第51話 僕の気持ち~コウさん視点~
コウさん視点です!お間違いないよう、お願い申し上げます!
僕は、何をやっているのだろうか。
自身の車の中で、ある人を待っている。
しかも、今日で、三回目。
一歩間違えれば、ストーカーだ。
ここまでしなくても、彼女の素性を調べれば、すぐ、居所もつかめる。
少し、お金をだせば、簡単なことではある。
しかし、それでは、彼女を得ることはできない。
逆に、追い詰めてしまう。
僕の中では、慎重に、彼女の正体を知ったことを伝えたつもりだった。
ただ、どうして、彼女が僕に言いたがらないかが、わからなかった。
僕を恐れてないとはいうけれど、たまに、おびえた目をするゆうちゃんだ。
実は、その目が好きで、圧力ある視線を送ってしまうのだが・・・。
とにかく、僕を恐れてなのか、万に一つ、お金が目的なのか、そのほかなのかは、確認したかった。
それを、軽く聞いたはずだった・・・。
しかし、僕の口からでた言葉は、自分でも驚くほど、冷たかった。
僕も、怖かったのだ。
万に一つ、お金が目当てだったっら・・・と、思うと。
いつもだったら、そういう女性とは、距離を置くし、すぐ別れる。
でも、僕は、『恋は、盲目!』という病気にかかってしまったのだ。
正直、彼女の真意をはかりかねてしまう。
それでも、会えば会うほど、連絡を取り合えば取り合うほど、彼女に惚れていってしまう。
彼女が、お金目的でも、僕のものに、したいと思ってしまう。
それは、良い恋ではない。
そして、そういう恋に落ちる年齢でもない。
だから、そこだけは、念の為、確認したかっただけ。
それが、彼女が、僕から逃げることになるとは思わなかった。
予想もしていなかった。
更に、その後、音信不通になるとも思わなかった。
正直、お金目当てだったということだろうか?
と、肯定するしかないということだろうか?
それでも、いいと僕は、思ってしまった。
この2週間ちょっと、一切、連絡がとれない。
そのことの方が、僕は、辛い。
たとえ嘘でも、僕の気持ちにこたえてくれる、笑ってくれる、「好き」と、言ってくれる。
抱きしめさせてくれる。電話して話してくれる。いろいろ、ゆうちゃんと過ごせるだけで、いい。
彼女が、僕に対して、好きなふりをしてても・・・。
僕が、好きすぎる。
少しずつ、振り向かせればいいのだから・・・。
会いたい。
いつになったら、会えるんだろうか。
期限が決まっていれば、少しは、らくだ。
しかし、このまま会えなかったら・・・、そんなことを思うと、やりきれない。
家でも、職場でも、顔色が悪いと言われ心配されているのは、知っている。
やらないといけない仕事は、そつなくこなしてるはずだが、いつもと違う僕に、皆が、心配していることは、わかっている。
でも、どうしようもない。
この気持ちは、消せない。
消したくても、消せない。
それだけ、ゆうちゃんのことが好きだから。
初めて会った時、はじめて、ひとめぼれがあることを知った。
僕の好みの外見。そして、にっこり笑った、表情。これに、僕の心は、射抜かれてしまった。
その後の、彼女の会話を聞いて、更に、僕の心は、彼女にもっていかれてしまった。
お見合いなんて、ごはん食べて、さっさと帰ってくるつもりだった。
いつもの素の自分をだせば、向こうから断ってくるだろうと思って、軽い感じで、行っただけだった。
なのに、僕は、彼女を、離しくないと思った。
清楚なお嬢様の外見だけでなく、芯がしっかりとして、ちょっと天然なおもしろいゆうちゃん。
最初は、演技して、嘘をいってるのかなと思ったけど、多少は、脚色してても、本当な話だろうなというのは、わかった。
とにかく、外見も中身も、僕の好みで、今まで会ったことのない、離したくない相手なのはたしかだ。
でも、何とか、僕から逃れようと彼女はしているのも感じていた。
明らかに、僕を意識している。好まれているのは、彼女をみていれば、わかった。
逃れたい理由が、僕には、わからなかった。
でも、僕に好意をもっているのを、もう少し、たしかなところで、知りたいと思った。
だから、思い切って、ゆうちゃんの手を握った。
ものすごく驚いているのがわかった。
でも、少し赤くなった頬と、ドギマギする彼女の行動が、ものすごくかわいくて、たまらなかった。
そのあと、ふりほどかれたらどうしようとも、思っていた。
案の定、振りほどかれたけど、花火に、興奮してる彼女もかわいかった。
そのあと、少し、強引に、恋人つなぎしたけど、振りほどかれなくて、本当に、良かった。
そのあとの、彼女とデートを重ねるたび、連絡をとるたび、彼女の素顔を、どんどん知れば知るほど、好きになっていった。
でも、「この顔は、実は、嘘なのか?」という心配もあった。
何故って、ゆうちゃんが、林優子でないって、最初から知っていたから。
言おうとしている気配は、あった。
でも、泣くほどだ。林優子に脅されているのだろうか?
それとも、僕を、恐れているのだろうか?
それ以外は、何があるのだろうか?
嘘から始まってしまった、僕たち。
真実も、嘘にみえてしまって、不安になる。
だから、どうしても、お金目当てでないと聞きたかった。
本気で、僕を、愛していると!
はあああ・・・・。
僕は、深いため息をついた。
視線を、ワタル珈琲店の少し先に向けると、愛しい人が、止まって、何かやっているのが見えた。
気づかれないように、僕は、近づいた。
今度は、間違いなく、逃したくない。
大好きなゆうちゃんを。
そして、僕も、彼女に伝えないといけないことがある。
彼女が、林優子でないと知っていること。
そして、もうひとつ・・・。
「ゆうちゃん?」
覚悟を決めて、僕は、ゆうちゃんに、声をかけた。
そのあとも、逃げられてしまったが、何とか、捕まえた。
このまま離したくない。
まずは、伝えなくてはいけないことを、ゆうちゃんに伝えよう。
僕は、意を決して、口を開いた。
そして、一つ目を、伝える。
「怒るも何も・・・最初から、林優子でないって、知ってたんだから。」
驚く、彼女を逃がさないように、しっかりと抱きしめた。
ベンチに、二人、横に座り、彼女の腰と肩をしっかり抱きしめている。
少し、強引だったが、僕は、ゆうちゃんを、離したくない。
抱きしめた腕の力はゆるめず、彼女に説明を始めた。
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