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美少年とわたし

妄想の続きです。

急に長くなります。

……え?……ほんとにだれ?…


その人は暗くてよく見えないけど、大人ではなく、少年ぐらいに見えた。そして、暗くてあまり見えなくても、美少年なことはわかった。

美しい人は明るくても暗くても関係なく美しいね。お兄様も美少年だけど、この人はお兄様ではないわ。

でも、お兄様と同じぐらいに見えるから10歳ぐらい?ほんとにだれ?わたし、こんな子知らないよ?知らない子が私の部屋にいるよ?



私はびっくりし過ぎて、手を上に上げたままフリーズしていた。

私がフリーズしていると、その美少年は慌てた様子で私に話しかけてきた。



「突然すみません。私のこと誰かわかりませんよね。私はユキリア様の守護者です」


…うん。わからん。



私がキョトンとしていると、美少年は困った顔をした。



「神様の使い…と言えばわかるでしょうか?」


……ん?…神様の使い…??

なんか、神様見た気がする。…あれ?…夢?


「かみさま?……ゆめのこと?」


私は昼間に見た夢のことを思い出した。あの時は頭もぼーっとしていたが、今はスッキリしているので、何となく思い出してみた。ついでに、疲れたので腕もおろす。



「たぶん、そうですね。神様たちはユキリア様を可愛がるだけ可愛がり、何もこの世界のことは説明しなかったそうで、それならいっそのこと前世の記憶を消してあげればいいものを、あの方はそれも忘れ、更に私のことを創ることも忘れていたそうで私は創られてから急いで飛び出してきました」



美少年は笑顔でそう語り出す。


うーーん。何のことを言ってるのか、さっぱり。


夢で見たのは、えーっと、違う世界で死んで、神様に選ばれて、この世界で自由にしなさい、だったはず。あれ?わたし、転生ってやつ?夢じゃないの?

わたし、今日は頭が働いてる気がする。なんか不思議だけど、わかる気がする。……あれ?……やっぱわかんない。…


えーっと、この男の子が神様の使い?私の守護者?……そもそも、守護者ってなに?



私は顔と頭の上にいっぱい???マークが浮かぶ。



「まさか、ユキリア様はこの世界に本来なら、何のために呼ばれていたのかも聞かされていないですか?」



美少年は慌てた様子で私に聞いてきた。

私は訳わかんないけど、とりあえず頷いておいた。

すると、美少年は大きくため息をはいて説明してくれた。



この世界は魔法というものがあり、魔法、魔力をつかうもの、からは魔素という排気ガスのようなものが出され、それは生き物全てに毒みたいなものだそうだ。魔力はこの世界に生まれたもの全てに少なからずあるそうで、この世界では、唯一、神聖樹という木だけが浄化できるらしい。だが、人の進化に伴い、神聖樹だけでは浄化が追い付かなくなり、魔力のない世界から魔力の持たない綺麗な魂を持つ者を呼び、浄化してもらってるらしい。魔力を持たない者には魔素はきかず、なお、綺麗な魂を持つ者はそこに存在するだけで、魔素を浄化できるらしい。その存在は『聖者』『聖女』と呼ばれ、繁栄をもたらす者として、この世界では大切にされるらしい。だが、万が一のことを考え『聖者』『聖女』を守る為に、この世界に来る時に必ず『聖獣』という神の使い、守護するものをつけるそうだ。



そこまで説明をうけて、なお、何を言っているのかわからないわたし。そもそも、私はこの世界で産まれている。きっと、お父様とお母様の子供だから、魔力もそれなりに持っているはず。まだ小さいから何の検査も訓練もしてなくてわかんないけど。まさか、せっかく魔法のある世界に産まれたのに魔力ないの?魔法つかえないの?


あれ?魔法のある世界って何?魔法があるのは当たり前だよね?使えるかどうかは別としても。あれ?わたし、魔法のない世界を知ってる気がする?…まだ寝ぼけてる?



私が混乱したまま黙っていると、美少年は落ち着かせる為にか、少しトーンを下げて話し出した。



「ユキリア様、混乱しているようですが夢で見られたものは夢ではありません。おそらく、何かをきっかけに思い出され、夢となったのでしょう。ユキリア様の前世は別の世界でした。ユキリア様は神様たちに選ばれてこちらの世界にやってきました」


どゆこと?あれは夢ではないの?私、この世界にやってきたの?お父様とお母様の子供ではないの?


「わたし、おとうさまとおかあさまのこどもじゃないの?」



私はお父様やお母様、お兄様、お姉さま、双子の兄、お祖父様たち家族みんな大好きだ。血のつながりがないなんて悲しすぎる。それに血の繋がりがないなんて微塵も感じさせない愛情をそそいでくれる皆に申し訳なく思えてきて、泣きそうになってしまった。



「あっ、ユキリア様すみません!違います!ユキリア様は確かにこちらの世界でお産まれになっています!ユキリア様はユキリア様のお父様とお母様の子供で間違いはないです!」



泣きそうになった私を見た美少年は慌てて謝罪し、説明し出した。



「神様は特別な身体の基礎を創って、ユキリア様のお母様に宿したんです。そして、そこにあなた様の魂を入れた。ユキリア様は魔力を持つ『聖女』。魔素がきかず、浄化でき、なおかつ、莫大な魔力を持つ身体なのです」



………は?………ちょっと待って?……意味がわからない。



私はびっくりしすぎて逆に冷静になった。



何、それ?……私、超人やん。…こういうのチートっていうんですよね?なんだか前世を思い出してきた気がする。私は転生したんですね?

え?どうしよう?そんなチートでこの世界で自由に生きられるの?秘密にする?でも秘密にしたらずっと罪悪感を持ったまま生きていかなきゃいけないって、なんか嫌だし、家族にも内緒?っていうか、そんな娘がいる家族ってどうなるの?!


「どうしよう!?家族のみんなはどうなるの!?」


私は慌てて聞いてみた。

すると、優しい笑顔で場違いな答えが返ってきた。



「やはり、あなた様は心が綺麗ですね」



まったく意味がわかりません。


「ユキリア様の困った顔は見たくありませんが、それでもこの事実を知った上で困られるあなた様を見て、安心してしまいました。すみません」


私は訳がわからず、また頭に?が浮かぶ。この人はなぜに安心しているのだろう。私、ほんとに困ってるんですけど。


「これだけすごい能力を持っていると誰しもが自分に酔われ、そして、溺れます。本来なら3歳の少女に言ったところでわからないでしょう。ですが、あなた様は少なからず、前世の記憶を思い出し、なお、こちらの知識も多少持っている状態で聞いていることになるでしょう。そのような状態で、地位や名誉、財産に目もくれず、家族の心配をして困ってる様を見ると、私はユキリア様の守護者になれてよかったなと思ってしまいました」



そっか。よかったと思われて、私もよかったよ。……私、単純になった?全然、頭が働かない。

でも、ほんとにどうしよう?3歳の頭では何も思い浮かばないわ。家族と離れた方がいいのかしら?

あっ、そういえば、この人の名前聞いてない。



「あなたのおなまえは?」


「あっ、私としたことが慌てて名乗りもしてませんでした。私はキウィリウスと神様より名付けられました」


「キウイ…ス」


「キウィリウスです。」


「キ…リス」


ヤバい。全然、発音ができない。神様はなぜにそんな読みにくい名前にしたのよー!


「キースとでも、何とでも好きにお呼びください。私があなた様に呼ばれていると分かるものなら何でもいいです」


おおー、それはありがたいー。んじゃ、キースって呼ぼう。


「んじゃ、キースってよぶね。キースはその、ずっといるの?」


「えぇ、もちろんです。ユキリア様の守護者ですから。ずっとユキリア様のそばにいます」



キースはずっと優しく微笑んだまま言ってくれている。

なんだか、すごく安心した。今日、初めてあった人なのに不思議だ。

もし、家族と離れなきゃいけなくなっても、キースがいるなら大丈夫な気がする。

あっ、この能力、とりあえず家族には?話す?秘密?どうしよう?



「このこと、おとうさま、おかあさま、家族にははなす?ひみつの方がいい?」


「いいえ、このことは全て家族様には話しましょう。ユキリア様はまだ3歳ですし、『聖女』ですから、完璧に秘密は無理でしょう。秘密にしてても勘ぐられ、いずればれてしまうでしょうから、きちんと話した上でどうするか、家族様たちとも話し合いましょう」


……そうだよね。黙っていなくなることはできないし、そんなの寂しすぎる。きちんと話したい。


「しかし、もし、話し合ってもあなた様の意にそぐわず、欲望にまみれ、あなた様に害をなすと判断されましたら、家族様でも滅します。私にはそれだけの力があります」



キースは突然、無の表情になる。さっきまでの優しい顔から急に無になったことに恐怖を感じた。


えっ、そんな!?意にそぐわなかったら…家族を殺すの?…こんなに愛情をくれてる大好きな家族を?


………そんなの嫌だよ。……嫌!


私は急に悲しくなり、怖くなり、涙が止まらなくなった。

そして、まだ幼児だからなのか、ほんとに怖すぎたからなのか、大声で泣き出してしまった。

誤字、脱字、読みにくいなどあったらすみません。

読んでくれた方に感謝を。

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