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右腕の操精者(スピリスト)  作者: くりくりくりーむ
8/17

ダークサイドに行った七色

「もう、空っぽだ」

人間というものは、何かを得るのに時間がかかるが、何かを失うのは一瞬だ。 

俺は全てを失った。俺の持っていた全てを失った。 

新人のシコリストに勝負で負け、仲間2人を、凩まで奪われることになった。

今のままの状況で七色の極楽鳥花のリーダーを務めるなんて、口が裂けても言えない冗談だ。 

まさに、最悪の状況。前までの極楽鳥花は、僕の力では取り戻せない。新しいギルドをまた作ってみようか。いや、それは何度も考えた。だが考えるたび、僕は自分が、あの二人の代わりを探しているような気がして吐き気がする。あいつらの代わりなんて、いないのに。なら、、

一度全てをリセットしてしまおう。

極楽鳥花の幻影を追っても、意味がないことはわかっている。あいつらは俺の唯一無二の仲間だ。だからこそ、俺はあいつらを引きずって惨めに生きるわけにはいかない。だから俺は、情けない自分にケジメをつけなきゃいけない。

もはや畜生だろうと、なんだっていい。そのために俺は今から、工藤と康二、凩、そして泰雄を殺しに行く。七色昴は一度死んだ。昔の俺を知っているものは、全て殺す。

はははははははははははははははははははははは!!

 

シコリストであろうと、仲間であろうと、玉魂特戦隊だろうと、スピリストだろうと!!!!!!!!!!! 

殺す、殺す、殺す、殺す、殺す。 

第二の人生の始まりだ。


ブー、ブー

『あれ、七色さんから連絡だ。どうしたんだ、出て行ってから音沙汰もなかったのに。』

そこには、

いつもの廃工場で、アスレチア最後の集会をする。

とだけ書かれていた。最後の、という言葉に不穏さを感じた私が廃工場に向かって歩き始めた、その時。真後ろからかなり強い衝撃が襲った。

「ぐあっ、なんだ!?」

「コレハコレハ、上位ギルドノ結界師、マモルコガラシジャナイカ。俺の金稼ギニ付キ合ッテクレルカ?」

私は、建物の屋上に敵がいるのを確認した。あの武器と顔は、おそらくギルド五位のリーダー、龍威ロンウェイ

「今はお断りします。私は急いでおりますので、邪魔をしないでもらえますか?」

「NO、デスネ!」

多重磁結界マルチバリア!」

高密度の結界を押し出し、敵を穿つ技だ。

やつは地上に降り立ち、三節棍を高速で振り回し始めた。間違いなくやつは、私の結界を受けるつもりだ。

「アイヤーーー‼︎」

そう叫び、ロンウェイは私の最初の結界を叩き割る。だが、割られたのは一枚だけだ。あの光は、何百枚にもわたって結界が圧縮されたもの。すぐに次の結界がやつを貫くだろう。

しかし予想に反し、やつはさらに三節棍の速度を上げた。そして2枚目の結界に二撃目を当て、3枚目、4枚目と割っていく。

私はさらに結界を早く押し出した。

『アアァダァァァァ!』

「うおおおおおお!」

ドゴオオオン

奴の側から爆発音がして、あたりに石煙が充満した。私は当たったことを確信し、その場を去ろうと後ろを向いた。その時、後ろから強烈な殺気を感じた。

「なんだ?」

後ろを向いた。次第に石煙が晴れると、

「オモッタヨリヤワラカインデスネ、アナタノ結界ハ。」

筋肉量が明らかに増したロンウェイが姿を現した。やつは持っている三節棍をしまい、背中から寸胴のように大きなヌンチャクを取り出した。

「言ってくれますね!」

私はもう一度多重磁結界を放つ。しかし、やつは余裕の顔をして、片方のヌンチャクを投擲した。

バリバリバリ!

「なっ!」

一瞬で俺のバリアが割られ、ヌンチャクがこちらに迫ってくる。私は後退りをしながら結界を出し続け、自分に当たる直前のところでヌンチャクを押し戻した。そして顔を挙げると、ロンウェイがいない。

「ワタシノコウゲキハココカラデス!」

真上から声が聞こえ、奴のかかと落としが飛んでくる。

「ぐああっ!」

私は奴の蹴りをもろにくらってしまった。威力でわかる、私はこいつには勝てない。こんなところで足止めされている場合じゃないのに、くそッ!

「アァァーイ!」

すかさず奴の腹パンが飛んでくる。私は血を拭きながら、宙に吹き飛ばされた。そして私は、空中であることに気づいた。

「七色さん!?」

七色さんの魂力を感じる。しかし、私は今、廃工場からかなり遠い場所にいる。それなのに何度も感じるということは、高出力で何かと戦っているんだろう。

集会を奇襲されたのか?ならばいち早くいかなければ。私のせいで仲間が死ぬのは、もうごめんだ。

「ヨソミシテテイイノデスカ?」

ロンウェイが私の真横に現れる。そしてまた、かかと落としの構えをとった。このまま地上に叩きつけられたら、間違いなく死ぬ!!

ガスっ

「コレデオワリ、ハン?」

奴の踵が、私の頭に直撃した。しかし、

「誰が…終わりだって?」

凩は自分の足元に強力な結界を張り、自分を押し上げつつやつに両手を構えながら立ち上がる。

くそ、もう視界がトびそうだ。だが、ここしかない!

「多重磁結界!!」

「ウソ!」

やつは両腕で多重磁結界を受け、遥か遠くに吹き飛んでいった。

おそらく死んではいないだろうが、奴を遠ざけられたなら万々歳だ。

はっ!

また七色さんの魂力が。早くいかなければ。

凩はボロボロの体をひきづりながら、廃工場へと向かった。だが、彼が到着した時には日が暮れており、メンバーの魂力の反応は感じられなくなっていた。

「はぁ、はぁ。やっと着いた。みんなはどこへ…?」

凩は、ハッとして鼻を塞いだ。工場内から、死体が焼ける匂いが漂ってくる。凩は強烈な悪寒に襲われた。

七色さんは、大丈夫だろうか?

凩は息を殺して、工場のドアを少し開ける。そして、彼の目に映ったのは、、


仲間の死体を燃やし、座って俯いている七色だった。

「うわああ、みんな、何に襲われたんですか!ごめんなさい、また私はみんなを守れなかった。なんてことだ、、、どうして…‼︎」

「ああ、凩。来たのか。」

「七色さっ、!?」

凩は目に映ったものに、大きく困惑した。

そういえば、敵に襲われて、七色さんは生きているのに、敵の死体も血痕も見当たらない。なら、死んだみんなは狙撃でもされたんだ。きっとそうだ。だってそうじゃないなら、そうじゃないなら、、、

七色さんに着いてる返り血は、なんだって言うんだ…!

「わかったか?凩。」

「は?」

「俺は、もう昔の僕じゃない。生まれ変わったんだ。だから、俺は過去を完全に終わらせないといけない。みんなには、その犠牲になってもらった。」

「何言ってんだよ、七色さん?あんたは一番、ギルドのことを思って戦ってたじゃないか!」

「だが、お前達は俺に釣り合ってない。俺がいないと何もできないお前らには、もううんざりなんだよ。だからリセットしたんだ。」

「…あんたは私たちのことを…恨んでるか?」

「ああ、だがそれももう終わったけどな。」

あまりの言い分に怒り心頭の凩は、声を荒げる。

「バカを言うな!何がリセットだ!あんたを守ったあの二人は、二人は、自分の弱さを悔やんでたんだ。あいつらはよく、自分がいつかギルドを持ったら、七色さんみたいに強くて優しいリーダーでありたいって話してた、それだけあんたのことを尊敬していたんだ。でもあの時ピンチになって、追いやられて。それでもあいつらはあんたが勝つと信じて、自分の命まで捧げた!あいつらは、誰より強えよ。そして、あんたは弱え。弱さは恨むもんじゃなくて、悔やむもんだろ!!」

七色はハッとしたような表情をしたが、すぐに怒りを露わにした。

「黙れよ。。結界師の分際でよぉぉ!!」

七色が魂力を解放した。

「属性昇華:嵐!!」

七色の両脇に、雷をまとった大きな竜巻が降り立つ。

「ならば、弱さを悔やみながら、死んでくれ。」

2本の竜巻が、満身創痍の木枯らしを襲った。


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