第52話 明かされた真実
通常視点です。佐藤ゆう子、ゆうちゃん視点です。
ひとけのない小さな公園のベンチ。
抱き合った二人。
涙がとっまったが、驚く私。
今日は、スーツでキメているコウさん。
正常な状態なら、コウさんにうっとりしてしまう。
紺色の細身の上下のスーツ。
中は、白のボタンダウンシャツ。ワインレッドの細いネクタイ。
茶色の革靴。
コウさんにとっても、似合っている。
その白のボタンダウンシャツは、私の涙と化粧で、汚れがついてしまっているが、私は、気づいていない。
私は、仕事の制服での外出は禁止の為、私服だ。
今日は、ドッキングワンピース。
上半身は、グレイのニット。前ネックには、小さなパール調のビーズ。
スカートは、裏地つき、袋ジャカード編み。柄は、黒とグレイのチェック。
肌なじみの良いストッキングに、黒いパンプス。
ネイルは、淡い青色、黄色、赤色を交互にベースし、上には、紅葉。紅葉は、グラデーションになっている。秋らしいネイルは、コウさんの胸のあたりに、輝いている。
「落ち着いてね。」
頭をなでながら、コウさんが、優しくささやく。
「お見合いの前に、知合い経由で、林優子さんの写真、見せてもらってたんだ。」
え?
ええ?
「初めに会った時、びっくりしたよ。違う女性がいるから。」
コウさんは、言葉を続けていく。
「でも、その時、僕は、ゆうちゃんに、ひとめぼれしたんだ。」
少し、恥ずかしそうな声で、コウさんが、告げる。
ひとめぼれ?
コウさんが、私に?
え?
それをいったら、私だって、似たようなものかもしれない。
会った瞬間から、どんどん、コウさんに惹かれいっている。
まるで、魔法にかかったように、私の心を魅了して、離さない。
「でも、お見合いは、断るつもりで行ったから、自分の素で、ゆうちゃんと接したんだ。だけど、それでも、君は、僕を受け入れて、楽しそうに話してくれる。中身を知れば、知るほど、惹かれていったんだ。」
なに、それ。
コウさんも、私と同じなの?
「事情があって、林優子さんの代わりを演じてるのは、ずっとわかってた。でも、その事情に苦しんでいるゆうちゃんがいたから・・・。」
苦しそうに、言いにくそうに言葉を続けるコウさん。
「ただ、僕が怒ると思って、怖くて言えないのか?林優子さんに脅されているのか・・・。」
言葉をきって、更に、言いにくそうに、告げる。
「万に一つ、そう・・・万に一つ、お金が目当てで、僕から離れないのかな・・・て。」
「それで、好きなふりをしてるのかな・・・て・・・。」
「それでも、いい!そうは、思っている。たとえ今は、ふりでも、僕が、振り向かせればいいのだから・・・。」
振るえた手が、優しく私の頭をなでる・・・。
コウさんも、怖い?
私の気持ちが、本当なのか、嘘なのか知るのが・・・。
これが、嘘を言った代償なのだろうか?
通常だったら、信じれるものも、信じれなくなる。
私が、ここで、自分の気持ちを言っても、信じてくれるのだろうか?
多少は、信じてくれるのだろうか?
でも、伝えなけらば、伝わらない。
時間がかかっても、少しづつ、信じてもらえればいいのではないだろうか?
「コウさん・・・。」
私は、コウさんをみつめ、言葉をつむぐ。
「私、コウさんが好き。コウさんと同じで、どんどん惹かれていったよ。」
言葉をきって、私は、続けた。
「言えなかったのは・・・怖かった。コウさんに嫌われることが・・・。嘘をついていて、ひどい言葉を言われても、おかしくない。でも、好きすぎて、耐えられそうになかったの・・・。ごめんなさい。」
再度、涙が、こぼれおちた。
コウさんが、優しく、指で、拭ってくれた。
「大丈夫。信じるから、二度と、離れないでね。」
切なそうな瞳で、私の頬をなでながら、念を押す。
「それから、無視しないでね。とても、辛いから・・・。」
更に切ない瞳で、私に告げる。
こんな瞳を向けられたら、うなずく以外できない。
それに、母性本能がくすぐられる。
守ってあげたい。
離したくない。
そして、触れたい・・・。
私は、コウさんの首に、手をまわし軽く、口づけた。
瞳が、重なり合い、どちかともなく、再度、口づけた。
大人のキス。
深いキスへと、変わっていく。
まだ物足りないと思えるくらいで、唇が離れた。
「あとひとつ・・・。」
コウさんは、まだ濡れた唇のまま、私に、告げる。
「これは、ゆうちゃんが勘違いしていると思うから、確認だけれど・・・。」
少し、間を置いて、再度、言い直す。
「いや。勘違いするように、僕が、ごまかしていたんだけど・・・。」
真剣な瞳に、不安の色を帯びて、コウさんは、言う。
「僕は、纐纈雄海じゃないんだ。」
!
?!
え?
何を、言っているの?
コウケツユウマじゃない?!
ええええ????
どういうこと?!
驚いて、再再度パニックになる私。
コウさんは、逃げださないように、私を、再再度、強く、抱きしめた。
読ん下さって、ありがとうございます!!!




