第25話 お泊りデート④
今回は、長めです。
夫婦の岩。
海面からとびだした大小の岩が寄り添っている。
夫婦のように見えることから、こう呼ぶらしい。
ここの夫婦の岩は、大小の岩が、しめ縄で、結ばれている。
時期によっては、この間から、太陽が昇ったり、満月が昇ったりする、ベストスポットでもある。
神社もあって、この夫婦の岩が、鳥居の役目も果たしてるらしい。
最初のデートスポットは、ここである。
車を駐車場に止めた位置からは、階段を下りて、海辺を通って、向かう。
久しぶりに潮の香りをかぐ。
天気が良いので、海面がキラキラして、まぶしいくらいだ。
「うわっ!海、きれい!」
私は、つないでいた手を、勢いよく離して、写真を撮り始めた。
コウさんは、この前の花火大会で、私の行動を覚えたらしく、撮り終わるまで、待っていてくれている。
これに、気づいたのは、数分後であった。
「ごめんなさい。」
と、自分の世界に入って、写真を撮ったことと、手をいきなり離したことを、詫びた。
コウさんは、うなずいて、私の右手を、今度は、優しく掴み、指を絡めた。
怒ってないよね?
私は、再度、コウさんの顔を見た。
目つきは、悪くないし、イライラオーラも、出てないことを確認して、コウさんとつないでる手を、少し強めに握った。
嬉しい!
こういうことも、怒られないのは、愛されてる証拠だよね?
本当に、コウさん、素敵!
いつのまにか、私の頬はゆるみ、鼻歌でも歌うのではと思うくらいの幸せな顔をしていた。
そんなゆるみまくった表情を、コウさんに、盗み見されていたことは、知らなかった。
それを、見て、嬉しそうに目を細めていたことも、私は、知らない。
海辺を、歩いて行く途中。
お店があった。
サザエやアワビ、大あさりを、そのまま焼いてくれて、醤油をたらして食べる、お店だった。
とても良い香りがして、食べたくなったが、お腹は、まだすいていない。
名残り惜しそうに、見て、私は、その場を、通り過ぎた。
「もしかして、食べたかった?」
コウさんは、しっかり私の気配を感じ取っていた様だ。
「えっ・・・。」
思いがけず、声をかけられたので、すぐ返答できずに、困ってしまう。
「お腹すいてないけど・・・。良い香りがして、気になった感じかな・・・。」
と、素直に、照れながら、私は、告げた。
「ふーん。」と、うなずいて、それ以上、コウさんは、聞いてこなかった。
そして、遠目に、夫婦の岩が、見えてきた。
久しぶりだ。
ここにくるのは。
小さいころ、家族旅行で来たことがあるのと、小学校の就学旅行に、来たぶりかな。
そうすると、20年ぶりくらい?
それは、すごい。
アラサーの私は、ちょっと年齢のことを、思い出し、少し気落ちした。
そういえば、コウさん、何度か、ここ来たことあるのかな?
気になって、私は聞いてみると・・・。
「2、3年前にきたぶりかな。」
意外に、来たことあるんだ。
彼女かな?
気になるな・・・と、思って、「誰と?」と、聞こうか悩んでいると、
「友達と、このあたりでまで、釣りにき来たことがあって、行くかーみたいなノリで来た以来かな。」
「釣り?コウさん、やるんですか?」
彼女でないことに、ホッっとしたのもつかのま。思いがけない趣味に、すかさず、突っ込んでしまった。
「ちょっと前までね。最近は、やれてないな。」
「うまいんですか?」
物凄く前のめりで、私は聞いた。
「どうだろ?ぼちぼちかな・・・。」
と、あいまいな返事だった。
へぇ。
意外。
コウさんて、結構、男らしい趣味あるんだ。
おじさん趣味?
いやいや。
美形は、何をやっても、様になるというし。
絶対、かっこよいはずだ!
かなり、美化した想像をして、うっとりしていると、手前にある神社で、参拝する順番が回ってきた。
慌てて、小銭を出そうとすると、コウさんが、「ゆうちゃんの分。」と、意外にも、5円玉を渡された。
「いや・・でも・・。」と、躊躇していると、いつのまにか離された、右手の中に握らされた。更に、抗議しようと思ったけど、コウさんは、小銭をなげて、すでに、拝んでいる。
こういう強引なところに、負けてしまう。
いつのまにか、それが魅力になっているのだけどね。
私も、小銭を投げて、拝んだ。
そのあと、ベストポジションの夫婦の岩に来た。
結構、人が居て、写真を撮るのを躊躇していると、
「撮らないの?」と、写真を撮るポーズを、して、コウさんが聞いてきた。
「うーん。混んでるし・・・。コウさんと一緒に撮りたいなって・・・。」
と、答えると、
「じゃあ、一緒に撮ろう。」
と、言って、近くにいた、老夫妻に、頼んでいた。
早い!
コウさん、行動が、早い!
コンパクトカメラを渡す様に、促されて、老夫妻に撮り方を伝えた。
おじいちゃんが撮ってくれるらしい。
首に、一眼レフのカメラがかけられたおじいちゃん。
それなりに、知識があるらしく?
も少し右とか、もう少し寄ってとか、注文された。
私は、コウさんの左側に寄って、腕をまわした。
いわゆる、腕を組んだのだ。
写真だし。
いいよね?
驚いた顔をしたコウさんに気づかない様に、カメラをしっかり見ていた私。
おじいちゃんは、縦と横。アップと、何枚も撮ってくれた。
その中で、「お兄さん、笑顔!」と、おじいちゃんに、言われていた。
だからか、今回の写真は、コウさんの笑顔が、撮れたのである。
おじいちゃん、ありがとうございます!!!
そして、お土産売り場を覗いて、磯のりを買って、ちょうど1周して来たので、車のところに、戻ろうとした。
「あ、ゆうちゃん、少し早いけど、お昼食べない?」
と、聞かれた。
意外に歩いたので、お腹もすいてきた。
11時すぎとはいえ、食べてもよい時間帯だ。
「はい。ぜひ。」
と、答えると、歩いてすぐだからと、車には戻らず、お店に案内された。
読んで下さってありがとうございます。
長くなるので、ここで、切らさせて頂きました。
次回は、明日更新予定です。(未定です。)
頑張ります!




