雨が続く
妄想の続きです。
次の日、私はアカリさんとお母様にお城を案内してもらった。その間、男性陣は話し合いをしていたけど結局何もわからず、とりあえず出る魔物はそこまで強くないから大丈夫ということでおさまったらしい。なので今日は私たちは帰ることになった。
屋敷に帰ってきてから、キースがアカリさんがいるのに弱い魔物が出るのはおかしいです。と言っていたが、それをこちらから国王陛下に伝える訳にはいかないので、お父様が様子を見ようと言っていた。
また何かあれば言ってくるだろう。と。私たちが話してても何もわからないし、今日はもう休もうということになって終わった。
しかし、こちらの領地も少し様子がおかしかった。魔物は出ないが、ずっと雨が続いているのだ。この世界は四季は一応あるけど、そこまで温度差が開くことなく過ごしやすいし、雨はたまに降るけど、梅雨とかないから、1週間2週間雨が続くことはないのだ。それがもう1ヵ月も雨が降り続いている。
村では畑が全滅だと言っていた。うちの畑はノエルがいるから大丈夫ではあったけど、聖水が撒けず、作物の品質は下がっている。
お父様は畑の様子も気になるし、このまま作物が育たないと村の食糧問題もあるから、一度、村長さんと話し合うと言って、村に行くことになった。
メンバーはお父様、お兄様、キース、タクス、私だ。
タクスは暇だからなのと、私はキースのおまけだ。
村長さんのところに行くと、今日はノエル様はご一緒ではないんですね。と落胆していた。ノエルは畑枯らさないようにしてるから、今は畑から離れるのを嫌がったのだ。
村長さんと話し合いをしていると、慌てた様子で村人1人が村長さんの家に訪ねてきた。この人もよく見るとエルフだ。
「村長!大変です!」
「どうしました?」
「ビッグウルフが……!……村人たちが争いをしています…!」
支離滅裂でよくわからないので、その人を落ち着かせて、話を聞くと、大きくて真っ黒なビッグウルフが現れたそうだ。村長さんとお父様が慌てた様子で向かおうとするが、冷静なお兄様が場所がわからないからと2人を止めていた。
お父様は冷静になり、その人に案内してくれと頼んでいた。
「被害はどれくらいある?」
「…それは…まったくないです」
「…どういうことです?…そんな大きな魔物が出て、まったく被害がないとは?」
「まったくといいますか、多少怪我した人もいますが、それはその、魔物のせいではないので……」
「どういうことです?」
「それはあの、…争っているのは村人たちでして…。魔物は一切、攻撃してきていなんです」
私たちは訳がわからないといった状態で、その魔物が現れた場所に案内してもらった。
この村も魔森と隣接しているのでその魔森からすぐ出たところに、3メートルはあるであろう真っ黒で大きなビッグウルフが何もせずに座っている。少し困惑しているようにも見えた。
そして、ほんとにその前で村人たちが争っていた。よく見ると、エルフたちと争っている人たちは獣耳が生えているように見える。
……獣人?…私、村人たちと交流を持ってないから、どんな人たちがいるか知らなかったけど、この村、獣人もいたんだ……。
とりあえず、お父様は大きな魔物は攻撃してくる様子がないのでこちらも攻撃しないように。と、何があったのか話を聞きたいから、争っているやつらを何とかしてくれと村長さんに言っていた。
村長さんは争っている村人たちの仲裁に入り、なんとか争いをおさめ、話を聞き出した。
エルフたちに話を聞くと魔物だから倒さないといけないと思い、倒そうとしたが、それを獣人たちによって、止められていたと言っている。
獣人たちに話を聞くと、この魔物は獣人たちの国の元『聖獣』様なんだと。
聖獣は主が死んだ後でもこの世界に残って、魔素を吸い取り、限界になったら消えるんだと、キースがこっそり教えてくれた。
そのことをライが念話を使って家族にだけ伝えてくれた。
お父様は雨も降っているし、ここは俺たちで何とかするから、村人たちは家に戻りなさいと指示して、みんなを帰らせた。
村長さんも残る勢いだったが、興奮した村人を沈める為にそっちを頼むと言って、無理矢理、村長さんも帰らせた。
誤字、脱字、読みにくいなどあったらすみません。
読んでくれた方に感謝を。




