挿し木
妄想の続きです。
帰ってくるとすぐに畑に向かった。
畑では村人たちが作業してくれてた。ノエルは今となっては村人たちの畑にも力を使っているらしい。さすがに聖水は少ないので、うちの畑にしか撒いていないようだけど。
ノエルは早速、神聖樹の枝を植えるところを探していた。そして、うちの畑の私たちの家の近くの空きスペースがいいみたいで、そこで止まった。
なにやら、うーうー言いながら考えている様子だった。
ノエルは考えがまとまったのか顔を上げると、私のところまで来て、私の手を引っ張り、植えるのであろう場所まで連れていった。
そして、しゃがんで土に手を当てて私の顔を見ながらうーうー言っている。
ーーー《あるじに土を浄化してほしいみたいだよ?》ーーー
ライがそう言うと、ノエルにも念話を送っていたようでノエルは笑顔で頷いていた。
……ライってよくノエルの伝えたいことがわかるわね?…ほんと助かるわ…。…
ーーー《ぼくもなんとなくでしかわからないよー》ーーー
……それにしても、土の浄化ってどうすればいいの?ノエルは土に手を当ててたし、そんな感じでいいなかな?
私はノエルと同じように土に手を当てると、土が綺麗になるようにと、聖魔法を使った。
すると、村の半分ぐらいまで土が光った。村人たちは驚いていたようだけど、私を見ると、また普通に作業してた。
「ユキリア様、やりすぎです。最近、よく聖魔法を使われているので威力が増してますね。加減を覚えなくてはいけませんね」
………うーん。加減って言われても聖魔法はよくわかんないよ…。
ノエルは土に満足したようで、神聖樹の枝を植えると聖水を撒いて、さらに自分の力を使っていた。
すると、神聖樹の枝が根付いた。
ノエルは笑顔でキースのところに行って、うー♪うー♪言ってた。どうやら誉めてほしいようだ。
キースはよくできました。と誉めていた。
私たちはその後、村長さんの家に向かった。
「ようこそおいでくださいました。今日はノエル様も一緒なんですね」
ノエルも一緒だったから、村長さんはニコニコだった。
お父様が村長さんに経緯を話し、神聖樹を植えたから他の村人たちにも間違えて抜かないよう気を付けるようにと伝えてほしいとお願いした。
村人さんたちも、うちの畑手伝ってくれてるからね。
村長さんは驚いていたけど、わかりましたと承諾していた。
「皆様、神聖樹の精霊様にお会いできたのですね。とても羨ましいです」
「村長さんは神聖樹の精霊がいること知ってたの?」
「はい。この国ではわかりませんが、私たちの国にも神聖樹はありまして、大昔に精霊様が現れたことがあると聞いたことがあります」
「そうなんだ」
「それこそ、この国の『始祖』様の時に現れたそうですよ。その時はエルフの国と獣人の国はありましたが人族の国はなく、人族は我々にまじって生活していたそうですから」
村長さんはそう言うと大昔の話をしてくれた。『始祖』様が現れるもっと前の大昔の話を。
人族とはエルフや獣人から突然変異で産まれてきた者だった。人族はエルフほどの魔力はなく、獣人ほどの力もなく、非力だったと。しかし、知恵がよく働き、魔道具を作り出すことができたのは人族で大昔はみんな仲良く暮らしていた時代があったそうだ。
しかし、その辺りから魔物が増え出し、魔道具を巡って、エルフと獣人は喧嘩をするようになった。そして、エルフと獣人が別れて国を作ったそうだ。
人族は別れて、どちらの国にもいたそうだけど、エルフ同士、獣人同士でその魔道具を巡って争うことも度々あって、人族は困っていた時に『始祖』様が現れた。『始祖』様の見た目は人族ということもあり、『始祖』様に泣きついた人族は人族だけの国を作るようにした。
「ということです。まぁ今となっては人族は増え、魔力も力も強い者がいるので、最強だと思いますけどね。ローザリー家の皆さまはきっとエルフの国でも魔力はトップレベルほどありますし、獣人の国でもトップほどのお力をお持ちだと思いますよ」
「あ、村長様。ローザリー家はたぶん特別だと思います。この国、こんなに魔力を持って、こんなに力のある者はそうそういませんよ。知恵は確かにありますが、その分、悪知恵を働く者もいますので人族はやっかいだと思います。今のところ、ユキリア様は心の綺麗な人としか会っていませんが、この先、不安です」
「そうですか。ですが、ユキリア様にはキース殿もローザリー家の皆様もいますので、きっと大丈夫ですよ」
村長さんはそう言うと、他の村人に神聖樹のことを伝えてきますねと行ってしまった。私たちもノエルに神聖樹のことをお願いして屋敷に帰った。
誤字、脱字、読みにくいなどたくさんあったと思います。すみません。
読んでくれた方に感謝を。




