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第43話 バイト初日

「えっ?やばぁ。君タコス屋のイチゴミルクソーダの子じゃん」


ジャーとバケツに水を汲んでいた俺は後ろを振り返った。

いつぞやのギャルがいた。


金髪の方のギャルだった。


そのギャルは、大きなビニール袋を持ち、俺と同じ半袖の青いポロシャツを着ていた。

ポロシャツはインし太めの黒いベルトを巻き、チノパン風のグレーのワークパンツは丈が長く彼女の長い足を強調していた。


4つあるボタンは首元までしっかりと止めていて、着崩す事無くカッチリ着ているのに、「え?本当にこれからお掃除するのですか???」という雰囲気を俺に与えてきた。


背筋がピンと伸びていて着こなしがサマになっているからだろうか。

いいや違うね! 服の素材がポリエステル多めで少し光沢があるからだ!!安っぽい蛍光灯の光の下なのにバイト中会った時より輝いて見える気がした。


彼女は、あの後も4回ぐらいナチョスとフライド・アボカド・タコスとオルティスソーダを注文しに来た。

オルティスソーダのフレーバーは毎度悩みながらコロコロ変えるけど、それ以外は毎回同じメニューを頼むから記憶に残ってたんだ。


その時は気づかなかったけれど……すぅー。。。っはぁーーー。ちょっと待って?めちゃくちゃスタイル良くない?????

袖口から見える細い二の腕や、かっちりとした襟付きの首元から見えるほっそりとした首筋に目が行ってしまった。


嘘。一番目がいってしまったのは胸元。言わずものがな胸。両胸のポケット部分。


両胸に1つずつ大きなポケットがあるのだけれど、そのポケットに何か入っている形跡はないのにポケットの蓋というかボタン部分が大きく膨らんで丸くなってて……


俺は、心の中でガッツポーズした。

この人と何かあるわけではないけど、無意識に俺は祝福した。


・・・いや違う、やってんだ!!俺は!!!

別にやましい気持ちはない。でもなぁ仕方ないだろ!!!あんなにポケットだけ立派に主張してたらそりゃ見る。見てしまう。普通に見るぞ!


……くっそぉ。もっと早くに気づきたかった。


「いちごみるく君もこのバイトなの?」


「はい。えっと…リリさん???もこのバイトなのですか?」


「わぉ。よく名前覚えてるね…!? そだよ!これから各フロアのゴミ回収。君はモップがけかな?」


「あ…えっと。はい!受付ロビーや会議室などのパブリックエリアのモップ清掃と窓拭きを20時までに…その、バイトリーダーのおじちゃんが来るまでにやっとけってオリエンの時言われて、用具の箇所と掃除方法を教えて貰いました」


「一緒じゃんwウケるwww 君も慌ただしいオリエンだったんだね? リリも「20時頃来るからそれまでにゴミの回収お願いしますねー」って言われて「えーまじ?投げやりじゃん!」って思いながらもこれから各フロア回ってく予定。なんか宝探しみたいでちょっと楽しみかもw」


そうして彼女はズボンのポケットから折り畳まれたパンフレットのようなもの取り出した。

俺が水を出しっぱなしにしてたからだろうか、その時腰につけていたICカードが落ち床で小さな音が鳴ったが彼女は気づかなかった。


「ほら見て! ゴミ回収の場所赤くバッテンつけてくれたの。宝の地図みたいでやばない?」


そう言ってばさっと広げたフロアマップをずいっと俺に近づけてきた。

近い!近い!!距離がおかしい!!!なんで本人も同時に近づいてくるんだ!!!


いつの間にか真横に居て両手でマップを広げて、俺の隣でワクワクしてるのである。

次のアトラクションどこ行く??みたいなノリだった。


いや、次のアトラクションどこ行く?って聞こえた気がした。嘘。うん、知ってる。100%気のせいだ。。。

すぅーーー。え?待って???俺、なんて返せばいいの???


目の前に広げられたマップを見る。

1F、2F、3F、そして地下エリアと色分けしており本当に遊園地のマップみたいだぞこれ!!!

遊園地のマップと違うところは四角い箱がいくつも並んでいて、記者会見室とか資料保管室とか署長室とか留置場とか押収物倉庫とか物騒な名前が書かれているところぐらいか。


じゃぁほぼ遊園地じゃん!!!


彼女が示した宝の地図は俺がこれから掃除するパブリックエリアにばかりバツがついていた。


「署長室とかには、お宝ないんですね…」


「ないわけないでしょwww 生活してたらゴミの1つぐらい出てくるって!!このエリアにバツがないのはね、署長室とか情報分析室とかそう言ったセキュリティエリアは警察の人とじゃないと一緒に入れないからバッテンつけるの省かれたんだぁー!!」


そう言って彼女は嘆いた。

ちゃんとノッたと思ったのに、真面目にツッコミで返された俺もちょっと悲しくなった。


「パッと見た感じですけど。両手で数え切れないぐらいこの地図にはバツ印が書かれてますしそう気を落とさないでくださいよ」


「そだね。確かにね。じゃ、そろそろ行くね! いちごみるく君も頑張ってね!」


切り替え早ぇなぁ…と呆気に取られているうちに彼女はもう数メートル先を歩いていた。


「あっ…待っ__」


カードを落としていることを伝えようとした瞬間にザミエルが素早く俺を静止させた。


「小僧の方が待て」


え???なんで???と意味がわからず立ち尽くす俺に悪魔の囁きが放たれた。

悪魔の囁きという名の正論どストレートパンチが俺の脳内に響き渡る。


「その板は、小僧も移動する時に使ってたものだな? なるほど……見た感じお前のものと違うのは下2桁の数字だけか。なら、お前の板とすり替えておけ」


「……何、言って……」


「自警団との動き次第でこれはただの労働ではなくなるのだろう? それに、小僧が目をつけられたくないのも知っている。ならばここで、そいつのものと入れ替えておいた方が動きやすいのではないのか?」


「ッ……!!!」


ザミエルの言い分は正しいからこそ俺は躊躇う。

目が自然に床に落ちたカードとギャルを交互に追う。何度も。何度も。視線が上下に動いた。

その間も、彼女は徐々に俺から遠ざかって行ってしまう。

カツカツと彼女の歩みがまるで秒針のように時を刻んでいく。


あっ。。。くそっ。俺は……!!!




次回更新:2025年10月1日(水) 10時頃目標!


「あのさ…君の感性を否定する気は全くないんだけど、一人称小説なんだから視線とか心の声とかもう少し自重しようよ」


ってイマジナリーノア・クレイン様が何回か囁きに来た気がして怖かったです! この43話執筆中!!!笑




それはともかく、リアクションありがとうございました!!!

42話に、あんな良い笑顔のリアクション付けて頂けるなんて……嬉しすぎて、噛み締めすぎて、「もうこれはザミエル好きのお嬢様の反応か、メダカ飼ってるアクアリウムお嬢様の犯行のどちらかでしかない!!!」と拡大解釈いたしまして、活動報告の方にちょっとした小話書いちゃいました☆

本編外だからできる作者泣かせの会話文みたいなものです。


まだ読んでいないお嬢様がいらっしゃいましたら是非ともお立ち寄り下さいませ!

本当に、リアクションありがとうございました!

めちゃくちゃ嬉しかったので、また推してくださいませ!!!もう何度でも押して欲しい。ありがとう!

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