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誕生日当日

妄想の続きです。

あれから、私はお兄様と一緒に読書したり、お姉様と魔道具で遊んだり、タクスと一緒に走ったりと毎日を忙しく過ごしながら数日がたった。私の中のスライムは大人しく、私も何も変わりなかった。あっ、でも、本当にお手洗いは行かなくても大丈夫になってた。



そして、私たちの誕生日当日、私は起きてからずっとそわそわしていた。



…お祖父様、お祖母様にすごくすごく会いたいけど、今日は私のこと話すのよね?…嫌われたどうしよう…。



私は落ち着かないので、タクスと一緒に騎士たちと訓練にまざってた。ほとんど見てただけだけど。


誕生日パーティーは夕方からするみたいで家族みんな忙しそうだった。キースも準備手伝いに度々呼ばれることが多くて、騎士たちの訓練を快適に見えるようにとパラソル付きの丸いテーブルと椅子と飲み物をおいていた。



…これって私が動かないようにだよね…?…



そわそわしながら、時間は過ぎていった。タクスはそんな私を気にしてか、今日はたのしみだなー!って言いに来ることが多かった。



そして、とうとうお祖父様たちを迎える時間になった。私は軽くおめかししてもらって、いつもより可愛らしいピンク色のワンピースを着せてもらう。



お祖父様たちは転移魔法具を使って、この屋敷にやってくるらしい。私たち皆で地下の部屋に向かった。

うちの転移魔法具はだいたい10人ぐらい乗れる大きな石の台に大きく魔方陣が書かれている。



魔方陣に沿って光り出し、全体がパァっと輝くととお祖父様たちが現れた。まずやって来たのはお母様の方のお祖父様とお祖母様だった。



男性陣は片膝をつき胸に手を当ててお辞儀をする。女性陣はカーテシーをする。キースまでもしていた。私もお母様に教わったようにやってみる。…えっと片足を後ろにさげて、スカートの裾を持って、お辞儀っと…。



「「ようこそおいでになられました。先王陛下様!」」



「……まったく、お前たちはいつも来る度に嫌がらせをするなぁ。わしが苦手なの知っておるだろ。はぁ、面をあげぃ」



「「はっ!」」



お祖父様に言われて、みんなが元に戻る。



「こんだけ身内だけなのに、しないとならんのか?」



お祖父様はため息を吐きながら小言を言っていた。



「お父様は先王陛下ですもの」



お母様は無邪気な笑顔でお祖父様に近付きハグをし、お祖母様にもハグをする。


…お母様のあの笑顔はいたずらっ子みたい。お母様もお祖父様の前では子供なのね…。



「ランスもセシルも皆、息災であったか?」


「お陰さまで。みんな元気に過ごしています」


「そうか。それは何よりだ。ラースよ、魔法は順調か?」


「はい。だいぶ上達しました」



お祖父様はお兄様に近付きハグをする。ラースとはお兄様の愛称だ。



「アリアはますますマーリアに似てきたな」


「そうかしら?でも、お母様は美人だから嬉しいわ」


「タクスも大きくなったな。お誕生日おめでとう」


「えへへっ。ありがとな!まだまだ大きくなるよていだ!」



お祖父様は順番に一言ずつ挨拶を交わしながらハグをしていった。


そして、私のことを見ると優しく微笑んで近付いてきて私を抱っこした。



「可愛いユキリア。元気になって本当によかったよ」



「わたしもおじーさまに会えて、とてもうれしいです」



私は抱っこされながらも、少し緊張しながら答えた。

お祖父様は私を抱っこしたまま、キースに近付いた。



「キースよ、我が家族として迎えられたことを心から歓迎する」



「はい。ありがたき幸せです」



「そんな堅くならないでくれ。わしは堅いのは苦手じゃ」



「これが通常ですので」



「キースよ、これは『守護者』様として聞いてくれ。…キース様、ありがとうございます。ユキリアをどうかよろしくお願いします」



「もちろんです」



お祖父様は私を抱っこしたまま、少し片膝を曲げお辞儀した。私は驚きを隠せずに固まっていた。


…お祖父様たちはもう知ってるの?!…知った上で私を抱っこしてくれてるの?!…



私が驚いた顔をしていると、お母様が優しくも困り顔で近付いてきた。



「ユキリア、驚かせてごめんなさい。もうお祖父様たちにはこっそり伝えていたの。うちは転移魔法具があるからお祖父様たちはユキリアにばれないようにこっそり来てもらった日があるのよ」



「それじゃ、オーフェンおじーさまたちも…」



知っているの?と聞こうとした時、また魔方陣が輝いた。


オーフェンお祖父様とはお父様側のお祖父様。今、抱っこしてくれてるのは、デーヴィドお祖父様。お父様側のお祖母様はミリアお祖母様で、お母様側はリーリアお祖母様。ミリアお祖母様とリーリアお祖母様は双子だから、お父様とお母様は従兄妹同士で結婚しているのだ。まぁ貴族にはよくあることよね。


魔方陣が輝いて現れたのはオーフェンお祖父様たちだ。



「むっ、先越されたか。ユキリアー、おじーたまが会いにきたよー」



オーフェンお祖父様は少し赤ちゃん言葉をつかいながら私に近付いてきた。

まぁ抱っこされてるからデーヴィドお祖父様に近付いてるんだけど…。



「オーフェン、遅かったな」



「何を言うか!ここにおるってことはお主らもさっき来たばかりだろぅ?ほれ早うユキリアをよこせ」



「ユキリアは物じゃないんだ。そんな奴には渡さんよ」



「何おぅ!?ユキリアだってわしの方に来たいはずじゃろ!のぅ?ユキリアたんはオーフェンじぃたまがいいよなぁ?」



2人は私を間に争っている。この2人は昔からとても仲がいいらしい。デーヴィドお祖父様が王に着く前からの仲で王に就いてからはオーフェンお祖父様がサポートしていたらしい。私が困惑していると、お祖母様たちが近付いてきた。



「まったく。困った人たちね」



「こんな人たちはほっといて、私たちのとこに来なさい?」



そう言うと、ミリアお祖母様が私を抱っこした。私はミリアお祖母様に抱っこされたまま、リーリアお祖母様に顔を覗かれている。



「ユキリア、ちょっと見ないうちに大きくなったわね」



「顔色もいいし、すごく安心したわ」



お祖母様たちは優しい笑顔で話してくれている。私のことを知った後でも変わらずに、優しく愛情をくれている。私はすごくすごく安心して、満面の笑みで答えた。



「ようこそ!おじーさま、おばーさま!」



お祖父様たちの顔が崩壊していた。お父様といい、その顔は何なんだろう?



「先王だと言うのに、だらしないですわ」


「仕方ないだろう。今の笑顔は反則じゃぁ」


「父上もすごい顔になってるよ?」


「お前には言われたくないわぃ。お前も同じ顔をしておるぞ」



「じーさまもばーさまもだらしないぞ!父上もな!」



タクスにつっこまれて、みんなが笑った。

誤字、脱字、読みにくいなどあったらすみません。

読んでくれた方に感謝を。

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