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『理なき世』に探偵は生きる  作者: 小 文具
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Page.9 罪人の標は幻想より出づる白き獣か:中編

《前回までのあらすじ》

晴天街・赤レンガ荘の探偵事務所を経営するセンリとイチコは、「魔獣」と呼ばれる生物が脱走したので、探して欲しいという依頼を受けた。


報酬はなんと300万、ネコのような体格で翼があり、翡翠色の角を持つ「リーヴペガス」という魔獣を朝っぱらから頑張って探すが一向に見つからず。


なんとなくでイチコを発見したというゴミ捨て場に行くと、なんとお目当ての魔獣が自分から出てくるし、しかも自分から捕まりに来たみたいな対応をするので大混乱。


イチコは魔獣の角がおかしいと指摘したら、なんと2本あった角が取れてしまった。しかし、それは魔獣がコメで作った接着のりでくっつけてあったからであって、しかも取れた角の断面から、人の手で切断されたものだと判明する。


嫌な予感がしたので、いつもの警部に連絡しようとしたら、突如現れた黒服のマッチョ集団に囲まれてしまう。探偵達は二手に別れ、逃走を開始したのだった。

「もしも〜し!あの、警察ですか!?ガルバさんって人居ると思うんですけど、ちょっとお話ししていいですか!?」


センリの指示に従い、知人のガリウス警部に協力を求める為に警部の職場である警察署へと走るイチコ。


片手でスマホを耳に当てながら、街のあちこちから出てくる黒服達の攻撃を交わし、近づいてきた者は蹴る、殴る、投げ飛ばす、で応戦していた。


『ガルバさんというのは、ガリウス警部の事で宜しいでしょうか?申し訳ありませんが、警部は只今離席中でして、お電話を変わる事が出来ないのですが』


しかし、イチコのスマホは買いたてなので警部の電話番号が入っておらず、センリの様に番号を暗記している筈も無いので、警察署にかける他なかった。

目の前には刺客が迫っており、正直な所、警察署の場所もハッキリ覚えてる訳ではないイチコは、焦りながら通話する。


「えっ居ないんですか!?じゃあもう誰でもいいです!幼気(いたいけ)な少女が筋肉ムキムキマッチョマン達に襲われてるんで、助けてくださーーーーいっ!!!」


『事件の通報、という事で宜しいでしょうか?では警官を向かわせますので、現在地をなるべく詳しくお教え頂けますか?』


電話している間にも前後から迫ってくる黒服達。イチコは前方の男の胸板に飛び蹴りを、その反動で後方の男の鳩尾(みぞおち)に強烈な肘打ちを放つと、立ち上がって辺りを見渡す。


「えっ!?えーっと、何処なんでしょうねココ?あ、今左にハンバーガー屋さんがあって、その向かいにケーキ屋さんがあるとこです!多分!てか、アタシ今そっちの方に向かってるんで、すれ違ったら助けて下さい!それじゃ!」

『えー、左にハンバ』


片手を塞いでいる余裕がないイチコは、かなり大雑把な説明をし、確認を取ろうとした電話対応の警官の返事を待たずに電話を切る。


「このガキィ!ナメた真似してくれやがってェ!」


縦も横も一際大柄な黒服が、此方を目掛けて突進してくる。

両手が自由になったイチコは、何故かその場を動かない。


「かかってこい!ナメてんのは…」


激突の瞬間、脇の間を潜り抜け、すれ違いざまにネクタイを掴む。全力でネクタイを手繰り寄せると、首がしまった黒服が背中に乗る。もがく男の腕を掴み、


「そっちの方じゃあぁぁあぁぁああい!!!」


綺麗な背負い投げで地面に叩き伏せた。

騒ぎに乗じて集まってきた通行人達は、肩で息をするイチコに盛大な拍手と歓声を送る。


「スゲーっ!これ、なんかの撮影?」

「アンタ、やるねぇ!ホントにヒトの女の子かい!?」

「おねーちゃん、カッコイーッ!」

「細いぞ上腕二頭筋ーッ!恥ずかしがり屋なのかーい!」

「うーむ、ワシがあと5年若ければのぉ、ホッホッホ」


周りからベタ褒めされ照れるイチコだったが、すぐに本来の目的を思い出す。


「あ、ありがとうございまーす!でも危ないんで、皆さんは離れてて下さいねーっ!」


野次馬達に手を振ると、再び警察署へと駆け出した。



その頃、リーヴペガスと身を隠したセンリは、イチコが警部と合流する迄の間、時間を稼ぐ為に街の外側へと向かっていた。


街の裏手にある山道に身を隠し、林の道を走り続ける。

腰に巻いていたコートを羽織り、手持ちの対抗手段を確認する。


「護身用に買っといた魔石は3つ、これでどれだけ持つか…頼むぞイチコ!ツノネコ、お前は絶対に護ってやるからな!」

「ふゃーん!」


鞄に入れたリーヴペガスをツノネコと称し、探偵は気合いを入れ直す。そこに、鼻が敏感なガルマンを先頭にした黒服達が迫ってきた。


「居たぞ!あの赤いコートの男だ!」

「クソっ、いい鼻してんなオイ!」


イチコと違い、黒服を撃退する程の戦闘力がないセンリは、必然的に防戦一方になる。

林の中は細い体格のセンリの方が有利だったが、時が経つ程増えてくる追手を捲るには、次の一手が必要だった。


長い下りの石段の前に出たセンリは、コートの中から魔石を1つ取り出し、道に落ちていた落ち葉を右手いっぱいに掴む。


「覚悟決めろ!やるっきゃねぇーーーッ!」


足元に置いた魔石を右足で思い切り踏みつけると、その周囲に氷が発生し、右足の靴裏に固定される。

石段の中央、手すり付近のスロープになっている部分に乗ると、魔石が産んだ氷は地面の摩擦を消滅させ、超急加速する滑り台を生み出した。


とてつもない勢いでスロープを降るセンリには相応の風圧が襲いかかり、手すりと手の間に挟んだ緩衝用の落ち葉は次々に摩擦で燃えてゆく。


「おわああぁぁぁああぁあ!怖い怖い怖い熱い熱い熱い死ぬ死ぬ死ぬーーーッ!!!」


遂に落ち葉が完全に燃え尽き、手すりと手が直に付いてしまうが、手すりを離せば事故死してしまう事は火を見るより明らかだった。

右手が焼け焦げる痛みに耐え、加速の勢いを殺さずに滑り落ちるセンリ。

石段の終わりが見えたが、そのすぐ先には道路が通っていて、このまま止まらなければ車に激突してしまう状況。


「ツノネコッ!飛んでくれェッ!」


これは、一か八かの賭けだった。

読書が趣味のセンリは、魔獣の生態についての文献にも過去に目を通しており、リーヴペガスは背中の翼で飛行が出来る事を知っていた。

だが、魔獣は希少な生物なので、実際に飛んでいる様子を見た事が無い。なので、もし「飛べる」の定義が「ちょっとふわっと浮ける」程度だった場合、このまま道路に飛び出て車に激突してしまう。


合図を受け取ったツノネコは、鞄から器用にセンリの背中へとよじ登り、思い切り息を吸う。

運命の瞬間、センリは祈るように眼を瞑った。


「ふりゃぁーーーーーーーーッ!!!」


掛け声と共に、背中の翼が瞬く間に肥大化し、センリの背丈程の大きさになった。

そして大きく翼を動かし、1人と1匹の身体は宙に舞った。

簡単に言えば、めちゃめちゃ飛んだ。


足元の感覚が消えたので下を確認してしまったセンリは、いつもの街並みを上から見た事に驚愕する。


「お゛あ゛ぁ゛ーーーッ!?!?飛びすぎぃーーーッ!?」


氷のスロープで加速していた事もあり、とてつもない速さで飛行する。が、それは一瞬の事だった。


「ふ、ふにゅ、にゅぅん」

「え、何?どうした!?…あっ!」


センリの頭からは1つ、大事な事が抜けていた。

贔屓目に見積もって5kg程しかない動物が、60kg程の人間を支えきれる訳がないという事を。


つまり、滑空自体は可能だが、高度を維持出来る訳では無いので、すぐに落下するという事になる。


「あ゛ーーーーーーーーーっ!!!!!」


真っ逆さまに落ちていく身体をツノネコがなんとか制御し、街の中を流れる川に墜落する。


ドボン、と大きな音と水飛沫を上げて何かが落ちてきた川の中を、近隣住民達が群がって覗き込む。


「ガヤは退いた退いたぁ!泳げるやつ、今すぐ確認してこい!脱走個体優先だ!」


当然、現場付近で騒ぎを聞いた黒服達が川に集まってくる。

泳ぎに自信のある海洋系のガルマン達が柵をよじ登り、川の中へと飛び込んでゆく。


が、黒服達が飛び込んだのとほぼ同時に、センリ達も水中から飛び出してきた。


「うおーっ!あのボウズ、サーファーかぁ!?」

「あれ、サーフボードじゃなくない?スケボーよね?」


センリは川に墜落した時、偶然投棄されていたスケートボードを川底で見つけていた。

スケボーの後ろに風を発生させる魔石を引っ掛ける事で、自走能力を持つように簡易的な改造を施したのだ。


「川に棄ててあんのは頂けねーけど、今はマジでラッキー!」


水面から飛び出したセンリは、黒服達が着水したのを確認すると、最後の魔石を取り出してニヤリとする。


「ついでにコイツで、くたばっとけやぁっ!」


探偵が放り投げた魔石は川へと落ちてゆき、仄かに輝きを放つ。


「「「あぎゃあぁぁあぁあああぁぁあぁ!?!?」」」


魔石から生じた電撃は瞬く間に水中で広がり、追ってきた黒服達を感電で一掃した。


空中で感電を免れたセンリ達は、ツノネコの翼で黒服達が少ない場所へと降り、そのままスケボーで街中へと逃走する。

対岸に居た黒服の1人は、歯軋りしながら後ろ姿を睨みつけ、怒鳴るように周りに指示する。


「あのガキィッ!追うぞ!なんとしても逃がすな!」

「ま、待てよお前!川のヤツらはどうするんだよ!?」

「知るか!後で拾ってくりゃ良いだろうが!」

「感電だぞ!?今すぐ助けなきゃヤバいだろ!?」

「お前…やろうってんのか!?」


センリ達を追うという主張と、川の中で感電した黒服を救助するという主張が食い違い、胸倉を掴みあって対立する。


仲間割れが起きようとしたその時、1人の黒服が声を大にして掴みあった2人に近づいてきた。


「あーあーあ、バカばっかで困るねぇ〜。ま、ガキンチョ1人ケダモノ1匹に手こずってる様じゃ、そりゃバカなのもトーゼンか。やれやれだねぇ」


大袈裟に肩を竦め、見下すような目付きで2人を睨む。

声の主が誰だか理解した瞬間、互いの胸倉にあった手は敬礼の形を取っていた。


「ば、バグイーター隊長!申し訳ありません、この様な醜態を!」

「隊長!例の探偵と脱走個体は、必ず我々が捕縛します!で、ですので、感電した隊員の救助に人員を!」


バグイーター隊長、フルネームをキラーペイン・バグイーター。深緑を下地に毒々しい赤紫の斑点模様の外皮を纏う、トカゲ属のガルマンである彼は、救助派の黒服を指差して返答する。


「バカその1、お前に足りないのは観察力と知識だ。自然発生した雷と魔石で発生させた電撃、どっちも同じだと思ってるからバカなんだよ」


「魔石の原料は誰かさんの血液、つまり元々人間のモノ。人から出たモンが人に与える衝撃は、天然モノより小さくなる。当然あのガキはその事を知ってたし、ご丁寧に魔石を半分に割って威力を抑えてた。だからすぐに命を落とす心配なんて、するだけムダなんだよ」

「で、では!我々にヤツらを追跡させて下さい!どんなご命令でも、必ず成功させてみせます!」


対抗意見が否定されたと見るや、もう片方の黒服がすぐさま主張する。が、これに対しても隊長は肯定しない。


「バカその2、お前に足りないのは判断力と思考力。今までずぅ〜っとその足でドタドタ走り回って、ガキ共を捕まえられなかったんだろ?それをバカの1つ覚えっていうの、身体のどっかに刺青で書いとけば?」


「お前が橋を探して向こう岸まで走ってる間に、ガキ共はスケボーでどんどん逃げてくワケ。お前、どうやって追いつくか考えてんの?走ってればいつか〜、とか思ってるからここまでコケにされてんだよ、バカの考え休むに似たりってね」


指摘の嵐を喰らい、黙り込んでしまう追跡派の黒服。

救助派の黒服は、隊長に対して別の質問をする。


「で、では、隊長は彼等を捕獲する算段がついていらっしゃると?失礼ですが、それなら最初から我々に指示を出して頂けていれば、こんな事には」


そこまで言うと、彼の顎は隊長に掴まれ、口が開けなくなった。サングラスの奥でギョロギョロと動く隊長の細い瞳孔に睨まれ、黒服の心は恐怖で支配された。


「は?バカはバカな質問しか出来ないのか?オレが出たら一瞬で終わってつまんねーから、バカ共が慌てふためく様を見て楽しんでたんだっつーの。正直まだ物足りないけど、これ以上は会長サマがお冠だからサッサと片しに来たんだよ」


口を掴んでいた手で救助派を突き飛ばすと、耳に装着した無線通信機を操作し、他の黒服達に命令する。


「該当エリア内の全隊員に命令、()()()()の使用を許可する。エモノを追い込むポイントは、北西エリアの1番高い廃ビルだ。良いか、直当て厳禁だ。じっくり追い込めよ」


そう言って無線を切ると、周囲の黒服達を集め、先程言っていた廃ビルへと向かい出した。


「ま、良いリアクション期待してるぜぇ〜、探偵チャン」



拾ったスケボーで、街中を走り回るセンリとツノネコ。

川の水で濡れていた身体は、炎天下の日差しでかなり乾いていた。


風の魔石はとっくに燃料が切れていたので、足で地面を蹴りながらスケボーを走らせるセンリは、先程から違和感を感じていた。


「おいおい、どうなってんだ?さっきまであんなに居た黒服が、川出てから全然襲って来ねーんだけど…何が起きた?」


1度足を止め、立ち止まって周囲を確認する。

視線は感じるが、誰の姿も確認できない妙な雰囲気。

警戒しても仕方ないと、再びスケボーに足を乗せたその時。


ボグアァァァァアンッ!!!


「なっ!?」

「ふにゃーっ!?」


突然、彼らの目の前の道で爆発が発生した。

最初の爆発を皮切りに、周囲から次々と爆発音が聞こえて来る。身の危険を嫌でも感じたセンリは、急いでスケボーを走らせる。


「おいおいおい!?いよいよ形振り構ってらんないってか!?流石にやりすぎだろ、コレは!?」


爆発の隙間を潜り抜け、既の所で回避し続ける。

次第に追い込まれたセンリ達は、爆風から逃れる為に廃ビルの中へと避難する。


廃ビルの入口に入った瞬間、真後ろで大爆発が起きる。

扉は吹き飛び、瓦礫の山が入口を塞いでしまった。


「逃げ場ナシ、ってか?屋上から出るしかない、か…」

「ふゅぅー、きゅぅーん」


鞄の中で不安そうな声で鳴くツノネコを、軽く頭を撫でてあやすセンリ。覚悟を決め、ビルの階段を登り始めた。


階段を登る途中、ふと右手の傷を目にしてしまう。摩擦で皮が破れ、火傷と出血でボロボロになった手から、先程まで感じていなかった痛みが表れる。


「痛って!てー、必死すぎてすっかり忘れてたな。コレ、治んのか?治んねーとちょっと困るな、ハハッ」


不安を誤魔化すように、苦笑いをする。

過度な運動で身体は既に限界であり、徐々に息が荒く、足取りは重く、頭に痛みが走る。

何時まで逃げればいいのか判らない恐怖に呑まれないよう、強く歯を噛み締めて階段を登る。


屋上への扉に辿り着き、ドアノブを回して、開いた先には。


「お?来たね〜探偵チャン!いやはやお疲れさん!1人にしてはよく頑張ったネと褒めてあげるよ」


先回りしていたバグイーター隊長と、その背後に大勢の黒服達。

目前に広がる絶望的な状況に、閉めたドアにもたれかかって目を擦る。

現実を受け入れると、センリは下を向きながら椅子に座って足を組んでいる隊長に話しかける。


「あの爆発、アンタの仕業か?俺をココに誘い込む為の」


「そ、正解!まあ簡単な話だよねぇ〜、1箇所だけ逃げ道を作っとけば、絶対ココに来るしか無いんだから」


椅子から起き上がり、つかつかと間合いを詰めると、隊長はセンリの顔を横から蹴り飛ばす。


「きゅっ!ふしゅーーーっ!!!」

「ガキンチョ、お前ホントにメンドーな事してくれたよねぇ〜。素直にそのケダモノ1匹渡しとけば、今頃グッスリ眠れてたんじゃねーの?」


ツノネコの威嚇に目もくれず、隊長は追撃で頭を踏みつけるが、探偵は満身創痍の身体で抵抗し、隊長を睨みつける。


「コイ、ツはっ、コイツのじゃ、ない奴の、角を、持ってた!アンタの、トコの、カシラは!魔獣を、高級素材、目的で!殺す為だけに、飼育していた!違うか!」


探偵の声など聞こえていなかったかのような顔で話を受け流した隊長は、今度はセンリの腹を思い切り蹴飛ばす。


「バカか?それがどうした?なんか問題あんのか?食う為に家畜を育てんのと何が違う?それは所詮、お前のエゴだろ?下らねー甘っちょろい考えで、オレらのビジネスに首突っ込むなよ。迷惑なんだよな〜アァッ!」


火傷の跡を広げるように、最後の一言で右手を踏み躙る。

激痛が走り、涙も出るが、叫ぶより先に、口で言葉を飛ばし続ける。


「ふざっけんなっ!魔獣は生態系が確立してない!素材目的で乱獲すんのは違法なんだよ!堂々と法を犯して、大人の癖に恥ずかしくなッ、ガハァッ!」


最後まで言い切る前に、再び顔面に蹴りを食らう。

不愉快そうな表情の隊長は、懐から構えた拳銃を探偵に向けて突きつける。


「本当にバカだなぁ!お前が死んでくれりゃあ、それを報告する人間は居ねぇんだよォッ!」


引き金を引く前に、隊長の無線に通信が入る。

拳銃は降ろさないまま通信を聞いた彼は、その内容を聞いて高笑いする。


「フッハハハハハハッ!良かったな探偵!女のガキはもう始末したってさ!ハハハハッ!良かったなぁ、すぐ待ち人に会わせてやっからよォッ!」


這い蹲ったセンリに向けて、高らかに報告する。

それを聞いた探偵は一瞬固まるが、直後、声を張り上げる。


「ツノネコォォオオッ!今だアァァァッ!!!」


「ふしゃーーーっ!」

「!? い、いつの間に背後にっ!?ガアッ!」


油断して高笑いをしていた間に、ツノネコを背後に忍び込ませ、思い切り噛み付くよう指示していたのだ。

その隙に渾身の力で立ち上がり、コートの(たもと)に用意していた、半分に割れた雷の魔石から、真っ直ぐ走る電撃を隊長に向けて放つ。


が。


「バカが!甘いんだよォ!」


隊長は予見していたかのように右腕の二の腕部分で雷撃を防ぐ。焦げた黒いスーツの下から、鏡のような反射板が表れ、雷撃をそのまま跳ね返す。


跳ね返った雷撃はセンリに直撃し、痺れで身動きが止まる。


隊長はツノネコを腕づくで投げ飛ばし、照準をセンリに合わせる。


「あばよバカ探偵、死んで後悔しとけェッ!」


拳銃放たれた弾丸は、センリの胸部を貫いた。

ツノネコの悲痛な叫びが、悲しい程に青い空に響き渡る。


「ふにゃぁぁあーーーーーーっ!!!!!」


Page.9 「罪人の標は幻想より出づる白き獣か:中編」


つづく

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

(しょう) 文具(ぶんぐ)です。


イチコ、始末()される!

センリ、撃たれる!

ネコ、叫ぶ!

!?(マガジンマーク)

ガルバも〜ん!なんとかしてよぉ〜!!!


前回に引き続きガッツリ戦闘描写中心になってます。慣れてないので、読みづらかったりどういう状況なのか判らない所がありましたら、ご指摘頂けると有難いです。


今回の犯人っていうかボスキャラ、キラーペイン・バグイーターさん。トカゲのガルマンです。名前がヤバい。中学生が覚えたカッコイイ英単語の羅列みたいになってます。まあ、わかり易く悪いヤツって事で。あと凄いバカを連呼してます。マジでめっちゃ言ってる。見下したがりなんでしょうか。噂によると「ガ」のつく方とお知り合いらしいのですが、それはまた次回に。


次回は事件(?)解決編です。多分3話目で終わると思います。撃たれたセンリの容態、ガルバさん何してたの、ツノネコちゃんどうなるの、全部書きます。覚悟の準備をしておいて下さい!近いうちに投稿します!話の構想も出来てます!貴方は読者です!全部次回にぶち込まれる楽しみにしておいて下さい!いいですねっ!(ワ○ップ○ョルノ)


それでは、次回も宜しくお願い致します。

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