第25話 ザミエル登校5
問題用紙にデカデカと「HELP!!」と書く。盛大なため息が脳内でこだまする……
仕方ないじゃん!!!”幾何学”は問題文からして意味不明なんだよ!!!問題文が意味不明な問題とか解けるわけないだろ!!!
これ以上! 俺に!!! どうしろと!!!!
再テストということもあって主要な問題だけピックアップされているのか1教科ごとの問題数が少ない。でも90分で幾何学、生物、アメリカ史を解かせるのはなかなか過酷。いや、もう拷問。問題自体の意味がわからない問題がもう2、3個出てきてる……タスケテとしか言いようがない。
「はぁ…。右腕借りるぞ…」
俺の返事を待たぬままペンを持った右手が勝手に動き、図形を交差する様にシュッと2本の線が引かれた。
え!? ああ!!! 見えてきたかも!!!ありがとうザミエル様!!!
ん?……え?こう、だよな??? 何とか答えらしき数字にたどり着いた瞬間「チッ…」て舌打ちされた。
恐る恐るペンを走らせる……「間違っていらっしゃいますか?」
一言だけ帰ってくる回答……「ああ。」
確認のために、もう一度ペンを走らせる……「2問前も舌打ちしてらっしゃいましたね?俺、間違ってた…???」
「ああ。」
冷や汗が止まらない…7問中ザミエルが舌打ちした問題は2問。残りの問題数は1問…
とりあえず、舌打ちが聞こえたこの問題と2個前の問題にグリグリと丸付けておいて、俺は…舌打ちが聞こえない様に願いながら最後の問題に手を付けるのであった…!!
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生物のテストは記述が多かったけれど、まぁ多分問題ない。
全部埋まったし、問題文がわからないとかいう不穏な問題もなかったし、自信ないの2問だけだし、それに舌打ち聞こえなかったし!!!
っていうか、舌打ちが聞こえないって言うよりアイツ多分…生物興味ない。
テスト中にやることじゃないことは自覚しているけど、でもやっぱテストってたまに変な問題入ってくるじゃん?だからつい、問題文に線引いて
「なぁwこの言い回し面白くね?」
…って。ついうっかり問い見た瞬間に共有してしまったのだけれど「ふーん」とも「そうか」とも翻訳できないぐらいすげぇ興味ない返事だけが帰って来た。
だから多分、生物に興味がないんだと思う……
猫さんだし、生物(構造)なんかよりキャットニップ(本体)の方が好きなんだ……
そうとしか思えないぐらいザミエルは無反応だった。
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幾何学の時の舌打ちでも、スペイン語の時の様に急に消えたりするわけじゃない……
だけれど、アメリカ史。俺が解答書くたびに何やら異質なオーラを放っていた。
何も言わずに、無言で。ただただそれが怖かった。
イスルギ先生が「なんで今日…お前はそんなに威圧感?放ってるんだ???」と朝方問い正して来たがあながち間違ってなかったのかもしれない。
うん。異質っていうより威圧かもしれない…俺が問題を解いていくたびに、教室の空気が1度ずつ下がっていってる気がする……
怖い。怖いんだけどザミエルさん!!!
悠長に問題を解いている暇はない。制限時間も残り僅かだし、幾何学で多分間違ってる問題が2問あるし、ザミエル怖いし……もうどうにでもなれ!と俺の記憶をフル動員してガッと書いてサッと裏にして幾何学の問題に移り直した。
テストが終わった後、ザミエルが「お前、その歴史…誰に習ったんだ? 文面であるなら読ませろ」と言って来た。
半ば脅しの様に聞こえた俺は、アメリカ史の教科書を半永久的にロッカーに閉じ込めておこうと決意した。家になんて持って帰ったら何が起こるかわからない。
あまり賢くはないけれど……俺、それだけは確実に理解したからさ。
次回更新:2025年7月3日(木) 10時頃更新予定!
舌打ちから始まる非言語コミュニケーションの応酬が、、、っていうか飼い猫みたいに人間側がそのルールを無意識に取り込み合わせていくのが実に猫さんで「もう猫さんなのでは…?」と作者もちょっと混乱してきました。笑
舌打ちから始まるカウントダウンサスペンス…いいですよね。
ニットキャップ(本体)とかいうわからないけどわかるw謎文も…いいですよね。
アメリカ史で舌打ちサスペンスから威圧ホラーに変わってるのも…いいですよね。




