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シナリオなんていらない!〜ライバルキャラの狐っ娘〜  作者: 阿井りいあ
攻略キャラ

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リニとの談笑


「あん? どーしたんだよミクゥ。そんなに慌てて」


 半裸姿のリニに私は大パニックだというのに、彼は気にした様子もなく平気でこっちに近付いてくる。だからまた小さく悲鳴を上げてしまった。


「ひゃぁ……っ! お、おおおおお願いだからっ、服を着てっ! あ、あと、その姿で近付いてこないでぇぇぇっ!」

「へ?」


 顔を逸らして両腕をブンブン振り回して必死に伝えると、リニからは変な声が返ってきた。これでも私、一応女の子なんだから少しは気にしてくれてもいいと思うっ!


「あー、そっかそっかごめん。これまで男しかいなかったから気にしてなかったぜ。でも、そんなに拒否するぅ? ちょっとショックなんだけど?」

「だ、だって、慣れてないもの……!」


 からかうようにそう告げて、あははと笑いながらリニはその場を去っていく。たぶん、部屋に戻ったんだと思う。もう、笑いごとじゃないのにっ!

 チラッとリニがいた方に顔を向けてみたら、すでにリニの姿はそこになかった。ほっ、よかった。本当に朝から心臓に悪いよー! 赤くなってしまった顔を手でパタパタと仰ぎながら、気を取り直して朝食の準備に取りかかった。


 朝食はスクランブルエッグと焼いたベーコン。厚切りのトーストに簡単なサラダだ。これじゃあ物足りない人もいるかな。マクロとか。でも、私に準備出来るのはこのくらいなんだもん。スープとか上手に作れたらよかったんだけど……。一から準備するのはどうにも苦手で。

 特に包丁! 果物ナイフでちょっと切る分にはいいんだけど、大きい刃物ってだけで怖いなって感じちゃうんだもん。そう考えると本当にクレアはすごい。クレアだけじゃなくて、包丁や剣なんかの刃物を扱える人はみんなすごいっ。


「お、うまそーな匂い」

「! リニ!」


 再び聞こえてきた彼の声に、ピンッと耳と尻尾が立ってしまった。だ、だってさっきのことがあるから……! でも振り返った先にいたリニはちゃんと服を着てたから安心したよ。ふぅ。


「俺も食っていい? 腹減ったぁ」

「もちろん。みんなは? まだ寝てるのかな」


 嬉しそうに笑って椅子に座るリニにお皿を運びながら質問を投げかける。すると、マクロは予定がない日はほぼ午前中には起きてこないし、エクトルも朝はもう少しゆっくりだと教えてくれた。へぇ、そうなんだ。でも仕事となると二人とも朝からシャキッとしてるし、切り替えが出来てすごいな。そう言うと、リニはうんざりしたように顔を歪めた。


「ぜーんぜんだぜ? 本当に大変なんだよ、あの二人を叩き起こすの! まじ苦労すんだからー。いつかミクゥもあの二人を起こしに行ってみ? オレの気持ちがよぉぉぉくわかるだろうから」

「えぇ……。うーんと、遠慮しておこうかな」


 それはそれは重みのある声で言うものだから、反射的にお断りしちゃった。えー!? と声を上げるリニにクスクス笑いながらコーヒーをカップに注ぐ。


「あ、リニ。コーヒーで良かった?」

「おー、さんきゅ。ブラックで頼むわ」

「わかった」


 リニはブラック派か。甘いものは苦手って言ってたもんね。覚えておこうっと。私はコーヒーは好きだけどブラックは飲めないのでお砂糖とミルクを入れちゃう。そんな私の手元をリニがじっと見ているようだ。お砂糖三つは入れすぎだったかな? と聞いてみると、マクロは五つ入れるから全然マシに見えると笑った。ま、マクロは本当に甘党なんだね……!


「リニは朝早いんだね?」


 コーヒーを運び、揃って朝食を食べ始める。せっかくだからリニのことも色々知りたい、と思った私はいくつか質問をしてみることにした。といっても、なんてことのない内容だよ? いつもの習慣とか、好みとか。知っておけばこれから彼らと共同生活する上で、気遣えることもあると思って。仕事面でまだあんまり活躍出来そうにないから、サポートだけでもしっかりやりたいもん!


「オレは毎朝この辺走ったりトレーニングしてるから。身体動かさないと一日が始まったって気がしねぇんだよ」


 へぇ、リニって意外と規則正しい生活をしてるんだなぁ。ソファでダラダラしてたり、性格的にも大雑把なところがあったから、もっと、その、生活習慣もダラダラしてるのかなって思っちゃってた。ちょっと見ただでで思い込んだらダメだね。反省します。


「今、意外だって思っただろ?」

「へっ!? え、いやっ、あのっ」


 突然、リニに図星を突かれて私は大慌てだ。あれ? 声に出てたかな!? 必死で言い訳をしようとするも、そう思ってたのは事実なのであたふたと手を無駄に動かすだけになってしまう。ううう。そんな私がおかしかったのか、リニは楽しそうにあははと声を上げて笑った。


「ミクゥってさ、めちゃくちゃ顔に出るよなー。隠しごととか出来ねぇタイプだろ」

「うっ、そ、その通りだよぉ……。ごめんなさいリニ。別にリニのことを悪く思ってるわけじゃ……」

「わかってるわかってる。ただそう思ったってだけだろ? オレこんなんだから、よくそう思われるんだよ。慣れてるし、気にもしてねーから」


 つい昨日、エクトルと話した時に、見かけで判断しちゃダメだよねって再認識したところだったのに私ってヤツは! 本当に、無意識でそう思い込んじゃうんだよね。はぁ。


「や、まじでそんな落ち込むなって! それにさ、知り合って間もないんだから、そういう誤解するのが普通だろ? オレだって、ミクゥはただ大人しいだけの女かと思ってたけど、お前って結構頑固だし負けず嫌いだろ?」


 言われた言葉に驚いて目を丸くしてしまう。それは本当のことだったから。私は声を出すのも忘れて首を縦に何度も振った。


「ちょっと会話しただけで見えてくることもあるけど、まだまだ知らねぇことだらけさ。慌てて知ろうとしなくていい。ふとした時に、こいつはこういうとこもあるんだなーって知っていく方が面白いだろ!」


 そっか。そうだよね。例えば質問をし合えばお互いを知ることは簡単だけど、それはその人の全てじゃない。当たり前のことだ。少しずつ、ふとした時にその人の一面を知っていく……。うん、素敵かもしれない。


「うん、そうだね。これから仲間になる人のことも、リニたちのことも……じっくり観察することにする!」

「あはは! 観察かよぉ。あんまり見つめるなよ? 照れるから!」

「ふふっ、穴が開くまで見ちゃうかも」


 リニと話すのはなんだか楽しいな。わかりやすく冗談を言ってくれるから、私も同じようなノリで返しちゃう。ムードメーカーって、リニみたいな人のことを言うんだろうな。朝から楽しい時間を過ごせたおかげで、今日一日も明るい気持ちで送れそう!


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Cross Infinite Worldよりタイトルは「Surviving in Another World as a Villainess Fox Girl!」です!
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