表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/78

白いボール

妄想の続きです。

私が前世の記憶を思い出してから1ヵ月ぐらいたった。度々、家族から身体の心配されるけど何ともなかったので、家族もだいぶ安心したようだった。


私は健康体になった!



ご飯もしっかり食べれるようになった私は、体力をつける為に毎日少しずつ、屋敷内を散歩していた。

1ヵ月たって、私はようやく屋敷内ならある程度どこでも行けるようになったのだ。この屋敷はとても広いからだいぶ体力ついたんじゃないかしら。



よし!今日はお外に行ってみよ!



相変わらずキースはずっと私のそばにいてサポートしてくれる。疲れて休んでいたらさっと飲み物用意してくれるし、ちょっと汗かいたらすぐにタオル出してくれるし、家族みんなが何してるのか聞いたら一人一人のスケジュールまで教えてくれる。


…キース、もう執事やん。…見習いじゃないやん…。完璧やん。



キースは私がお昼寝している間に、お父様やセシルの手伝いもしているようだった。大変じゃないかと聞くと、それもこの世界の勉強になるし、私が寝ている部屋に結界をはっているから大丈夫です。と答えてくれる。



…いや、そういうことじゃなくて、身体しんどくないのかな?



私たちは何気ない会話をしながら、裏庭の方に出た。ほんとは裏庭の方が魔森に近いから危ないんだけど、キースは私が『聖女』の力が駄々漏れで魔物は一切出ないはずだし、逆に魔森の方だから普通の人は近付かないから怪しい人も来にくいからということだった。


裏庭には普通の庭もあるけど、運動場のようなところもあり、そこでこの屋敷専属の騎士たちが訓練している。

タクスがいつも一緒に訓練しているみたいだったので、それを見に行くことにしたのだ。3歳で訓練に参加するってのもおかしな話ではあるけどね。この世界は普通に魔物がいて、魔物に襲われて死んでしまうということは日常茶飯事で起こっていることなのだ。なので幼いうちから鍛えるという貴族も多いとか。うちはただ好きにさせているだけらしいけど。



「お!ゆきりあ!見にきてくれたのか!」



騎士たちは訓練していたけど、タクスは休んでた。

言い訳のように説明してくれたけど、騎士たちが剣で訓練している時はまだ危ないから参加させてもらえないのと、剣が重たすぎて持てないから、見て学んでいるんだと教えてくれた。



しばらく見ていると、タクス用の剣を作ったから素振りでも教えてやる。と、メッチャ筋肉モリモリのちょっと顔が恐そうな人がやってきた。その人は私を見ると一瞬驚いた顔をしたけど、その後、顔が崩壊してお父様みたいな顔になった。タクスが師匠だらしねーぞ!と注意すると顔が戻った。タクスは見ててくれよなー!と言いながら行ってしまった。



…タクスはここによくいるから、あんな言葉遣いなのね…。



またしばらく訓練を見ていると、今度は困った顔のメイドさんがやってきて、キースに手伝ってほしいことがあると言ってきた。もうすぐ私たちの誕生日パーティーをするから、それの準備を手伝ってほしいと。


キースは渋っていたけど、私の誕生日パーティーは完璧なものにしたいらしく迷っていたので、私は大丈夫だから行ってあげてと言うと、渋々メイドさんに着いていった。絶対にここから動かないで下さいね。と念をおして。



私は言われた通り、動かないで見ていたけど、日差しが暑すぎる。そこで周りを見渡すと、大きな木が目に入り、ちょうど日陰があるのでそこで見学することにした。


…ちょっと移動するぐらいだし、騎士のみんなも見える位置だから、大丈夫よね…!



私は大きな木まで来るとふぅと腰をおろした。大きな木の影のおかげでとても涼しく、騎士たちの訓練も全体がよく見えて楽しい。木の下は芝生になっていて、風が吹くととても気持ちよく、眠気には勝てなくて、ちょっとウトウトしてしまった。



私がはっと目を覚ますと、何か跳ねながら私にむかってきていた。少し大きめな白いボールのようなモノだった。そのボールは私の前に来ても止まらず、私にぶつかる勢いだった。



…やばいっ!ぶつかる!…



思わず目を瞑って手を前に出して防ごうとしたら手から何か出た気がしたけど、私はそれどころじゃなかった。



目を瞑ったままでちょっとたったけど、衝撃がないので恐る恐る目を開けてみると、私の前に白くて丸いぷよぷよしたモノがいた。



…スライム?…スライムって白色だったっけ?半透明な水色って書いてあったと思うけど…。



私は近くに木の枝が落ちていたので、それを拾って、つついてみた。すると、目みたいなのが2つ出てきた。私はうわっと驚いたけど、その目は可愛くつぶらな瞳で私をみてくる。



……スライムが仲間になりたそうにしている。仲間にしますか?……と聞こえてきそうな感じだわ…。



私は可愛さと気持ち良さそうなプヨプヨの誘惑に負け、手で触ってみた。



ーーー《ぼくと契約する?》ーーー



声が聞こえたので周りを見渡したけど誰もいない。気のせいかな?



ーーー《君に話してるんだよ?》ーーー



やっぱり聞こえるのでまたきょろきょろと見渡したけど、誰もいない。



ーーー《ぼくは君の前にいるよ?》ーーー



私の前にはスライムらしきモノしかいない。……まさか、このスライムが?……



ーーー《ぼくさっきまで意識があまりなかったんだけど、君の魔力を感じたらはっきりしたんだ。君と契約したい。》ーーー



……このスライムっぽい…。



ーーー《僕と契約してくれたら、どんだけ食べても太らないし、排泄物もなくなるよ?》ーーー



……何、それ!?…魅力的…!…



「…わかった!」



私がつい誘惑に負けて、そう口に出すとそのスライムは小さく光、目の前から消えた。私はきょろきょろと探してみると声が聞こえた。



ーーー《ぼくはあるじの中にいるよ》ーーー




こうして私は体の中にスライムを飼うことになった。


誤字、脱字、読みにくいなどあったらすみません。

読んでくれた方に感謝を。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ