第50話 いつもの週1が・・・
あの耀輔君との息抜きの水族館のあと、明日の水曜日、今度は来てくれと頼まれた。
珈琲の腕もあがったので、ぜひ、飲んでほしいと言われた。
ちょっと気になって、最近、私が行く時間帯に変化があるか聞いた。
そうしたら、オーナーが、来てたらしい。
彼女と別れたのか、顔色がちょっと悪く、元気がないらしい。
店長の久米さんいわく、オーナーは、付き合うスパンが、短いらしい。
コウさんの友人だけあって、似てるのかな?と、私は思った。
コウさんも、三ヶ月から半年って言ってたよね。
オーナーが来てたってことは、私がいるかを確認に来たのかしら?
お泊りデートの時に、うっかり行ってる日時、伝えたしね。
あの時は、全然、気づかなかったけど、優子だったら、絶対行けない日時を言ってしまった。
その時から、うすうす怪しいと思われていたのかな・・・?
はああ・・・・。
私は、ワタル珈琲店に、向かいながら、いろいろ考えていた。
やっぱり、コウさんに電話してみようかな。
たしかに、怖い。
でも、会いたい。
声が、聴きたい。
やっぱり、好きだ・・・。
今更だけど、しっかり謝って、時間がかかっても、許しをこうのが、大人ってものかしら?
昨日の耀輔君との息抜きで、私は、元気になったようだ。
前向きに、客観的に?大人的に?考えようと思えるようになった。
自分の弱さという殻の中から、抜け出そうというパワーを、もらえた。
ありがたいことだ。
そういうパワーを与えることができる人になりたい。
それが、私の夢でもある。
耀輔君に、再度、教えてもらった。
私も、最初は、舞台俳優。今は、ネイリストとして、夢を、幸せを与えれるような存在になりたいって、思っていた。
ここで、もう一度、初心に返るべきではないだろうか?
私の誓いの・・・、
『嘘はつかないべし!自分の思うまま自由に生きるべし!』
この、「嘘をつかない」は、やはり、大事だ。
ついてしまったなら、謝るべきだし、許されなくても、許される努力は、すべきであろう。
あんな形で、逃げて、音信普通・・・。
子供でも、やらないだろう。
大人として、恥ずかしすぎる。
やはり、今、思いたった、今、電話すべきではないだろうか・・・。
私は、スマートフォンを、取り出し、コウさんの連絡先を表示させる。
あと少し・・・。
押すだけである。
それで、電話は、かけれる。
あと少し・・・。
怖い・・・。
でも、会いたい。
ゆう子、あたって、砕けない!
はず・・・・。
私は、思い切って、ボタンを押した。
と、同時に、声がした。
「ゆうちゃん?」
いつのまにか、すぐそばに、人が立っていた。
私より、少し、背の高い。
大好きな人が・・・。
その少しあと・・・、すぐそばで、着信音が鳴った。
「コウさん・・・。何で・・・ここに?」
すでに、ワタル珈琲店の目の前まで、来ていた。
なぜ?
来ると思って、待ち伏せしていた?
コウさんが?
ありえない。
コウさんは、私に視線をやったまま、鳴っているスマートフォンを取り出した。
消そうと、スマートフォンに、見て、驚きの表情を、私に向けた。
「僕に、かけてくれたの?」
とても疲れた顔をしているコウさん。
そのことには気づかず、コウさんが、ここにいることに、驚きを隠せない私。
二人とも、会話がかみあわない。
さっきまでの、勇気が、どこかへ消えてしまったのだろうか?
「ごめんなさい。」
私は、大声をだし、深々と、コウさんに、頭をさげて、走り出した。
このあたりの地形は知っている。
でも、パニック状態になっている私は、目的先も考えず、走り出していた。
自分でも、よくわからなかった。
ただ、予想できないことが、おき、またしても、逃げてしまったのである。
本当に、自分に対して、怒れてくる。
恥ずかしすぎる。
何をやっているのだろうか?
なぜか、逃げ切ってしまった私は、ひとけのいない小さな公園のベンチに座った。
はああ・・・・・。
私は、深い、ため息をついた。
「何やってるんだろう・・・。」
空を、見上げ、私は、つぶやいた。
どうしよう?
更に、やっかいを増やしてしまった。
私って、逃げるくせが、あったのだろうか?
うう・・・・。
今度は、頭を抱えて、思いっきり、目をつぶった。
「ゆうちゃん、大丈夫だよ。」
え?
どこからか?
声がする。
幻聴だろうか?
ゆっくり、目をあけると、コウさんが、目の前に立っている。
声がでない・・・。
代わりに、涙が、一粒こぼれ落ちた。
そして、あふれるほどの涙が、流れ出した。
嗚咽もまじっていた。
すでに、優しく、コウさんに抱きしめられて、背中をさすってもらっている。
安心して、落ち着こうとするが、つっかえが多すぎて、かなりの時間、泣きじゃくった私。
我慢強く、コウさんは、なぐさめてくれた。
やっと涙がおさまっても、コウさんは、抱きしめた手をゆるめてくれない。
いつのまにか、受け取ったハンカチで、涙をぬぐったので、少しはましな顔になっていると思う。
変な顔をみたくないのだろうか?
いや、そんなことではない。
「離してほしい。」と言っても、離してくれない。
代わりに、頭をなでてくる。
うーん。
これは、また、逃げだすと思われているのだろうか・・・。
ありえるかもしれない。
自分でも、予測できない行動で、ある。
「ゆうちゃん・・・。」
寂しそうな声で、呼ばれた。
「僕、怒ってないよ。」
更に、切なそうに続ける。
「怒るも何も・・・最初から、林優子でないって、知ってたんだから。」
最後は、ゆっくり、私に、聞かせるような声だった。
今、何て?
『最初から、林優子でないって、知ってた』?
え?
え?
えええ?
抱きしめられた、コウさんの腕の中で、私は、再度、パニック状態になってしまった。
新年あけましておめでとうございます。
今年も、どうぞよろしくお願いいたします。
2月中旬まで、プライベートが、ちょっと忙しいです。最悪、それ以降に、完結?!
あと数話、1月中に完結したいとは思ってますが・・・。
頑張ります!
皆様の健康を祈って☆




