孤独の闘牌
初めまして、自分は小説を書くのは初めてなので読みにくいかもしれませんががんばって書きますのでよろしくお願いします。
1955年(昭和30年)6月18日午後6時
春の暖かさから夏の暑さへ変わりつつあるこの時期の夕暮れ、学ラン服の袖をまくり、ボタンの上二つを外し、髪はスポーツ刈りが少し伸びた少年がふらふらと歩いている。
普通の学生であれば家路を急ぐ時間帯であるが、彼は賑やかな繁華街の方を向き足を止め、上を見上げる・・・
『新宿歌舞伎町』
と書かれた看板があり、これでもかと活気強く光り輝いているのを少年は淋しそうに見つめている。
すると少年は再び歩き出し人混みを避けるように路地裏に吸い込まれていった。
すると路地を少し入った先のドアに『雀荘雲雀』と書いてあるドアを少年が開け、中へ入っていく・・・
中へはいると薄暗い部屋に雀卓が8台設置されているが既に全部の卓が埋まっており少年は溜め息をつきながらドアの近くにあるイスに座りズボンのポケットからマルボロの箱を取り出す。
器用に口で取り出しマルボロに火をつける・・・
数分後、雀荘のマスターらしき人が近づいてき
「おい坊主、銭はあるのかい?」と問いかけてきた。
少年はコクリと頷き五百円札の束を見せる。
「よし、それじゃあ入ってくれ。」とマスターらしき人がメンバーが崩れた卓に少年を招待した。
少年は壁を見ると『十八歳未満の賭博及び麻雀遊戯を禁ずる』と書いてある貼り紙が張ってあったが気にせずにその卓に座った。卓に座ると対家のサングラスが
「坊主、年はいくつだ?」
と聞かれ、少年は重たい口を開き
「・・・15」
とボソッと答えた。サングラスはふーんとした顔をして山を積み始める。すると次はリーマン風の男が
「坊主、名前は?」
と聞かれ少年は一瞬黙り込んだ
「坊や、聞いてる?大丈夫?」と下家の女性に聞かれ、気がつき
「・・・東 中」
ヒガシチュウ?いいや、これはアズマアタルと読むんだ。ちなみに少年(東 中)って言うのは自分のことである。するとリーマン風の男が
「へぇ〜変わった名前だなハッハッ・・・東 中って麻雀の申し子みてぇな名前だな!!」
とリーマン風の男が笑う。
俺はこの名前が大嫌いだ・・・なぜ嫌いか?それはまた後で話そう・・・こうして対局が始まり。
南4局
「ロン・・・親ッパネの18000・・・」
「ちっ、また坊主の勝ちかよ!!」とリーマン
「やってられねーよ!!畜生っ、」
男二人はそう言うと千円札を無造作に叩きつけ店を後にしていった。自分はまたマルボロに火をつけ卓の上に置かれた札束の山を先ほどの看板を見るような目で見ている。
「・・・また勝っちまったよ・・・」
自分はいつも勝った後、この言葉を漏らしている・・・・・
雀荘を後にし家路に急ごうとしたとき突然、
「坊や、あなた強いわね、惚れてしまうぐらいあなたの引きは最高よ。」誰かと思い後ろを振り返ってみるとそこにはさっきまで一緒の卓で打っていた女性であった。
俺は
「・・・何だい?」
と問い掛け、またマルボロに火をつけた。
すると女性が
「坊やがこんなの吸っちゃいけないでしょ、もう〜いけない子ね〜」
と言い自分の口からタバコを取り上げた。
「・・・ちっ!」
と舌打ちし、帰ろうと女性の隣を横切ろうとしたとき突然、
「待って、私もついていって良い?」
と言い俺の腕に手を絡ませてきた。
一瞬ドキッとしたが俺は女性の腕を振り払い無言でその場から去ろうとしたとき、女性が
「じゃあ、これ・・・渡しとくわ!」
と言い、俺に一枚の紙切れを渡し女性は、その場を足早に去っていった。
俺はタバコに火をつけ眠らない町を後にした・・・
記念すべき第一話は全くと言っていいほど対局内容が書いてないんですが、次回から書けるところは詳しく書いていきたいと思いますので宜しくお願いします。