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シナリオなんていらない!〜ライバルキャラの狐っ娘〜  作者: 阿井りいあ
変動

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止まらない爆弾発言


「よく見たらさ、今ここにいるのってラナキラの女性メンバーじゃない? ね、せっかくだから女子トークしようよ!」


 私がどうしよう、と慌てるだけで何も出来ないでいると、ララがニコッと笑って無邪気に言い放った。

 え、さっきまでの色っぽさはどこへ? 見れば敵意むき出しでララを睨みつけていたキャンディスでさえ、ぽかんとした表情でララを見ている。


「あの子、二面性があるわね……」

「二面性? あぁ、うん。いつもは無邪気だけど、時々すっごく大人びて見えることがあるの」


 コソッと耳打ちで聞いてきたクレアに、私も小声で答えた。聞かれちゃまずいってわけじゃないけど、なんとなくクレアに合わせてヒソヒソ声になっちゃった。


「あれが素だったら乙女ゲームよりだけど、演技だったら完全にギャルゲーの方だわ。というか、それも含めて演技の可能性もある、か」

「え、っと。ごめん、クレア。何の話かよくわからないよ」

「ごめん、ごめん。後で説明するから今は気にしないで」


 たぶん、前世の記憶に関することだろうな。ゲームって言っていたし、やっぱりララはクレアの記憶にある人物なのかも。でも、どんな立ち位置なのかな? 確か、もうラナキラメンバーは全員揃って……。あ!


「も、もしかして、ララがヒロイン……?」


 私がクレアの耳元でもっと小さな声で聞くと、クレアは苦笑を浮かべながら小さく頷いた。そっか、ララがそうだったんだ。

 とはいっても、私にはヒロインがどんな役割を持っているのか、クレアが何を警戒しているのか、一切わからないんだけどね。ミクゥは気にしないで普通にしていていいの、って言われるのは目に見えているし。聞いてもわからない自信もあるし。

 でも、気にはなるよね。今夜にでも聞いてみようかな?


「えっと、外に出かけるのは、いいの?」


 とにかく、今はこの気まずい状況をなんとかしないと。私は思い切ってララに聞いてみた。すると、ララは頬に手を当てながら嬉しそうに笑う。


「外に行きたい気持ちもあるけどー、それよりも女子会の方が楽しそうだもん。このメンバーだけが揃うのなんて、なかなかなさそうだし? 外にはまたいつでも行けるし」


 言われてみればたしかにそうかも。私たち双子とアンジェラはここに住んでいるからいつもいるけど、キャンディスやマリノまでが集まっているのは珍しいし、さらにこの場に男性メンバーが誰もいないっていうのもかなり貴重だよね。


「アタシはいいわよ? 面白そうだもの」

「キャンも別にいいよ! こうなったら、とことん聞いてやろうじゃないの!」


 真っ先に返事をしたのはマリノ。おっとりと微笑みながらソファに腰かけた。続けてキャンディスがララを指差しながら勇ましく宣言。お、穏便にお願いね?


「うっ、それはあたしもいないといけないのか」

「逃がさないわよぉ、アンジェラ? たまにはこんな話の場にも参加しなさいな」

「おい、離せマリノ」


 今すぐこの場から立ち去りたいオーラが出ているアンジェラは、後退りしたところでソファにいたマリノにパシッと手を取られてしまった。ソファの背もたれで頬杖をついて、マリノは心底楽しそう。飄々としたウェールズの恋人なだけあるなぁなんて思っちゃった。好奇心旺盛なララとも気が合いそう。


 アンジェラは結局、マリノに手を引かれて隣に座らされていた。もはや逃げるのを諦めた、と言った様子でガックリと肩を落としている。こういう場が本当に苦手なんだなぁ。なんでもそつなくこなしているイメージがあったからちょっと新鮮。

 ま、まぁ、楽しくお話が出来るかもしれないじゃない? 元気出して、アンジェラ!


「クレア、だっけ? あなたはどう?」

「あぁ、ごめん。そうね……情報収集だと思って私も参加するわ」

「情報収集? そっか、まだ私、あんまりみんなと話せていないもんね! なんでも話しちゃうぞー! さ、女子会の始まりーっ!」


 わ、私はまだ返事をしていないんだけどっ! たぶん、断らないだろうってララもわかっていたんだろうな。もちろん、その通りなんだけど。パチッとウインクをされちゃ、文句も引っ込んじゃう。


 それに、女子だけで集まってお喋りなんて機会、なかなかないのは本当だからちょっぴり私も楽しみだったりするんだ。

 私とクレアは揃ってマリノたちの向かい側のソファに座り、キャンディスはそのひじ掛けに軽く腰かけた。そしてララは一人掛けソファに座ると、さっそく話を切り出す。


「ずばり! この中で恋をしている人ー!」


 ララは元気にそう言いながら自分もはーい、と手を上げている。キャンディスはそんなララを睨みながらシュッと真っ直ぐ手を上げた。い、勢いがすごぉい。


「え、他には誰もいないの? 枯れてない? 大丈夫……?」


 手を上げたのはララも入れて二人だけ。最初の勢いはどこへやら、ララは困惑したように手を下ろした。


「ん? マリノは違うのか?」


 そんな中、アンジェラが口を開いた。そうだよね、アンジェラにはウェールズがいるのに。不思議に思って私もマリノに目を向けると、マリノはと人差し指を口元にあてて困ったように言った。


「ウェールズのことよね? あれはなんていうかぁ、もはやいるのが当たり前って感じ? ときめきなんて感じないもの。恋をしているかって言われると、微妙なところねぇ」

「恋人なのに、恋をしていないの? そんなことって、あるんだ……」


 その発言があまりにも理解出来なくて、思わず問いかけちゃった。だって、恋人なのに恋じゃないんでしょ? わ、わからないっ!


「それって、倦怠期ってヤツ?」

「あら、よくそんな言葉を知っているのね、ララ。でも、それともまた違うのよぉ。恋って一言でいっても、色々あるのよぉ。子どもには、まだわからないんじゃないかしら」

「わぁ……大人って感じ」


 恋にも色々あるっていうのは、ララとの感覚の違いで思い知った。とはいえ、マリノとウェールズの在り方はまだよくわからないな。聞けば、昔はそれなりにドキドキしたこともあったみたいだけど。時間の経過で変わったのかな?

 でも、絆の強さみたいなものを二人からは感じる。お互い、大切な人同士ってことには変わらないもんね。恋とは違うみたいだけど、そんな関係は素敵だな。


「マリノはわかった。でもミクゥ? 貴女が手を上げないってどーいうこと? ミクゥは恋しているじゃない!」

「え」

「えぇっ!?」

「まさか」

「あらあら、そうなのぉ?」


 ほのぼのとした気持ちで話を聞いていたのに、気付けば話題が私になってる? ま、待って待って、なんでそんなことになったの!?


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Cross Infinite Worldよりタイトルは「Surviving in Another World as a Villainess Fox Girl!」です!
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