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第26話 ザミエル帰宅。そしてバイト

「…ッやあっと終わったー!!!」


「…大丈夫か?小僧」


「うん。大丈夫! 今日はありがとうなザミエル! もう「大丈夫」の確認もここまででいいぜ……っていうか本当に正確に30分毎で確認し続けてくれたから、慣れてから俺…あれからも何回か笑いそうになっちゃったよ」


バス停までの道中で俺は笑いながら独り言を言う。

学校出るまで我慢していた分、思ったより大きい声が出てしまった。


大丈夫。周りは誰1人としてこちらを気にしてない。

点々といる周りの人間たちは……通話や無線イヤフォンが主流となった為か、1人で話しながら歩いている俺に不審な目を向ける事はなかった。


まぁ、学校外だからってのもあるかもしれないけどな笑

結構なラグがあった後、ザミエルから返答が帰って来た。


「……お前が、30分に一回「大丈夫」かと言って欲しいと俺に願った…対価も受け取った……なぜ笑う」


「嬉しかったから」


間髪入れずに俺は答える。そして続けた。

今日1日でコイツとの距離が縮まった気がするし、それに俺、あとまだ5発も弾が残っているからコイツらとは長い付き合いになるだろうし……ザミエルにはきっと、今日みたいに「知らないうちに助けられていた」と思ってしまう様な事が、これからも起きる気がしたから……ちゃんと言葉にすることにした。


「……だって、まさか悪魔が律儀にそんなくだらない願いを全力で叶えてくれるとは夢にも思わないじゃん? 本当。ここまで律儀にやってくれるとは思わなかった。だから、ありがとう。助かったよザミエル」


「………」


スペイン語の授業の時のように、存在が消えた訳ではないが、息も聞こえないぐらいの無音無言の長い返答を受け取る。その後俺は話題を転換した。


「ちなみに今日16時からバイトで……いつもなら家に帰らずこのまま行くんだけどお前はどうする? 来る? 帰る? いや、帰れる?? 一緒に一旦帰ったほうがいい??」


「帰る。」


さっきの沈黙と比べものにならない程の即答だった。


「……マジかお前。自由にふらつけるの?」


「…自由かはわからない。だが、お前の家はわかる…それに、雨も降っていない。だから障害なく帰れる…」


????……障害???

え。雨が障害???その、匂いを辿っていく的な?? そんなん猫さんじゃなくてお犬様じゃないっすか!!???


”問題”という単語ではなく”障害”という単語が出て来た事に違和感も感じつつも、俺の心の中で「ザミエル=お犬様」説が若干湧き出た。……いや待って!?どういうこと!???

やっぱり疑問が拭いきれない俺はよくわからない質問を返してしまった。


「……俺、毎朝バス通学するほどの距離だぞ…???」


「構わない。帰る」


そう言い残して、多分。本当に帰って行った。

いつもの自分に戻った俺は、バスを待ち、電車に乗り、バイト先へと向かって行った。


ザミエルという悪魔の情報を知れば知るほど、俺の頭にクエスチョンマークが積み重なっていくという事実だけは……今日1日で痛いほど理解した。


__________


このお店、従業員出口とかあるようでない状態だから、普通に店舗入り口から入る。

内装は暗めでサボテンとかレンガとか鉄屑とか……よくわからないネオン色のディスプレイとかが雑に装飾されている。

ここは俺のバイト先、「メキシカンバー&レストラン「El Cielo Rojo《赤い空》」

営業時間は11:30〜24:00まで。昼はゆったりカフェ、夜はバーとして切り替わる二面性のあるタイプのお店だ。

赤とか黄色とか彩度の高めのゆったり腰掛けられるソファーに白いテーブルが4席。5人ほど座れるカウンターはオープンキッチンの横に取り付けられており厨房の中がチラ見えする……そんな感じの作りをしている。


現在客は1人。時刻は15時半ぐらいだから。客が少ないのも納得だ。。。って言うか15時半〜17時まで中仕込みで一旦いつもクローズしてる。この時間に客が居る事自体が珍しい。

何度も見たことあるラテン系の兄ちゃんが楽しそうに店長と会話してた。


「おぉ…早いな。エイデン! お前が再テストヤバいからってここ数日バイト休んでる間に世間は大変な事が起こってたぞ?……ちなみに、そのニュース見たか?」


店長のハビエルがほぼ常時つけっぱなしのテレビを指さす。魔弾の射手という謎の人物によるオルティス社長殺害のニュースが流れていた。「はい」と軽く返事を返す。


「もう映像じゃぁ流れてないけれど、社長が死ぬ時の金色の光は見たか?………あれ、正直ゾッとするよな。こんなCGみたいな映像で本当に人が死んでるのか疑っちまうよ」


「いやいや店長w あんなんで本当に人が死ぬわけないじゃないですかww 絶対政府がやったんですよ。企業のクソどもに脅しかけるためにさ…ドローン兵器だって?笑わせんな、あんな光線あるわけねーだろ。FBIの調査も早々に打ち切られたって話じゃないですかw」


笑いながらラテン系の兄ちゃんがこの強い口調とは裏腹に茶化す様に言葉を放った。

店長も「はははっ。違ねぇ…」って笑いながら聞き逃している。俺は流石に聞き逃せなかった。左手を後ろに回し隠し、手をグーパーグーパーさせながら聞いた。動かしてないと、自分で意識して動かしていないと、意識を失いそうだった。


「……FBIが動いたんですか???」


次回更新:2025年7月6日(日) 5時頃更新予定!


カクヨムの近況ノートの方に25話の落書き考察あげたので、もしよろしければどうぞ!…って宣伝しときます。こんなんで、お嬢様の食指が動くかわかりませんけれどね笑

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