第11話 花火デート②
「うわっ!もう、結構混んでますね。」
目的地の花火大会会場に来て、私は、叫んだ。
花火は、海から打ち上げられる。
通常は海水浴場として使われている。花火は、砂浜に行く際、階段になっているので、その階段のところで、見れる様になっている。砂浜の分だけ、長くのびた階段は、何段かある。低い高さの階段で、座って場所取りしている人が、かなり居た。
場所取りに、スタスタ向かってしまったコウさんからは、返事がない。
コウさんのところに、駆け寄った。
打ち上げられる花火の場所から少し横にずれた、階段も、上の方だった。
それでも、十分みやすい位置だと思う。
コンパクトになる敷物を持ってきたので、広げ始めると、驚きの声がした。
「準備いいね。」
「あ、いえ。どうぞ」
思わぬ褒め言葉に、照れてしまい、そっけない返事をしてしまった。
「本当は、近くのホテルか有料席を、取りたかったんだけどね。」
と、コウさんは、いつもの申しわけ感ない口調で言った。
その方が、場所取りもしなくて良いし、気楽だからね。
ただ庶民の私は、この場所取りの為に早く来て見るで、十分だ。
「これも、楽しいですよ。はじまるのが、待ち遠しい!」
そんなこんなで、たわいもない話を、始めた。
すぐ隣にいるコウさんは、あまり笑わない人だ。
でも、瞳の色?まなざしが、変わるので、よく見ていると、彼の心情を察することができる。
もちろん、私も、彼のかっこよさに、ドキドキして、察することができてないこともある。
最近は・・・と、言っても、二度目だが、近寄り難いオーラが消えているので、一緒に居ても、さほど怖くないし、緊張しない。
メール効果かもしれない。メールで、お互いのことを、いろいろ話してる?書いてる?だけあって、毎日会ってたような気になってしまっていた。いつのまにか、親しみが湧いてることに気づいた。
久しぶりに会うコウさん。会うのは、2回目。でも、メールでは、毎日やりとり。
これって、やっぱり、すごいこと?
普通、続かないよね?
どうでも良い人だったら、毎日かかさず返事しないし、わくわくドキドキも、しないよね?
メールくるのが、待ち遠しい。
楽しみ。
会いたい・・・。
そんなこと、つぶやかないよね?
コウさんの整った横顔を見ながら、自分の気持ちが、高ぶるのを感じた。
自然と、彼に、寄りかかろうと・・・。
「夕日が、キレイだね!」
と、彼が、私の方をみた瞬間、我に返った!
な、なななななな・・・・・何をしようとした!
これこそ、浴衣効果か?!
そうだ、間違いない!
私は、慌てて、巾着の紐をほどいて、カメラを出した。
「ほ、本当ですね!写真撮りますね。」
と、自分の気持ちを隠すように、夕日を取り出した。
海に沈む夕日は、なんともいえないほどキレイだった。
海面が赤色に染まる。
今までの青色から、赤色に染まっていく海面。青かった空も赤色に染まる。
対比が、物凄くキレイで、吸い込まれる様に、撮り続けていた。
「ゆうちゃん、写真撮るの好きなんだね。」
と、コウさんが、笑い声と一緒に声を掛けられて、またしても我に返った。
「はい。昔から、好きなんですよね。夕日や朝日って、特に好きで・・・。」
恥ずかしくなりながら、うつむくと・・・
「せっかくだから、写真撮ってもらおうよ!」と、手を掴まれた。
このパターン。逃げれないよね?
コウさんを見ると、「撮ろうね」ではなくて、「撮るぞ」みたいな強い瞳が、私を映していた。
小さくうなずくと、コウさんは、近くのカップルにお願いして、夕日をバックに、私たちは、写真におさまった。
とても、キレイに撮ってくれたカップルさん。
お返しに、コウさんが、撮ってあげている。
すっかりコウさんペースに持っていかれてる・・・。
なんとか、自分のペースに戻さなければと、私は、小さく深呼吸をした。
読んでくださってありがとうございます。
まだまだ続きます。誤字、脱字、気を付けます。




