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右腕の操精者(スピリスト)  作者: くりくりくりーむ
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コスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス

読む価値がなくて面白い小説を目指します。

俺は生まれつき性欲が強かった。

みんなの初めての射精は何歳だろうか?

普通は大体12歳くらいだろうが、俺は違う。3歳だ。

といっても、別にその頃からシコっていたわけではない。

祖父母の家にあった足裏のマッサージ機。

母の話によると、俺はマッサージ機を足に当て、

数秒後に『いっくぅぅぅぅ』と言って気を失ったらしい。

そしておむつを変えるときに、射精していることに気づいたというのが事の経緯だ。

そのことを知ったのは、母親と喧嘩をしたときだ。

…親子喧嘩にしてはパンチラインが鋭いじゃないか。

それでも俺はそれ以来、射精の本来の意味も知らずシコり続けた。

毎日欠かさず息子を握り、あらゆる出し方を試してきた。

上級シコリストとでも呼んでくれれば良い。

しかし、そんな俺にもコンプレックスみたいなものがある。

俺は、右腕が左腕の四倍太いのだ。この右腕のせいで学校には行けず、

青春とは縁のない不登校をやっている。

俺は今年で18になるが、高校を辞めたら社会で生きていくことはできないだろう。

親の脛を齧るにも、俺の父親はもうとっくに死んでるし、

母親もだんだん持病が悪くなっている状態だ。

そんな母親をこれ以上働かせるわけには行かない。

そうはいっても、俺はただの変態ニートシコリストである。

俺は一体、どうすれば…

瞑想しつつ起きたその日、俺の運命は動き始めた。


「ログボ、ログボ♪」

ログボ、通称はソシャゲを開いたら貰えるログインボーナスの略だが、俺にとってのログボはシコることである。

オナニーを日課にしている俺はこれを毎日の楽しみ、生き甲斐にしている。

だが悲しきかな、俺は早漏である。タイムは30秒。WSOワールド・スピード・オルガズムに出れば、おそらく本戦に進めるレベルのタイムである。さらに、賢者タイムも相当長い。矛盾のように聞こえるかもしれないが、逆に俺は問いたい。

いつから人々は候=賢者タイムがないと錯覚していたのだろうか?

一発目が早く出ても、二発目以降が早く出るとは限らない。ここまでロマンにかける重い銃は、世界中探しても見つからないだろう。はぁ…

……つまり、この賢者タイムさえなければ、俺最強だった。AV男優にだってなれただろう。しかし、再び勇者が立ち上がるまでに1日を要する俺には、到底務まらない。

『どぴゅどぴゅ』

こんな自分語りをしている間にもう出てしまった。これで俺の1日は終わったようなものだ。

「俺もそろそろ働かないとなぁ、シコってるだけで金がもらえりゃ良いのに…」

検索履歴に並んだ、オナニー 給料 の文字を見るたびに、自分に嫌気がさしてくる。

無論ヒットするサイトはパパ活の斡旋だけだ。

どうにかこの太い右腕とオナニー技術を使って稼げないものか。

いや、あったところで無理な話かもしれない。なんせ俺が社会と縁を切ることになったのは、この右腕と向き合えていないせいなのだから。

本当になんでこうなっちまったんだ…

目から溢れた涙が、まるで自分に習うかのように俯き萎れた息子に当たったその時。

むくry

一瞬で俺の息子が起き上がったのだ。まさか、一度出したら終わりの俺の息子が…?

奇跡が起きたと思った。机や照明を押し破ってなお聳え立つ自分の息子は、全てを飲み込まんとする大きな火柱を思い起こさせた。

俺は、喜びを隠せなかった。

「何が起こったかは知らんが、これで俺も…!」

そして喜びに任せてガッツポーズをしたその瞬間。

バァァン

大きな爆発音がした。上を見れば、天高く挙げられた右腕には、陽光が差していた。

「天井を、壊したのか?」

想定外の事態に思わず震える。俺は隕石でも降ってきたかと思ったが、違うらしい。

あれだけ大穴が空いたにも関わらず、天井の破片は一つも落ちてこない。

そして正気を取り戻した時には、さっき立っていたはずの息子も元に戻っていた。

そしてもう一つ気づいたことが。右腕の太さが、少し細くなっている。

「何してるの!!」母ちゃんが怒鳴りながら階段を上がってきた。

これをみられるわけには行かない。

「いヤァーちょっと転んじゃってさ、別に心配いらないから。」

「嘘おっしゃい!転んだだけで出るような音じゃなかったでしょう!本当は何してるの!」

まあ爆発音を転んだ音だと言い張るのは無理がありすぎるか。

「いやまじで気にしないで良いから!」

数秒の沈黙の後、

「…あなた…まあ良いわ。もう騒がないで。」

「ごめんなさい…」

とりあえず危機は去ったが、あれをそのままにしていたらいずれバレる。

俺は自責の念に駆られ、少し細くなった右腕とともに外に出た。

皿洗いなりなんなり、日雇いのバイトでもしようか。いや、この右腕じゃ、皿なんて

薄氷のように割れる。ほんっと、金さえあれば…

「やあやあどうしたんだ、そんな死にそうな顔をして。」

彷徨っていた俺に、誰かが声をかけた。見ると、大男がいた。

思わず、

「金が、、いる。俺にはもう帰れる家はないんだ。。」

少しニヤッとしたのち、大男は答えた。

「ほうほう、じゃあとっておきの場所がある。ついてくるかい?」

「ああ、もちろんだ。どうやっていけばいい?」

今思えば、よく俺は見ず知らずの男の誘いに乗ったものだ。

しかし、それで俺がどれだけ金に取り憑かれていたかがわかるだろう。

はっきり言って、金さえもらえればなんでもやってやる、とさえ思っていた。

「ここだ。」

悩みながら歩いていると、気づけば日が暮れていた

「なんだ、、ここは?」

「狩街さ。」

俺は息を呑んだ。そこにあったのは、ゴーストタウンのような街並みだった。

ツルまみれのビル、空っぽのコンビニ、カラスの群れ。

「なんだよ、これ。狩街って言ったか?そんな町聞いたことないぞ⁉」

「通称、さ。まあそれもそうだ。元々はただの限界集落だからな。地図にも乗ってないから、インフラも通ってねえ。」

「意味がわからん、でもこんなところで何しろってんだよ!?経済となんて縁が内容に見えるが?」

「まあそう焦るな。ここにはな、特殊なルールがある。この街にいる人間は、それぞれ値段がついてる。そいつを殺せば、そいつの値分の金を得ることができるんだよ。いわば、命をかけたギャンブルだ!」

こんなもの、全てがおかしい。ここの存在を知っている大男に、誰が統制しているのかもわからない狂ったルール、今朝の右腕の暴走も、全てがおかしいんだ。ただ、

「乗った」

「おいおい、まじか君。普通はこのルールを聞いた時点でみんなビビって帰るのに。もらえる金だって、一発で人生変えれるような額じゃないぞ。それに命をかけるような理由があるのかい?」

「ちげえよ。」

「ほう?」

「俺の人生、楽しいことなんてエロ動画見てシコるだけの30秒、妄想してシコる30秒だけだった。ここで野垂れ死ぬくらいだったら、俺の生まれてきた意味がわかんなくなっちまうだろ!」

男は黙った。そして、

「はーーーっはっはっは、君とは気が合うようだね。」

「そうかぁ?」

俺は少しにやけながら返す。その瞬間大男が冷たい目をして言った。

「それは結構なことだが、この町ではやる気だけで生きていけるほど甘くないぞ。」

俺は金玉が萎んだ気がした。

「っ、わかってるさ。」

「ふむ、だが君は愉快なやつだ。このまま数人殺して終わられては面白くない」

「そう、か。ああは言ったが、俺には特別な武器や殺しの術なんてもんはない。」

「君は自分の右腕の変化に気づいていないのか?」

「は?」

こいつ、右腕のこと知って…

「まあいい、ついてきなさい。君に戦いを教えてやろう。」

大男は、そう言って街の中へと入っていった。

「本当か?ありがたい!」

「ああ。」

俺は喜んで男についていった。


まあ、こうなりますよね…

入って数十秒。ナイフを持った男数人に取り囲まれた。

「お前ら新入りか?」

「間違いねえ」

「見ろよあいつのビビった顔!」

男たちは口々に俺を煽る。

「お前ら、なぜここにいる?ここは新しく入った人間が覚悟を決めるための場所だ。お前らレベルのシコリストがくるところじゃないだろう?」

「知らねえなあそんなもん?弱い奴が死んで何が悪い?」

「昨今、招待された才能のある新入りがすぐ死んでしまうと聞いたが、お前たちのせいか。」

「かかれ、殺せ!」

何が何だかわからない俺は、呆然としていたが、突撃の合図で我に返った。

後ろから男がナイフを持って飛びかかってくる。

パシっ

ナイフはどうにか反応して掴んだ。

「何よそ見してんだぁ?」

男が見せたのは。隠し持っていたもう一本のナイフ。

「うわぁぁっ」

ばしゅっ


存分に虚無感に襲われてください。

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