第26話 お泊りデート⑤
場所は、駐車場を、通り越して、道路を渡ったところにある古民家。
中に入ると、適当に座ってと言われる。2階でも良いよと、言われ、私たちは、2階に上がった。
大座敷になっていて、机が、横に何個も並んでいる。
襖で、何個かに部屋が分けれる様になっているのだが、今はすべて開いていて、開放感がある状態だ。誰もいなく、私たちは、真ん中に座った。正座しないといけないのは、仕方ない。
横を見ると、海が見えて、景色が良い。
残念なことに、夫婦の岩が、見えない。
それでも、とてもきれいな景色だった。
メニューを見ると、お昼とはいえ、それなりにする。
お昼は、定食のみなのだが、海鮮だけあって、庶民にとっては、少し高い。
どれにしようか悩んでいると、コウさんが、「この定食だと、サザエが焼いたのが、出てくるよ。」と、言われた。
さっきの焼いてるのを、名残り惜しそうにしていたのを、しっかり覚えていたらしい。
恥ずかしい!
でも、ここまで言われたら、このメニューにする以外のすべはなく、結局、サザエが焼いたのが出てくる定食にした。
出てくるのに、時間があると思い、さっきから気になっているので、コウさんに、承諾を得て、行動に移した。
そう、窓から、写真を撮ること。
ここからの、海は、本当に、きれいなのだ。
海辺とは違った風情がある。
ちょっと恥ずかしかったけど、人もいないから、いいよね?
数分。
私は、写真の世界に浸っていた。
コウさんが、その姿を、楽しそうに見ていたことは、知らない。
カシャッ
スマートフォンで、撮るシャッター音がした。
とても、静かな部屋に、大きな音が響いたので、思わず、振り返った。
そして、
カシャッ
再度、鳴り響いた。
コウさんが、自身のスマートフォンで、私を撮っていたのだ。
えぇ?
何故?
驚いて、物凄い顔をした私を、更に、何枚か撮る音がする。
我に返り、コウさんに、止めてと、手を交差して、ダメポーズしながら、顔を少し隠した。
止めるどころか、シャッター音は続く。
恥ずかしくなってきて、スマートフォンを、撮ろうと、コウさんに、近づいた。
いつのまにか、動画になっていたのは、知らなくて、どんどんアップになっていったのは、知らない。
「コウさん、止めて!恥ずかしい!」
と、言って、取り上げようとするが、うまくいかない。器用に、避けられてしまう。
絶妙な避け方で、しっかり、動画に納まっていることは、今は知らない。
高く伸ばされたコウさんの手から奪い取った瞬間、膝立ちしていた私に、コウさんは更に近づいた。
顎を掴まれて、器用に、コウさんの方に、顔を向けられ、軽くキスされた。
コウさんの親指の腹で、下唇をなぞられて、少し深いキスが落ちた。
私の奪い取った左手も、自然と下がって、コウさんのキスに私も深く答えた。
唇が、離れた瞬間、コウさんに、告げた。
「コウさんが好き。」
「僕も、好きだよ。ずっと一緒にいてくれる?」
熱い視線を向けて、コウさんが聞いてきた。
「はい。ずっと一緒にいます。」
「約束だよ。」
「はい。」
コウさんには、珍しく、念を押されて、疑問に思った。
コウさんは、私の手から、スマートフォンを取り返した。
ピコピコーン
?
電子音が鳴った。
登録音?
完了音?
そんな音だった。
?
私は、訳がわからず、コウさんの横に座っていると、下の方から、足音がした。
料理を、運んできたようなので、慌てて、元の向かい側の席に戻った。
刺し身や天ぷら、焼いたサザエに、ごはんとお味噌汁と、海鮮サラダまでついたてんこ盛りの定食が並んだ。
コウさんも、同じメニューだった。
ご飯を大盛にした以外は。
さっきのキスの熱も、おいしそうなごはんに、魅了されて、すっかり違う熱に変わってしまった。
おいしそうに、私は、食べ始めた。
さっきの電子音は、なんだったのかを、聞いたのは、今日泊まる宿に向かっている車の中であった。
読んで下さって、ありがとうございます。
海鮮料理が、食べたい!(笑)
次回も、早め、更新頑張ります。まだまだ甘いデート続く!




