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シナリオなんていらない!〜ライバルキャラの狐っ娘〜  作者: 阿井りいあ
攻略キャラ

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早起き二人で


 私たちが朝食を食べ終える頃、クレアとキャンディスが一階に下りてきた。二人ともまだちょっとだけぼんやりしてる。クレア、寝起きはいい方なのに珍しいな。やっぱり昨日はかなり夜更かししてたのかも。


「おはよう、クレア、キャンディス。私の用意したものでよければ、朝食準備するよ?」

「んー、おはようミクゥ。なんだか悪い気もするけど、今日は頼んでもいいかしら」

「もちろんだよ。座ってて! キャンディスもね」


 私が声をかけると欠伸をしながらキャンディスもありがとぉ、と返事をしてくれた。猫耳がピクピク動いてて可愛い。ふふっ、どういたしまして!


「エクトルとマクロも今日は遅そうだし、ウェールズんとこ行くのは午後からになりそうだなー」


 寝ぼけた様子の二人を見て、リニがやれやれといった様子で頭の後ろで手を組んだ。ウェールズ? もしかして、仲間にしたい人の一人かな。二人分の朝食を準備しながら聞いてみると、そうだ、と返ってきた。


「あ、ってか別にみんな揃って行かなくてもよくね? オレ一人で話してくればいーじゃん」

「え? でも仲間になってもらいたいだなんて大事な話、そんな軽い感じでいいの?」


 思いついた、とばかりにリニが呟く。けど、とても大事な話なんだから、みんな揃って行かなくていいのかな? 全員じゃなくても、せめてリーダーであるエクトルがいた方がいいんじゃ。そう思って聞いてみたんだけど、いいのいいの! とリニは軽い調子で笑った。


「むしろアイツはみんな揃って挨拶にー、だとかは堅苦しくて嫌だって言うと思うんだよな。うん、絶対そうだ。よし、オレ今から行ってくる!」


 なんでも、ウェールズは朝早く、夜も早くに休むらしい。朝に作業するのが性に合ってるとかで、そのスタイルを崩すことはあまりないんだそう。それならむしろ、午後からだと迷惑になっちゃうね。だから今すぐ行こうって言うのはわかる。わかるけど!


「ちょ、ちょっと待ってリニ! ねぇ、それ……私も一緒に行ったらダメかな?」


 思いついたらすぐ行動ってタイプだよね、リニって。サッと立ち上がって本当に今すぐ出て行こうとするものだから思わず引き止めちゃったよ!


「それなら私も行くわ!」


 私がそう言い出したのを聞いて、クレアも慌てて声を上げた。けど、リニは嫌そうな表情を浮かべて腕を組んだ。


「えー。だってお前、まだ準備に時間かかりそうじゃん。ミクゥはすぐ出れるからいいけどさー。店が開く前に話しておきたいし、待ってらんねーよ」


 それはごもっともな意見だ。でもクレアに朝食はちゃんと摂ってもらいたいし。そうなると答えは一つだよね。私はクレアに微笑みかけた。


「クレア、大丈夫だよ。私とリニで行ってくる。エクトルとマクロが起きてきたら伝言してもらえない?」


 クレアは嫌そうに唸っている。でも、それが最善だとも思ってるんだろうな。私にも留守番しなさい、って言わない辺り、私の行きたいって意思も尊重してくれてるんだ。


「うー……。そうね。わかったわ。リニ! くれぐれもミクゥから目を離さないでね! ミクゥはおっとりしてるし可愛いから、変な人に絡まれやすいの!」


 決断したのか、クレアはビシッとリニを指差しながらそう告げた。ちょ、人を指差しちゃダメだよっ! それに、注意点が微妙に酷いっ。


「ははっ、わかったわかった。任せとけって。んじゃ、行くかミクゥ!」

「うん! よろしくね、リニ」


 本当にわかってるのー!? というクレアの叫び声を背後に、私たちは苦笑を浮かべ合ってギルドを出た。もう、心配性だなぁ、クレアは!




 ギルドを出て、リニの後について歩きながら事前に情報を得ておく。つまり、ウェールズについて聞いてみることに。


「さっき、店が開く前にって言ってたよね。ウェーエルズは何かお店をしている人なの? そういう人を仲間にして、大丈夫?」

「あ、そこからか。そうそう、ウェールズは武器と防具の店をやってるんだよ。完全な個人経営でさ」


 武器と防具のお店かぁ。私にはあんまり馴染みがないな。だって、村で過ごすのに武器も防具も必要なかったから。農具とかそういうのは使っていたけど、また違うもんね。


「仲間になるって言ってもさ、所属してるってだけで十分なんだよ。ギルドのメンバーだからって必ずしも依頼をこなさなきゃいけないわけじゃねーし。裏方っていうの? 武器や防具のメンテナンスをメインでしてもらう代わりに、オレらの名前を貸すんだよ」


 ウェールズはどちらかというと職人だから、そこまでお客さんも多くはないんだって。腕はいいから知る人ぞ知る、という感じらしく、リニたちも日頃からもったいないな、と思ってたのだそう。

 上級ギルドの鍛冶職人ってだけで、これまでより依頼する人も増えるだろうし、知名度も上がるから料金も上げられる。その点を交渉の材料にするらしい。なるほど、箔がつくって感じかな。


「ただ面倒くさがりでさー。仕事もお金も欲しいけど、自分から宣伝したり売り込んだりするのは時間がもったいねーって言うんだよ。キーファといい、職人ってヤツはほんっと、物作り以外にもう少し目を向けられないもんかねー」


 はは、職人気質っていうやつなのかな。作るので精一杯で他にまで気を回してられないのかも。だとしたら、上級ギルドの仲間入りっていうのはなかなかいい提案だよね。いい返事がもらえるといいな!


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Cross Infinite Worldよりタイトルは「Surviving in Another World as a Villainess Fox Girl!」です!
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