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真っ黒の乳首から液体がこぼれ落ちる。それに触れた四股は一瞬にして再生された。
数十秒後、俺は意識を取り戻した。
「あれ、俺死んだんじゃ、父さんとおしゃべりしてたような」
「good morning.意識を取り戻したか握くん」
「ああ…にしても、なんで俺は生きているんだ?」
亡くなった人間は絶対に生き返ることはない。人をやめたとはいえ、この世の理を超越できるとは言ってないぞ。
「一度、私は君を殺した。だけどね、私自身の手で殺したものを生き返らす事ができるのだよ。あと、経験値イベントも終了だ」
本当にこのサイコパス乳首は一体何者なんだ。もう我慢ができない。
「あなたは、何者なんですか!」
「私は、、、」
突然だが、チクニストは世界に何人いるのか、詳しいことは知られていない。
そんな謎多きチクニスト、通称マキシマム乳首は、狩街では有名な最強ソロプレイヤーと謳われている存在。
100%未満の攻撃を対象としないバース・シコリティに、多種多様なチクニティを利用とした攻撃技を使い分ける殺しの天才であるその強さは、価値にして7億。攻守共に優れていて、あの伝説のスピリストと似た戦術を使っている。また、ギルドには何故か入らない。
ただ、シコリティ×チクニティの二刀流は存在しないらしく、マキシマム乳首はシコリストだと公言していない。
バース・シコリティとはなんなのか、それともこれもあの伝説のプレイヤーのリスペクトなのか、未だ彼の正体は謎に包まれたままだ。
「あなたは、何者なんですか!」
「私は、一言で言えば、偽物さ。ん、まぁ君と同じく、ただただお金持ちを目指しているソロプレイヤーでもある。…もうこれ以上私の存在について探らないでほしい。」
そう単調に言葉を述べた。探って欲しくない心情を鑑みるに、金持ちを目指すソロプレイヤー、は建前だろう。にしても偽物、か。その時の俺は言葉の意味まで理解ができるほど余裕がなかったため、聞かなかったことにするほかなかった。
「握くん、君はギルドに入るべきだ」
「ギルドってよくゲームとかにある、冒険者とパーティーとか作る団体?」
「そうさ、この狩街ではソロプレイヤーとギルドプレイヤーの二つに大きく分かれている。ソロプレイヤーはその名の通り一人で殺しをするプレイヤー。ギルドプレイヤーはギルドの仲間と共に手を組んで戦うプレイヤーだ」
「それって、ギルドプレイヤーめちゃめちゃ有利なのでは?ソロプレイヤーである意味を教えてほしい」
流石にソロプレイヤーであるメリットが見つからなかったため、率直に質問してみた。
「その通り、確かに戦闘においては圧倒的にギルドプレイヤーの方が有利であるに違いないねぇ、だけどね、ソロプレイヤーとギルドプレイヤーだと殺した時に獲得できるお金と自分の価値を上げる速さが違うんだよ。例えば、1万円の価値を持つプレイヤーを殺したとしよう。ソロプレイヤーであれば、1万円まるまる獲得することができるんだけど、ギルドプレイヤーならその戦闘に参加していたギルドに入っているプレイヤー1人につき、山分けになってしまう。だから4人で協力して殺した場合は一人あたり2500円だ。しかも、自身の価値の上がり方も、1/4になってしまう。」
なるほどと俺は頷く。
「でも、なんで乳首はソロプレイヤーを貫いているんだ?これもお金のためなのか?」
「ギルドに入ればその分、失うものも多くなるだろう?」
おれはその言葉で多くを察した。失うものが多くなる。
つまり、ギルドメンバー、仲間のことだ。守るものが多くなるということは、自ずとそれを切り捨てなければいけない時が来る。
乳首の過去に何があったのかなんて俺にはわからない。ただ、この言葉の深さの意味は、
冴えない俺にも伝わった。聞きたいことはたくさんあるが、探るなと言われたら仕方がない。
なぜここまでギルドに入るべきと推奨するのか理解はできないが、ひとまず乳首の言う通りにギルドを作ることにした。
「ソロプレイヤーって乳首みたいな強いやつがうじゃうじゃいそうだな!!」
「今どきソロプレイヤーは少し古いからなあ〜笑 でも、間違いなく尖った奴らばかりだよ。
でもね、いずれ君もそいつらに勝てるシコリストになるさ。」
「買い被りすぎだろw」
俺は少年心をくすぐらせながらも、改めてこの未知の世界に足を踏み入れた。
俺の母が与えてくれた名前は四股 握 。 いかにも、シコっていそうな名前だろ。ぶっちゃけふざけた?と母に聞いてみたいものだが、実際俺の人生にマッチしている名前で結構気に入っている。
まぁそれは置いといて、シコっているお前らにとっても自分のお気に入りのオカズは必ずあるだろう。
人間誰しも性癖やタイプというものはあるわけだ。
j kやロリ、オネショタなどの王道からまんげのじょりじょりから蒸れたタイツ、定年退職済みのおばさんまで多種多様だ。
上級シコリストの俺に抜けないものはないが、そんな俺でも心の底から抜ける大好きな作品がある。
それは14歳でAVの世界に入った童顔女神、俺と同い年の橘真香ちゃんだ。
身長は155センチと少し小柄なものの、3サイズは 81 59 82と男子なら一度は憧れるであろう理想の体型。
顔も完璧で、クリっとした瞳に、吸い込まれるような分厚い唇。真香ちゃんのデビュー作、『まなかの真ん中』は本当に刺激的だったことを今でも鮮明に覚えている。なんせ、今蔓延っている合法ロリなどとは違う、完全に本物のロリ作品だったからだ。世の中に数多くの性犯罪者を生み出した、兵器であり、AVの原点にして頂点とも言える作品だ。あぁ、思い出すだけで興奮してしまう。 まぁそれが今の俺の右腕に繋がっているといっても過言ではないのだ。
そんな彼女は幅広い世代からおかずにされていた、まさに完璧で究極のAV女優だったのだが、ある日突然、真香ちゃんはその世界から引退してしまった。一体今はどうしているのだろうか。
「ところで握君?」
「どうした?」
「ギルドには、ランキングが設けられている。これはソロプレイヤーとは決定的に違うことの一つ」
乳首は口角を上げて言う。
「一つのギルドには元々定員がMAX6人までと義務付けられていて、そのMAX6人で稼いだ値の総量を比較したランキングがこの狩街にはプログラムされる。上位に行けば行くほど、狙ってくるプレイヤーも多くなるが、その分得られるものも増える」
「億万長者だって夢じゃない、、ってわけね。ますます面白いじゃんか。」
「そうだ、明日から君には一人で狩街に入ってもらう。君は数回生死の境を彷徨ったことで、シコリティを使う感覚を覚えたはずだ。ある程度の輩なら、一人で勝てるだろう。まあ安心したまえ、君が完全にシコリティを使いこなすまで、俺が助けてあげよう。」
「おう、よろしく!」
これは嬉しい。あの乳首が間に入ってくれれば、俺が相手の実力を見誤っても死ぬことはないだろう。しかし、最初の戦闘時の会話を見るに、乳首はこのゲームの運営側の人間じゃないのか?なぜ俺にここまで肩入れするのだろうか。
「ただな、全狩街のギルドプレイヤー総合ランキングで1位を独走をしている、玉魂特戦隊にだけは注意してくれ、彼らは尋常じゃない猛者の集まりだ。こいつらは神出鬼没にあらゆる街に現れ、強めのギルドを壊滅させ、再び姿を消す。そしてやつらのパワーは圧倒的だ。私でさえ、奴らに見つかったら殺される可能性だって十分にある」
あの人外のパワーを見せたマキシマム乳首がこう言うのだ。奴らの強さは容易に伝わってくる。しかし、乳首は攻守共に優れた戦いの天才だ。正直、負ける情景が浮かばない。少しの緊張と共に、どんな集団なのか興味も湧いた。そしてひと段落した今、気になっていたことを聞いてみることにした。
「なあ乳首、本当に今更だけど、シコリティやら、あんたのチクニティやらなんやらって、一体何の力で動いてるんだ?人間が起こせるような力じゃないだろあんなん。」
「そうだ。あれは人の力ではなく、魂そのものの力みたいなもんだ。握君は、輪廻転生を信じるかい?」
輪廻転生とは、死んだら魂が天国に行き、また別の生物として生まれ変わるってやつだろう。
「ああ、俺はあんまりかな。と言いたいところだが、もうこんなに現実離れした世界に来ちまったから、もー何を言われても驚けねえよw」
「それもそうだなぁ…まあ教えてやると言っても、魂の研究は、その保存が効かない性質からかなり難航している。これは現時点でわかっている範囲での話になるんだが…」
てか魂ってものがあるのは確定してるんだな。話が進むのが早い。乳首はスマホを取り出し、何か資料を見ながら話し始めた。
「科学的な論文によると、シコリティとチクニティは、両方とも同じ力を使って発動させているそうだ・その力とは、世界に満ちていて、巷では魂力なんて呼ばれる。」
いまいちピンとこない。そう言いたげな俺の表情を見た乳首は、解説を続ける。
「魂の持ち主が死んだ時、魂は一度肉体から離れ、ごくわずかに小さくなるそうだ。実験で観測された魂は、一つ残らず体積が減った。理由は解明されていないが、最も有力な仮説は、その魂が生前に獲得した記憶やスキルなどの元々魂ではなかった部分が振り落とされていくと考えられている。」
「でも、記憶やら何ちゃらって、脳みそに入ってるものじゃないのか?」
ついつい口を挟んでしまった。にしても、世界の本質を揺るがすような話ばかりじゃないか。
「そうだな、だがそれは、雑な記憶に限る。人の名前や、勉強なんてものが当たるな。これらは脳で覚える。だが、、愛や恐怖みたいな大きな感情、大切にしていた趣味の能力などは、魂に直接刻まれる。例えば、トラウマなんてものもそうだ。脳は嫌なことを忘れる機能があるが、小さい頃に刻まれたトラウマはなかなか消えない。これもそれが原因って言われているな。」
「すっげえ話だな。じゃあ、高所恐怖症とかもそれが関わってるのか?」
「そうだ、やはり君は、話の理解が早いね!魂を包むいろんな記憶を貫通して刻まれた恐怖は、きっとちょっとやそっとじゃ振り払えないんだろうな!特に小さい頃は包む記憶が少ないってのもあるだろう。」
「よっぽど怖いことがあったんだろうな…」
「…まあともかく、だ。その振り払われた記憶や意志は、この世界に漂うことになる。もちろん自然消滅したりはしないから、今この世界には、今まで死んでいった魂の意思が濃密に存在しているそうだ。そんな世界で生きる人間はデフォルトでそのエネルギーを消費しながら生きている。特に君が大好きな射精!これは代表的な使い方だな。」
しょうもない下ネタを言ってきたと思った。図星だったのもあって、少し頭にきた。
「そんなわけないだろ、ただシコるだけで使えるわけねーし」
違うさ、と乳首は笑って答えた。
「シコることに使うわけじゃない。精子を作る時に使われているんだ。精子一つ一つは、発射されて数日で死んでしまうが、確実に卵子を目掛けて泳いでいく。まるで意思のある生き物みたいだろう?その仕組みは、、えー、ちょっとその場で解説するには難しすぎる。この資料を読んでくれ。」
「ギブアップかよw筋肉だけじゃなくて頭も鍛えないとなw」
それを聞いた途端、あいつは自身の乳首を指さして変顔をしてきた。お前一回死んでるんだぜ?とでも言いたげだ。顔がうざくてたまらん。
「ごめんごめん、その資料貸してくれ。」
「はあん。」
手渡された資料によると、人間の体は精子を作るにあたって、自らが作ったタンパク質に命令を与えるそうだ。さらに何らかのメカニズムでやってきた意志を注ぎ込む。そうすれば、短い期間だが意思を持った生物を作り出し、自身の遺伝子を安全に卵子に届けることができると、そう書いてあった。そして、シコリティというのはその過程でやってきた意思を自身のエネルギーにして戦うものたちであるとも、書かれていた。この文章は確かに難しい。しかし、感覚ではなぜか理解できた。おそらくその論文が的を得ているからだろう。
「理解できたかい?」
「いいや、ぶっ飛びすぎてて意味不明だよw」
「だろうね。」
「てか、さっき俺はギルドに入るべきだとか言ってたが、それは具体的にどうやるんだ?」
「それは、、握君、下がりなさい。」
乳首が目の色を変えて扉を凝視した。そして俺を守るような仕草をする。
「なんだよ?どうしたんだ乳首!?」
緊張しながら耳を澄ますと、次第に足音が近づいてくる。誰かが命を狙いにきたのだろうか。
ドカン、と爆発音がして、ドアが吹き飛んだ。
第四話
「音がしたと思えば、見かけない顔ですね」
男は何か驚いたような顔をして、名乗りを止めた。
「お、もう一人いましたね、これはこれは、双槍のスピリストさんじゃないか、、」
「一体なんのようだ?元、ギルドランク4位の結界師、凩 衛」
ギルドランク4位? 結界師?
「用なんてないですよ。スピリストさん。ちょっと小遣い稼ぎに単独出撃しただけだし。あなたこそ、見かけない子連れて何やってるんですか?」
「彼はこの世界に迷い込んでしまった一般人なんだ。安全に下界に帰れるよう、私が保護している。」
なぜ嘘をつくんだ?俺は一応、自分の意思でこの世界に入ったのに。
「そうなのですか?」
その結界師は俺に聞いた。しかし、相手は4位という実力のあるギルドの一員だ。ここで口裏を合わせなければ、どうなるかわかったもんじゃない。
「そうだよ。ちょっとハイキングに来ただけなんだけど、迷っちゃったんだ。」
結界師は少し黙った後、
「ふーん、そうですか。正直に言ってくれればいいのに」
と言って後ろを向いた。
「本当なら戦いたいのですが、今はあいにく、仲間もいないですし、あなたと戦うほどのポテンシャルもないのです。なので失礼します。」
凩はそう言って姿を消してしまった。
「助かったのか?なんだったんだ今のは?」
繋がりが深いであろう乳首に質問を投げかける。だが、乳首は黙って下を向いたままだ。
「いや、そうじゃないんだ。…ただ、さっきの爆発音で別のプレイヤーが近づいてきたようだ。今度は握くん、君も構えてくれ。」
「了解!」