家族、突入
妄想の続きです。
突然泣き出した私をキースは慰めようとすごく謝ってくれているけど、不安が爆発したかのように私は止まらなくなってしまった。
もちろん、その声は屋敷中に聞こえてしまう訳で、お父様とお母様はもちろん、屋敷中の皆さんが私の部屋にかけつけてくるに決まっている。でも、3歳児の私は止まらなかった。
キースが慰めてくれている間に、ドアがバン!と勢いよく開いた。その音にびっくりして私は泣き止んだ。
「ユキリア!」
まずはお父様がいち早く駆けつけたようでお父様の叫び声が聞こえる。
お父様は明かりをつけると、目に入ったのはもちろん泣いていた私と知らない怪しい少年な訳で、お父様の怒りはキースにむいてしまう。
「娘から離れろ!」
お父様は我を忘れているのか、なりふり構わず炎の魔法をキースに向かって放った。
そこで私は大人しくしていたら、きっとキースはその魔法ぐらいどうとでも消せたんでしょうね。彼もチートのはずだから。
でも、私は咄嗟にキースをかばうように前に出てしまった。体が勝手に動いちゃったんだもん。
「ユキリア!?」
お父様もまさか娘が動くとは思わなかったのだろう。声がすごく焦っていた。
あ、私、今度は火だるまになって、死ぬ。お父様の怒りの炎はきっと威力が強いはず。
私は覚悟して、目を瞑っていたが、なかなか熱さも痛みもこなかった。
不思議に思って、目を開けると私の前でキースは倒れていた。背中にひどい火傷をおって皮膚はただれて真っ赤で痛々しい。
「キース!」
私は慌ててキースの名前を呼んだ。
「…私は大丈夫…です。…しばらく…したら…自然に治ります。…このまま、…攻撃されない…限りは…。大丈夫です。…」
キースは痛みに顔を歪めながら、答えてくれた。
わかってる。お父様の、たぶん、本気の炎魔法をくらっても、死なないキースは丈夫なんだろう。
でも、すごくひどい火傷だ。…どうしよう!…私のせいでキースが!
どうしよう!どうしたらいいの!
私はパニックだったが、それでもどうにかしたくて、キースに触れながら皮膚が再生するイメージで祈った。治って!治れー!と。
すると、さっきまでなかった体のモヤモヤがまた表れて、キースに流れていく感覚がする。なんだかモヤモヤだけじゃない気もするけど、私はパニックなのでよくわからない。そして、キースが光に包まれた。しばらく光に包まれておさまった頃にはキースの傷がなくなっていた。
「ユキリア様、すみません。ありがとうございます」
キースはゆっくり起き上がった。
私は何がなんだかわからなかったけど、それでも、心配だった。あんな痛そうな怪我、今までで見たことがないんだもん。
「だいじょうぶなの?もういたくないの?」
「はい。ユキリア様が治してくれましたから」
微笑むキースはさっきまでの優しい笑顔だった。私は安心して、キースに飛びついて、また声を出して泣いてしまった。
何が起きているのかわからない家族や執事、メイドたちは動けずにそのまま立ち尽くしていた。
誤字、脱字、読みにくいなどあったらすみません。
読んでくれた方に感謝を。




