体力測定2(桃花)
学校から家に帰った私は学校の体力測定について調べる
・・・なるほど9種目あるのか・・・
内容は
・50m走(走力)
・握力(筋力)
・反復横跳び(敏捷性)
・ソフトボール投げ(投力)
・立ち幅跳び(跳躍力)
・持久走(全身持久力)
・上体起こし(筋持久力)
・長座体前屈(柔軟性)
・シャトルラン(全身持久力)
あー、結構あるね
ん!そっか持久走とシャトルランは選択だから実質は8種目になるのか
・・・問題はこれをどうバレないようにお母さんに実施するかだよね。・・・
まずお母さんを走らせることが難しい。
・・・サザエさんみたいな性格だったら簡単なんだけどな・・・
50m走
普通の人はどういう時に走るだろうか?
パッと思いつくのは遅刻しそうな時とか誰かに急げとせかされた時だよね
まぁどちらも私の実体験だけど。
でもお母さんが遅刻したことはないからな
・・・そもそも遅刻も寝坊もしないし・・・
いたずらして追いかけないし。もしかして走るのが苦手なのだろうか
・・・うーん。最初から難題だ・・・
母はいつ走るのだろう
結局50m走はいい案が思いつかなかったので飛ばすことになった。
握力
これは私の持っている筋トレ道具のハンドグリップを握らせればだいたい
測れる。(このハンドグリップ私が両手で握っても数ミリしか動かない)
「お母さん、これ握って」
ハンドグリップをお母さんに渡す
「何よ。急に別にいいけど」
・・・私のハンドグリップは50キロだからこれを半分握れたら25キロにしよう・・・
女性の握力の平均は30だっていうし半分ならお母さんでもいけるでしょう。
ガチ、ガチ、ガチ
・・・嘘う・・・
私の予想に反してお母さんは最後までハンドグリップを握りしめていた。
「これでいいの?」
「うん」
私のハンドグリップをテーブルに置きコーヒーを飲むお母さん。
・・・握力は50キロでいいんだよ、ねぇ・・・
ノートに握力50と書き
捕捉事項として 今度から母の手には要注意と書き足す。
話は変わり
「桃花、今度このアイドルがここの街にくるみたいよ」
お母さんがノートパソコンを私に見せてくる
「え、だれだれ!!」
・・・おお!!この人たち私の学校でも流行ってるアイドルじゃん・・・
「なんで!!どうして!!」
「地方のロケでしょう。私の職場でも少し噂になってたの」
「へぇー」
って眺めてる場合じゃないや
すぐに部屋に戻ろう
反復横跳び
またしても難題が
この競技は1m幅に引いた3本の線を20秒間でまたぎ越す回数を数えるという種目
なんだけど。
これをさりげなくお母さんにやらせるのは流石に不可能ではなかろうか。
・・・うーん。困った。というよりこの種目何を測定しているのかな?・・・
敏捷性ってなんですか?
わからないことはスマホでウィキペディア先生に聞こう
敏捷性ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
動作の素早さに関する能力をいう。単純な移動速度ではなく、動作方向を正確に変更する速さを指す。動作を行うまでの判断時間の短さも敏捷性に含める場合もある。
ウィキペディアより
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・・・ふーん。動作の素早さに関する能力か・・・
なら簡単じゃん
私は部屋からテニスボールを3つ取り出して再びリビングへ
「お母さん、お母さん」
「あら、また来たの今度はな・・・に」
お母さんが話し終える前に私はテニスボールを1つずつ投げる。
お母さんは 首を振ってかわし、手で払い、最後のボールは受け止めて投げ返した。
・・・敏捷性は問題なしっと・・・
「桃花、家でボール遊びしていいってだれから教わったの?」
・・・あ、やっぱり怒っちゃう?……・・・
「ここにはコーヒーも仕事で使うパソコンもあるのよ
壊したらどうするのよ」
「す、すいませんでした」
「いつも後先考えて行動しなさいって何回言わせるの」
「ご、ごめんなさい。」
「まったく」
・・・よし今日はこの辺で切り上げよう・・・