好きな人
「もう、あんたなんか知らない!」
「俺もしーらね!」
いつものように、拓海とケンカしている。
原因は、些細なこと…もう!
拓海なんか、だいっきらいなんだから!…
あの時は、そう思っていた。嫌いだって…でも…
頑張れー頑張ってーなど男子を応援している甲高い声と男子が、ぜぇぜぇしている声が飛び交っている。もちろん、私は大好きな勇気くんを応援した。
「はぁ、俺も応援しろよ」
「あんたなんか、応援するか!ばーか」
また、ケンカしてしまった…内心、私の中ではどうしょうという気持ちとアアーという気持ちが積もりに積もっている。
授業が終わって、放課後になった。
教室に、私と拓海の二人になった。
「あ、あのさ、」
「なに?」
「お、おまえのことが、前から好きなんだ!
なぁ、俺じゃだめかな?」
拓海のことは、だいっきらい!でも…いきなり告白されちゃったら、気になってきちゃうじゃん!
次の日もその次の日も拓海のことが気になって…
そして、だんだん好きかもしれないって思ってきちゃった!どうしょう~
だんだん、勇気くんのことを忘れてしまっていた。
ああ、私って拓海のことが好きなんだ…
今日は、拓海と帰る。帰り道で、
「ねぇ…」
「なぁ…」
「付き合おうよ!」二人の息ぴったりで言った。
「うん!」
拓海が私の手を取り、大きな一歩を歩いた。