭のこと
思い続けてて、大学生にまでなっちゃった(笑)
2年生になって、緑ちゃんが入ってきて
すごいなついてて「あっ、この子も恭好きなんだ。」って。
勇気を出して、告白しようとしても
ずっとタイミング逃して。
だから、手紙でいいから、言わせて。
恭。ずっと好きだったよ。
葵より
それで、終わっていた。
俺は、葵の気持ちに最後まで
気付いてやれなかった。
どうして…。どうして、俺は気付けなかったんだ!
どうして…
大切な人ばかり失うんだ。
もう何も、失いたくない。