表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

30/49

第29話 クレイン姉弟に俺の情緒は狂わされる

「おはよう。ノア」


友人に挨拶したちょうどそのときピロンとスマホが鳴った。


ロック画面に表示されるアイコンを見てドッドッドッド…と心臓がよくわからないテンポを刻み出す。


ソフィアさんからだぁ~!!!


もうアイコンのこのよくわからないグレーの海洋生物がいとおしい。

嬉しすぎて、唇と頬に凄く力が入る。吊りそうなぐらい自然と口角が横に引っ張られる。


やばい。泣きそうではないし涙が出てくる感じもしないのに鼻ジーンとしてきた……!


きっと今猛烈に口が閉じられてるから、この情報過多な現状にどうにかして立ち向かおうと少ない酸素で脳を働かせているせいだ。きっとそうに違いない。。。うっはぁやべぇスマホが輝いて見えるぜ!


えっ。どうしよう。通知開いて良いのかな?いいんだよね?俺のスマホだよねこれ?やばい。震えて指紋が認証されない……


〈指紋認証に失敗しました〉

〈指紋認証に失敗しました〉


…とスマホを指先で触れる度にブッブッとバイブ音が鳴る。

ノアがなにか言ってる。すまんが俺は今それどころじゃないんだ……!!っやべ


〈指紋認証に失敗しました。あと、3回間違えると端末が30秒間のロックにかかります〉


と年数回も見ないエラーが表示された。


「はぁーーーー」


片手でこめかみを押さえながら天を仰ぐ……ああ。朝日が眩しいや…ようやく息を大きく吸う……日射しに照らされて(いぶ)られた様な草木の香りと共に熱が俺の肺まで入ってくる。ああ、朝からなにやってんだろうな……俺。。。


「ねぇ。エイデン…さっきから大丈夫?」


「大丈夫じゃない。もう俺大丈夫じゃない……」


「パスコード覚えてる?」


「…うん。父さんの命日」


「…そっか。打てる?」


「うん…」


スマホを両手で持ってポチポチと親指で数字を押してく…あっ。ようやく開いた。


通知画面からメッセージに飛んだ瞬間パッと目に入ってきた文字だけでスマホを落としそうになる…両手で持っていて良かった。


数秒のフリーズを繰り返しようやくその文字を文章だと脳が認識する。


「ねぇ…俺、お前っ……お前の姉ちゃんから……おれっ」


「はいはい。大丈夫?ねぇ本当さっきから大丈夫?」


「なにか甘いもの食べに行かない?って……なにか甘いもの食べに行かない?…って!!!」


「あー。。。」


さっきから何度も「なにしてんだろうなぁ…」って言葉を飲み込んできてくれた友人がようやく言葉を失う。


俺は気にせずこのどうにもならない高鳴りを友にぶつける。


「なぁ…これっ。デートだよなぁ!?これ、デートだよなッッ!??」


「……デートかは僕にはわからないけど、君のこと気になってたのは確かだよ」


「……ッ!? 気になってた…!!?恋愛対象として…!!????」


「なわけw なんで僕の姉さんが君を恋愛対象として見るんだよ…」


「待って…やばい。どうしよう。スクショ撮って良い?あ。待ってスマホ落としそう…俺のスマホ持ってスクショ撮っといて欲しい……」


そう言ってノアの手にスマホを押し付ける。

手から重荷が消えちょっと寂しくなった。


「あ。ポーズとるからちょっと待って…」


「カメラじゃないんだから…スクショで写真は撮れないよ。エイデン」


呆れ顔でスマホを操作しながらノアは言う。手元からカシャッっと音がなる。


「僕が持っててもしょうがないしスマホは返すよ。…スクショもちゃんと撮っといたから」


スマホを返され、そのまま腕を引きビシッと立たされる。


「ほら、バス見えてきたよ」


バスが到着するまでの数十秒間。俺たちはどうにか息を整え冷静さを取り戻し、何食わぬ顔でいつも通りバスに乗り込み学校へ行った。


__________


「はぁ…なんだってんだよイスルギ先生のやつ…」


大きなため息をつきながら廊下に出る。

「今日はちゃんとエイデン・カーターじゃないか」ってなんだんだよ…いや、今日ザミエルいないから反応としては確かに正しいけどさ…


驚いて、舌打ちして、でも微笑んで、幼い綺麗な笑顔で柔らかい眼差しをくれて、、、でもやっぱり舌打ちして…悪態ついてさ……


先生は俺を、っていうかザミエルをどうするつもりだったんだよ。。。こえぇよ。もう幾何学(担当教科)だけじゃなく担当(イスルギという存在)がこえぇよ。。。。


そんなことを思いながら廊下を通り抜ける。帰路へ向かう……


掲示板前で立ち尽くすノアを見つけた。俺は咄嗟に立ち止まった…声を掛けようか悩む。ノアは掲示板の前でピクリとも動かなかった…真剣に読むその内容が気になって、俺はそっと隣に並ぶ。


……並ばなきゃよかった。。。

知らなきゃよかった……。。。


まさか、この学校にも見回り安全ボランティア…自警団を募集してるなんて……!!!


とりあえず言葉を紡ぎ出す……


「なぁ、知ってるか?……その、見回り安全ボランティアが自警団のように立ち上がってる…って」


「……あ、サンディエゴ!……サンディエゴも治安が悪くなったよなぁ?」


「その自警団……見回り安全ボランティアのやつら、ちょいと過激すぎて警察と小競り合い起こしてるって…………」


「……なぁ、ノア……聞いてる??」


「聞いてるよ……」

やっとノアが反応した。でもその反応は、俺にとって最悪だった。


「決めたよ……エイデン。僕、自警団入るよ」


「……どう、、、して?」


「魔弾の射手を見つけるためにさ」

次回更新:2025年7月18日(金)  21時頃更新予定!


エイデン情緒狂わされすぎだろwww

正直、ノアの心境が気になる。正直ノアがデート尾行するのかが超気になる。。

「や、やぁ…奇遇だねエイデン…と姉さん……たまたまそこで知り合ったの??」とか言うぜきっとあの男!!どう思いますか?お嬢様。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ