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朝ご飯

妄想の続きです。

私はあの後、専属メイドのエマにスープをもらい、お風呂に入れてもらってから、また寝てしまった。

……まぁ病み上がりだしね。ちょっといろんなことがあったから3歳児には疲れるのよ。前世の記憶とユキリアの記憶が合わさってるわけだしね。


そして、また起きた時には朝で、ベッドの横にはエマが座っていた。どうやらずっと起きて、私の様子を見ていてくれたらしい。エマに大丈夫なのかと聞くと、慣れているから大丈夫とのこと。


徹夜に慣れるとか、この世界、ブラックなのかな?



「朝食はどうなさいますか?」



エマに聞かれて、お腹がすいていることに気がついた。私って健康的になってる!ちょっと嬉しかった。



「おなかすいたから食べたい」



私が答えるとエマは驚き、そして喜んだ。



「ええ!そうですね!今すぐお持ちしますね!」



今、何時なんだろう?家族みんなはもう食べたのかな?



今すぐにでも!と、駆け出すエマを止めて聞いてみたら、ちょうどもうすぐ朝食の時間でダイニングルームに集まる時間だと教えてくれたので、私もそこに行くことにした。


身支度を軽く整えてくれると、エマは抱っこしようとしたので、私はそれを断って自分で歩いて行きたいと伝えた。


部屋を出ると、何故か家族みんなが勢揃いしてた。



「おはようございます。ユキリア様。ユキリア様の様子をお伺いしようときたのですが、皆様集まってしまわれまして。皆様、ユキリア様が心配だったようです。…ところでユキリア様はどこへ行くおつもりだったのですか?」



キースが代表という感じで聞いてきた。



「みんな朝ごはんのじかんって聞いたから、わたしも一緒に食べたくて」



「まぁ!ユキリアが朝食を食べたいだなんて!これは豪華にしてもらわなきゃ!」



お母様は歓喜の様子で、メイドのエマに食堂に伝えるようにと言っていた。



「あの、おかーさま。わたし、そんなに食べれないと思うの。ただ、みんなといっしょに食べたかったの」



そう言うとお姉様がぎゅーっとしてくれた。


…お姉様…ちょっと苦しいです…。



それじゃ皆で行こうか。とお父様が抱っこしようとしたので、それを断るとお父様はあからさまにがっかりしていた。


…私、久々にベッドから出れたから歩きたいの!



皆でダイニングルームに向かいだした。が、私は途中でバテた。……私、どんだけ体力ないんだよ…。

結局、お父様に抱っこしてもらって、お父様は上機嫌だった。


ダイニングルームに着くと、もうテーブルには料理が並んでいた。そして、豪勢だった。エマは伝えちゃっていたみたいだ。



「ユキリア様ごめんなさい。ユキリア様はあまり食べれないと伝えたのですが、ユキリア様がダイニングルームで食べると伝えると料理人が張り切ってしまって」



エマは困ったように謝ってきた。



「だいじょうぶ!全部おいしそうだし、むりしないように食べるから」



皆が席に着いて食べ始めた。私も食べよっと。手を合わせて、頂きます!…まずはスープからね。


私が食べようとした時、皆が不思議そうな顔で私を見ていた。



「ねぇ、ユキリア。それはなんだぃ?」



お父様が代表して私に聞いてきた。

…ん?スープ?皆にはスープないの?

私がきょとんとしていると、お兄様が教えてくれた。



「さっき、手を合わせて何か言っていたよね?」



あ!こっちの世界ではそんな風習なかった!私、ユキリアなのに前世とごっちゃになってるみたい。

この世界では祈りを捧げるとかの風習もなく、料理がきたら好きなタイミングで好きなように食べるのだ。


私はカイジョウユキを出してしまったことに、不安と申し訳なさを感じて、しゅんっとなって謝った。



「…ごめんなさい」



「あ!違うんだよ!純粋に何かなと思っただけだから!謝る必要ないんだよ!」



お父様がすごい焦った様子で言った。

お兄様は心配そうに、でも、優しい顔で聞いてきた。



「さっきのは悪いことなのかな?ユキリアは何に謝ったの?」



「あれはぜんせのことだから。…ユキリアじゃないことだから」



「ユキリア、心配しなくていいのよ。今は前世のユキリアも含めて私たち家族のユキリアだから」



お母様は優しい笑顔で言ってくれた。周りを見ると、皆が優しい顔つきしていた。



「そうだよ。だから僕は前世のことも教えてほしいな。ユキリアのことは何だって知りたいな」



「そうだぞ!ゆきりあはゆきりあだ!おれだってぜんせのこと知りたい!すげーことじゃん!」



皆が慰めてくれて、私はうるっとした。


だから、さっきの教えてくれるかな?と優しく促してくれる。



「…あのね、さっきのは食べる前のおいのりみたいなものなの。食べるということはいのちをいただくってことだから、食べものといっしょうけんめい作ってくれた人にかんしゃをこめて、手をあわせて、いただきますって言うの」



「…素敵な風習だわ。私もやろっと!」



「あっ!あねうえだけずるい!おれもやる!」



お姉様とタクスが手を合わせて「いただきます!」って言った。その後、お父様もお母様もお兄様も、キースまでやってくれて、とても嬉しかった。



食べ終わった後は紅茶を飲みながらゆっくりこれからのことを話していた。まずは部屋のお引っ越し。別にそれくらい私の許可なんていらないのにね。どんなのがいいかとかも聞かれたから、シンプルのがいいって答えた。

…シンプル イズ ザ ベスト!…よね!



あとは私のことをお祖父様お祖母様にも話そう。と。心強い味方だし、お祖父様もお祖母様も私のことが大好きだから大丈夫だよと言ってくれて、私は不安だったけど、とりあえず承諾した。



そして、一番驚いたのが、キースがセシルの子供になって、私の専属執事見習いになったことだ。

キースは、これで何にも気にすることなくユキリア様のおそばにいれますね。と終始笑顔だった。


…そういえば、みんなキースに対して敬語じゃなくなっていたな。…タクスは元々だけど…怒られなくなった。



私だけ専属が2人になったから申し訳なくて聞いてみると、専属メイドのエマは私が身体弱かったからすぐ見れるようにつけたのと、キースは『守護者』として怪しまれずにそばにいる為にだと教えてくれた。


それなら、もう専属メイドは必要ないのでは?と言うと、エマにすごく悲しそうな顔されて、エマが私の専属メイド下ろされるのならメイド辞めます。まで言い出したので、皆、慌てて私を説得し出した。結局、私だけ専属の執事とメイドがつくことになった。

誤字、脱字、読みにくいなどあったらすみません。

読んでくれた方に感謝を。

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