第37話 ワタル珈琲店親睦会②
お待たせ致しました!
今回は、通常の4倍弱の長さです。
ぱちんっ ぱちんっ
私は、耀輔君と、縦と横に、ハイタッチした。
飲みすぎたのか、元気のない耀輔君を、元気づけるために!
まあ、私が、ストライクだしたからでもあるけど。
今は、ボウリングに来て、久米さん夫婦と私と耀輔君チームと、残りの6人チームで、戦っている。ハンデはあるけど。どうも、勝ったチームには、賞品が用意されているらしい。
俄然、やる気が出てくる。
席に戻り、耀輔君が、投げに行くと、恭子さんが、声をかけてきた。
「ゆうちゃん、彼氏さんとは、順調?このまま結婚したいなって感じ?」
さっき、「ゆうちゃん」「きょうちゃん」と、呼ぼうと約束したので、恭子さんもとい、きょうちゃんは、声をかけてきた。
「うーん。まだ付き合いも短いし・・・。まだ、まだ、これからって感じかな。」
「ふーん。二ヶ月くらいだと、決めれないよね。じゃあ、彼より素敵な人できたら、別の人に行く可能性もあるの?」
「え?!」
なんで?そんな話になるのかな。
「いやー。本多君とゆうちゃん、お似合いだなって思って。」
「耀輔君?年の差が8つあるし・・・。どっちかというと姉、弟みたいじゃないかな?実際、かわいいし。」
耀輔君が、戻ってきたので、話終了だと思ったら、きょうちゃんは、「トイレ行ってくる!」と、旦那の久米さんに言い、私も、無理矢理、連れて行かれた。
「じゃあ、本多君のことは、どう思っているの?」
何故か、きょうちゃんは、耀輔君話をしたいらしい。
いや、こんな年上、耀輔君、可哀そうでしょう。
「どうって・・・。癒されるお気に入りの男の子?コーヒー飲みに行って、笑顔みると、癒される?努力家だから、その姿みて、刺激されて、私も、仕事頑張ろうって思える・・・存在かな。」
「それって、好きってこと?」
「え?」
好き?
まあ、そうとも言う?
でも、恋愛対象ではなく、お気に入りとしての『好き』だけど。
「うん。好きかな・・・。でも、恋愛ではなくて・・・。お気に入り?弟みたいな、好きだけど・・・。」
私は、更に、付け加えた。
「今日、誘ってもらって、嬉しかったし、もっと仲良くなれたらなとは、思うけどね。」
きょうちゃんは、「ふーん。」と、うなずいて、「戻ろうか。」と、トイレに向かった足を、逆に戻して、言った。
はあ。
トイレは、良いのかしら?
私は、釈然としないが、きょうちゃんに従った。
そのあと、私たちは、ボーリングに、集中した。
久米さんが、とてもうまかったのだが、相手チームの藤部さんと奥野君が、大変うまく、賞品は、相手チームが貰っていった。
残念!
賞品。
何か知らないけど、ほしかったな・・・。
その後は、カラオケに行くのだが、私は、遠慮して、帰宅途中である。
カラオケが、苦手なのもあるけど、時間も遅いので、先に失礼したのである。
耀輔君が、家まで、送ってくれるとのことで、帰宅を皆に許された。
ちょっと遅いし、送ってくれるのは、嬉しいけど、何だか悪いな。
しかも、ボーリング中から、元気なかったから、私が、耀輔君、送った方が良かったかな。
今は、電車に乗るため、駅に向かっている。
「耀輔君、大丈夫?」
酔っているようで、少し顔の赤い耀輔君に、声をかける。
「え?」
何故か、驚かれてしまった。
「ボーリングの時から、元気なかったから、飲みすぎたのかなって?」
耀輔君は、少し間を置いた後、
「うん。ちょっと酔っぱらってしまったみたいです。心配させて、ごめんなさい。」
軽く微笑む耀輔君。
かわいい!
軽く微笑んだだけでも、かわいい顔するんだな。
頭を、なでなでしたくなるのを、抑えて、会話を続けた。
「ううん。耀輔君の、違う一面、見れて、良かったよ。それにしても、ボーリングの賞品って、何だったんだろ?知ってる?」
私も、そこそこ酔っているため、マシンガントークが、始まった。
「今回は、テーマーパークのペアチケットらしいです。」
最後まで、聞き終えた、耀輔君は、答えてくれた。
「うわー!豪華!いいなー。ほしかったね。」
凄く残念で、「ほしかった!」連発する私。
「ゆう子さん、テーマーパーク好きなんですか?」
「え?うん。好きだよ。耀輔君は?」
満面の笑みで、私を答えた。
なぜか、顔がさっきより赤くなった耀輔君が、元気よく答える。
「俺も、好きです!」
「そっかあ!楽しいよね。行きたくなった!」
「行きたい」を、一人で、連発する私。
私も、ちょっと酔っぱらいすぎているようだ。
「い・・・一緒に、行きませんか?」
え?
どこへ?
テーマパーク?
行きたいけど、二人で行く訳には、行かないし・・・。
「皆で、ワイワイ行くなら・・・OKかな・・・。」
「じゃ、約束です!」
耀輔君も、酔ってるね。元気になったり、元気なくなったり・・・。
「皆で、行くならね。」
と、付け加えた。
駅まで、来て、改札を通って、ホームに向かう私たち。
「そういえば、耀輔君、どの辺に、住んでるの?」
送ってもらうにしても、電車まで、乗って、部屋近くまで、送って貰うのは、やっぱり悪い。
せめて、近くだったらと思った。
意外にも、駅は、違うが、耀輔君も、一駅で、自転車で、いつもワタル珈琲店へ、通っているらしい。
階段を下りていると、電車が来る音がする。
私は、慌てて、耀輔君の袖をひっぱて、
「乗ろう!」
と、「急ぐよ!」と、促した。
その時、手を、さりげなく握られ、二人は、電車まで、走っていった。
プシュー
ぎりぎりセーフ。
私たちは、マネしちゃいけない、駆け込み乗車して、乗れた。
手は、握ったまま・・・。
私も、酔っていて、気にしてなかったが、電車に乗ってから、気づいた。
どうしようと、耀輔君を、見るが、
「乗れて、良かったですね。」
と、返事が、返ってきただけ。
うーん。
どうしよう。
悩んで、握っている手を凝視していた私。
「あっ」
耀輔君は、気づいて、さりげなく手を離した。
はあ。
良かった。
しかし、隣で、立っていると、耀輔君て、背が高いな。
私、耀介君くらいの身長の高さの人と、付き合うのが夢だったことを思い出した。
実際、付き合ったことないけど・・・。
身長高いと、守ってくれている感が、するかな?
壁になってくれる感じ?
でも・・・。
コウさんも、そんなに身長変わらないけど、あのオーラは、存在感ありすぎるから、目立つというか、守ってくれる感あるかしら?
いや・・・
彼の場合は、征服されている感が強いかな・・・?
うーん。
こんなタイプの彼は、初めてだけど、コウさんなら、許せるのも、不思議だ。
やっぱり、好きだからかな。
でも、耀輔君のタイプも、ちょっと憧れるかな?
背が高くて、あの童顔の顔で、迫られたら・・・。
想像してみた。
うーん。
ドラマか少女マンガの見すぎかな。
ふと、きょうちゃんの言葉が、頭によぎった。
「それって、好きってこと?」
あれ?
なんで、今、思い出したんだろう。
恋愛ではなく、お気に入りの好きって、意味では、好きだけど・・・。
「ゆう子さん?」
いろいろ考えていたら、無口になった私を心配して、耀輔君が、私の顔を覗き込んできた。
愛想笑顔で、答えようとして、私は、耀輔君に、抱きついてしまった。
ちょうど、電車が止まるところで、酔っていたのもあって、バランスを崩したのだ。
彼の胸に、顔をうずめ、耀輔君が、さりげなく、受け止めてくれた。背中と腰に、耀輔君の手が、まわされている。
気のせいだろうか?
腰に置かれた、手が、さっきより、強く抱かれているのは?
そのせいか、耀輔君に、より密着している気がする。
長身で細身にみえる耀輔君は、意外に胸板が、厚く、がっしりしている。
もしかしたら、お腹も割れている?
薄手のシャツなので、少し触っただけで、気づいてしまう。
ほのかに香るせっけんの香りも、耀輔君に、あっているなと・・・。
しばし、耀輔君の引き締まった筋肉に、ほれぼれして、抱きとめられたままで、いた。
引き締まった腹筋近くには、私のそこそこ豊満な胸が、しっかり当たっていたが、私は、気づいていなかった。
プシュー
扉が、開き、慌てて、体勢を整えて、私たちは、降りた。
「ありがとね。思わず、コケるところだった。」
何故か、胸が高鳴っている私は、自分の気持ちを隠す様に、明るく元気に声をかけた。
耀輔君は、私の甘い香りと胸の柔らかい感触に、パニックを起しかけていたので、うなずくだけだった。
もちろん、そんな耀輔君の気持ちは知らず、私は、世間話をして、家まで向かった。
「ありがとう。ここが、私のアパート。」
私は、近くまででいいといったのだけど、「アパート入るところまで、送ります。」と、耀輔君は、かたくなにまげなかったので、ここまで、送って貰った。
時間も、十一時をまわっているので、危ないかな・・・。
このアパートも、少し暗い道を通ったところにあるから、たしかに、危ないか。
アパートの道は、誰も歩いていない。
送ってもらって、正解だったかな。
「今日、来てくれて、嬉しかったです。」
耀輔君が、少し赤い顔で、お礼を述べた。
「ううん。私も、楽しかった。ありがとう。」
笑顔で、お礼を言う。
「あ・・・あの・・・。」
「ん?」
耀輔君は、何か言いたそうだが、そのあと、言葉を紡がない。
何だろう?
しばし、沈黙。
声をかけるべきか、待つべきか迷う。
目線も合わないし・・・。
待ち切れた私は、声をかけた。
「また、誘ってね。」
満面の笑みを、添えた。
耀輔君と、目が合い、
「はい。」
と、返事が返ってきた。
が、あたりが、真っ暗になった。
もともと暗い道ではあったが、急に、一面が黒。
四方八方、覆われている。
腰に、がっちりしたもので、支えられて、背中には、優しく置かれている何かがある。
これは・・・。
耀輔君に、抱きしめられている?!
先ほどの抱擁とは、違い、包み込まれるような、しっかりとした抱擁。
腰にまわった手が、自身に強く引き寄せてある。
動くのは困難な力強い支えである。
背中は、正反対で、優しく添えられている。
しかし、さっきより密着している。
私は、さっきより大きく胸が高鳴った。
今でのお気に入りとは違う、異性とみての高鳴り。
男性としての魅力を感じる。
コウさんとは違う。
理想の王子様とは違う。
よくわからない気持ちに、怖くなって、私は、離れようともがいた。
しかし、耀輔君の腰に置いた手が、強く、びくともしない。
痛くないのだが、しっかり支えられていて、逃れられない。
かわいい顔に騙されたとは、このことかしら?
いや。
男性としてみていない私が、いけない?!
とにかく、パニック状態になりながら、ジタバタする私。
「ゆう子さん・・・。」
耀輔君の声がして、目線を上げた。
どきんっ
耀輔君を、間近に見る。
いつものかわいらしい瞳ではなく、熱っぽい瞳が向けられる。
危険を感じるが、逃れられる状況でない。
でも、何とかしないと、この距離は、やばい!
私は、パニック状態で、逃げるすべを探した。
「よ、耀輔君、体調、悪いの?」
絶対、違うのは、わかっている。
でも、この手を、ゆるめてくれれば、逃げられる!
耀輔君は、少し驚いた瞳の色を向けた。
そして、私を包んでいた両腕を、そっと離した。
「ご・・。ごめんなさい。」
小さくつぶやく耀輔君。
「タ、タクシー呼ぶ?そ・・・。それとも、私が、送ろうか?」
本当に体調が悪そうな顔色をしている耀輔君。
適当に言ったのだけど、今のは、本当に、体調悪くて、寄りかかっただけなのかしら?
少し青白い顔をしながら、耀輔君が答える。
「大丈夫・・・です。ごめんさない。ちょっと酔ったみたいで・・・。」
やはり、タクシーを呼ぼうという私を、耀輔君は、制して、私が、アパートに入るまで、見送った。
さっきのは・・・。
体調悪くて、寄りかかっただけ?
まだ、体中に耀輔君のがっしりとした身体の感触とせっけんの香りが残っている。
とくんっ とくんっ
甘い誘惑に、心が惑わされそうになり、私は、大きく頭をふった。
「私も、飲みすぎたかな・・・。」
コウさんに、「いってらっしゃい」言えなくて、魔が差したのかしら・・・。
コウさんとの甘いデートを思い出し、会いたくなる気持ちが、増してきた。
コウさん、早く帰ってきて!
私は、心の中で、強く、叫んだ。
読んで下さって、ありがとうございます。
更新、遅くなって、ごめんなさい。




