第19話 突然のお誘い③
「今度、泊りがけで、出かけない?」
コウさんは、お肉をひっくり返しながら、さらっと言った。
今は、映画を見終わって、焼き肉店に来ている。個室。上質なお肉を何枚も食べて、お腹が膨れてきた頃に、彼は、唐突にも、さらっと言った。
言葉に詰まっていると、コウさんは、私に瞳を向けた。
「ゆうちゃんと、ゆっくり過ごしたいんだ。土日がいい?平日の方が良い?」
行くこと決定ですか?
泊りを断る年齢ではないですが・・・。
私、林優子でないって、言わないまま、どんどん進展していって良いのかしら?
自分の欲望のまま・・・。
急に、黙りこくった私に、気にもとめず、更に、コウさんは言った。
「ゆうちゃんのこと、もっと知りたいし、僕のことも、もっと知ってほしい。だから、1泊2日で、出かけようよ!」
コウさんにしては、珍しく、強制的な瞳ではなく、少し不安げな瞳の色で、私をみつめている。
これは、これで、母性本能がくすぐられる。
かわいい!
そんな瞳しないで!
なでなでしたくなる様な、気分にかられた。
「月、火が、いいです。それなら、だいたい合わせれるから・・・。」
承諾してしまった!
こ、この時、告白すればいいよね?
私は、ゆう子だって。
うん。そうしよう!と、自分に言い聞かせた。
「一度行ってみたいところがあるんだけど、行き先は、僕が決めても良い?」
コウさんは、嬉しそうにな瞳を向けて、確認してきた。
私は、問題ないことを告げた。
日程は、確認して、また連絡することになった。
「そこで、ゆうちゃんの手料理食べたいな?」
と、コウさんは、言った。
?
どうして、旅行先で、手料理?!
コテージみたいなところに、行くのかしら?
「うん。食べたいのありますか?作りますよ。」
と、答えた。コウさんは、嫌いな物ないので、メニューは任せると言われた。
買い物する場所が限られてるから、最初に用意しておくから、必要なものを連絡してと言われた。
何だか。
新婚?みたいなやりとりだなと思った。
コウさんと旅行。
どこ行くのだろうな。楽しみ。
二日間も一緒に居られるのは、嬉しいな。
車かな?
電車かな?
コウさんに手料理ふるまって・・・
そのあたりで、懺悔する?
いやいや。
許してくれるのだろうか?
優子に、大丈夫と言われ、何だか、許して貰えるのではと、甘い誘惑に、いつのまにかのってしまっていたことに、気づいた。
やっぱり、ダメだよね?
私が、反対だったら、きっと・・・
許せないかな・・・。
最初は、怒るけど、許す・・・?
いやいや。
コウさんだ。
あの怖い目で、睨んで、軽蔑されるのでは・・・。
私は、急に寒気がしてきた。
コウさんを、チラッとみると、優しい瞳が、ぶつかった。
何だかドキドキしてきた。
優子、どうしよう?
言えないよ・・・。
この幸せ、手放せない!
いつのまにか、抜けだせない大きな穴に落ちてしまった様だ。
今は、考えたくない。
そう思い、私は、コウさんへ微笑んだ。
私、コウさんが、好き!
ごめんね。コウさん。
少し切ない笑顔だったが、二人とも気づかなかった。
しばし、見つめ合って、再び、お肉を食べ始めた。
読んでくださって、ありがとうございます。
「突然のお誘い」は、これで終わりです。何だか、焼き肉食べたくなってきました(笑)




