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第57話 約束の日

正直、決めかねている。

コウさんは、好き。

嘘は、嫌い。

優子は、コウさんが、私のことよくわかっていると言う。

よくわからないけど、そうかもしれないと思う。

耀輔ヨウスケ君の、アドバイスをもとに、紙に書いてみた。

何が、一番だったか?

知りたい?


二番は、お互いの嘘だった。

一番は・・・。


でもねぇ・・・。


優しい嘘。

相手を思いやる嘘。


これねぇ。

許すべき?

自分の嘘を棚にあげてだけど・・・。


はぁ・・・。


そんなこと思いながら、コウさんと待ち合わせの今日、念入りに支度をしている私。

待ち合わせは、『とあるホテルの最上階のレストラン』。

時間は夜の7時。

そう、コウさんと初めて会った場所である。

結局、考える時間は約二週間。

二週間後の水曜日だと、私が仕事あると大変だからって、翌日休みの月曜日になった。

二日前倒し。

たしかに、仕事ある日って、バタバタするしね・・・。


私は、リップを塗って、身支度完了すると、一番大事なことを書いた紙を見た。


二番は、お互いの嘘。

一番は・・・。


いや。

やっぱり、二番目が、一番・・・じゃないよね・・。


はぁ・・・。

本当は、自分の一番は、わかっていた。

紙に書く前から。

でも、認めたくなかった。

この一番を。


やっぱり、嘘は・・・。

でも、コウさんと過ごした思い出も、私の中では、宝物になっている。


コウさんからプレゼントしてもらった腕時計を片方の手で、なでながら、今まで、コウさんと過ごした時間を思い出す。


まずは、お見合い。

ああ。あの時で、すでに、好きになってしまったともいえるよね・・・。

だから、今こんなに、辛い思いしてるのよね。

花火デート。

ああ。あの時、彼との初めてのキス。そして、付き合うようになったんだよね。

うーん。押されっぱなしだったな。

この腕時計も、もらったんだよね。

そういえば、あの時、断ったけど、何か言って、結局、受けとったんだよね。

あれ?

なんて、言われたのかな・・・。


『じゃあ、今後、僕が、ゆうちゃんに何か怒らせたときの、お詫びを前もって渡しておくってことで!』


あ!

そんなこと言ってたよね。

もしかして、私が怒ることわかってて、そうやって、逃げ道?作ってたのかな。

なんだか、用意周到すぎて、ムカつくなぁ・・・。

コウさんの手のひらで、転がされているのが、なんだか・・・。嫌だな。


そのあとは、映画デートか。

初めてのカップルシート。そして、お泊りデート。

本当に、初めて尽くしのデート。いっぱいしてきたな・・・。

これも、初めてだから、楽しいのではないよね。

誰といるか。誰と過ごすか。

これが、楽しいのか幸せなのか・・・判断する基準だよね。


お互い、名前は、偽ってたけど、今までのコウさんからもらった感情に、嘘があったとは、思えないな。

正体を隠していたから、お互い、夢や年齢など、多少、ごまかしたけど、お互い、本当に好きだったから、一緒にいたんだよね。

いくらなんでも、好きでもない人と、キスとか・・・いろいろできないよね。

あんな熱っぽい瞳とか・・・。


本当は、わかっている。

自分の気持ちも、どうしたいかも・・・。

だけど、私のかたくなな性格が、素直に、そうさせてくれない。


ただ、好きだから、コウさんの胸に飛び込めばいいのだけれど・・・。


なんで、できないかな・・・。私。


いや、やろうとしないだけだろうか?

私、今、物凄く、着飾ってるよね?

高級レストランとはいえ、それだけではないよね?

久しぶりに会える好きな人に、喜んでもらえるため、着飾ったんだよね。


うーん。


約束当日になっても、気持ちが決まらない。


そんなこんなで、悩んでいると、時間が来たので、慌てて、待ち合わせの場所に向かった。


私の去った机の上には、1枚の紙が置いてある。

たしか・・・一番を、書いた紙だっただろうか・・・。


『コウさんを愛している』



読んで下さって、ありがとうございます。

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