第27話 お泊りデート⑥
今回、長めです!
「動画?!」
私の大声で、車内は、響いた。
コウさんの好きな海外のポップスミュージックが、かき消された。
今は、おいしいお昼ご飯を食べて、宿に向かっている。
デートコースは、宿をのぞいて、あと二つある。
場所的に、一度、荷物を置いてから向かうのが良いらしく、宿に先に向かっている。
夫婦の岩から、宿までは、車で40分。
まだ、走り出したばかりだ。
「いやー。ばっちり、キスシーンまで、撮れてたよ。ゆうちゃん、うまいね。」
と、いつのまにか、動画までチェックしてたらしい。
車に乗り込む前に、二人で、用を済ませた、あの時だろうか?
ぬかりない。
写真から、いつのまにか動画に変わっていたらしい。
コウさんて、意外に意地悪だ。
今も、怒る私を楽しそうに、見ながら、怒りをあおっている。
とにかく、恥ずかしいのだ!
いったい、どんな風に映っているのかと想像するだけで、恥ずかしい。
キスシーンなんて、写真でも撮ったことないのに、動画?!
恥ずかしすぎる!
誰かに見せる訳でないけど、本当に、恥ずかしい!
あとで、見せてあげるといわれたけど、恥ずかしくて、見れない!
恥ずかしくて、プンプン顔になっって、怒り疲れた顔をした私に、コウさんは、言った。
「約束忘れないでね?」
え?
何?
約束?
私は、訳がわからないという顔を作った。
横目で、コウさんは、見て、
「ずっと一緒にいてくれる・・・約束。」
ああ。
あれ。
約束しなくても、私も、ずっと一緒にいたい。
できることなら、ずっと。
コウさんって、意外に、寂しがり屋なのかな?
強気な割に、弱いところも、あるのかしら?
人間だから、ある・・・か。
何だか、そんなギャップに、ますますコウさんを、好きになってしまう。
愛おしい。
そんな感じだ。
「忘れません。動画で、保証しなくても、私は、一緒にいますよ。コウさんが、求めていてくれる限り。」
「うーん。求められなくても、離さないかも・・・。」
と、続けて、言葉を発した。そして、最後は、照れ笑いをした。
それを、確認したコウさんは、安堵したのか、別の話に変えた。
「そういえば、ゆうちゃんは、何を、神社で、お願いしたの?」
え?
今度は、そっちの話ですか。
恋愛成就スポットでもある、夫婦の岩。
もちろん、コウさんとのことである。
欲張りである私は、『無事結婚して、幸せな生活を送れますように。』と、祈った。
嘘の告白もしてないのに、本当に都合の良いお願いである。
「うーん。こういうのって、内緒にしないと叶わないって・・・言わないですか?」
「そうだったかな?僕は、商売繁盛!医者から転職して、珈琲店繁盛しますように!て。」
え?
そうなの?
恋愛成就の場所ですが。
まあ、それも、大事だしね。
ちょっと、残念だけど・・・。
暗い顔をしていると、
「冗談だって。ゆうちゃんて、おもしろいよね。かわいいっていうか。」
は?
何が?
コウさん、急に、何を言い出したの?
「ゆうちゃんとの恋愛が、うまくいって、結婚できますようにって、祈ったよ。」
と、優しく告げられた。
とくんっ!
私の心が鳴った!
嬉しい!嬉しすぎる!
こんなこと言われたら、さっきの冗談、許しちゃう!
本当に、いつのまに、私のツボを、抑えたのかしら?
凄い!
侮れないわ!
と、何故か、敵対意識を向けてしまった。
私も、コウさんのツボを掴みたいと!
実際は、掴みまくって、披露しまくりな状態だということに、私は、一切、気づいていない。
宿の駐車場に着いた。
渋滞もなく、無事40分くらいで、到着した。
トランクから、荷物を出し、5分くらい歩いて、フロントに、着いた。
歩いて行く際も、ログハウス調の外観の建物が並んでいた。
海外のリゾート地にあるような小さな別荘が何軒か並んでいた。
素敵すぎる。
こんなところに、未だかつて、来たことない。
フロントで、チェックインして、施設の説明を聞いたあと、カギと、マップを貰った。
私たちが、泊まる宿は、歩いて5分くらい先なところだ。
歩いて行くと、様々な宿泊施設がでてきた。アウトドア用のテントが張ったところもあるし、白を基調とした、平屋の建物には、カヌーがついて、湖がひろがっているので、そこからの景色もよさそうだ。
すでに、リゾート地にいる気分になっていると、目的地に着いた。
屋根は、三角く、白い天幕で覆われている。三棟あり、手前の棟は、白い天幕が、四方八方に伸びている。しかし、出入りしやすい様に、カーテンの様に、四方八方、とめてある。
そこの中には、ハンモックと足が伸ばせて、寝転びながら景色をみれる長い椅子が、2脚置いてある。
外には、木の棒を、上で、何本か束ねて、白い布で、横は、白い布で巻かれている。湖に面したところは、入口が、広くなっている。下には、丸いファイヤーピットが置いてある。脇に、長椅子が置いてある。
湖には、カヌーが置いてある。
なんて、素敵!
この遊牧民の移動式住居をイメージした建物に、魅了された。
お姫様になったみたい。
遊牧民の姫とどこかの王国の王子様かしら?
いやいや。
遊牧民の王子様とどこかの王国の姫かしら?
なんだか、ロンマンチック♪
夢をみている!
と、いうのは、このことかしら?
またまた、うっとりした顔を見られていることを知らずに、自分の世界に入っていた。
コウさんが、カギを開け、ドアを、開けてくれた。
奥に、ダブルベット、手前に、ソファーベット、その前に、横長の小さなガラステーブルが置いてある。
その上に、バラの花が、乗ったかごが置いてあった。
バラの茎のない、花だけが、たくさん乗っていた。黄色やピンクや赤や白や青の様々な色が、乗ったかご。
花も大きく、豪華だ。そのバラの花の中に、封筒が添えられたいた。
白い封筒。ハートのシールを取り、中をみると、折りたたんだカードが入っていた。
まわりには、バラの絵がデザインされた上質な紙のカード。
そこには、メッセージが書いてあった。
『ゆうちゃん、愛してる。 コウ』
たった一言だった。
私は、すでに荷物を置いて、自身のサプライズの行方を見守っているコウさんに、駆け寄って、抱き着いた。
「私も、愛してる。」
と、彼に告げた。
読んで下さって、ありがとうございます。
連続更新5日目です。明日も、更新致します。(予定!)




