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第10話 花火デート①

よし!

やってやる!

ゆう子、女は、度胸!

負けるな!ゆう子!


私は、一生懸命、自分の決意を成し遂げるため、勇気を奮い起こしていた。

今日の服装は、浴衣。青色の地にアジサイの花が、大きく描かれた浴衣。薄い桃色と薄い紫のアジサイの花が、女性の可愛らしさを表現。アジサイの葉は、白地で表現。青地が、大人の女性の色気を引き出している。すべて、伝統工芸の絞り。帯は、紫かかった薄いピンク。下駄は、桐の黒台に、鼻緒は、赤色で、麻の葉文様。手元は、和柄の巾着つきかごバック。髪型は、後ろで、ゆるくお団子にして、濃いめのピンク色のラインストーンをちりばめたお花型の金のかんざし。足と指の爪には、浴衣が生えるように、金色のラメが入った落ち着いた大人ピンク色で、シンプルだけど、華やかさを添えたネイルに、仕上げている。

今日の待ち合わせは、駅構内。金の鳥時計下、5時待ち合わせである。7時から始まるのだが、花火大会の会場までは、電車で40分くらいかかる。1時間前には、現地に着くのだが、すでに混んでるかもしれない。有料席も、少し離れたところにあるのだが、すでに、完売だった。

待ち合わせより、早く着いてしまった私だが、到着して1分もしないうちに、声をかけられた。

「ゆうちゃん。久しぶり。」

声の主は、もちろん、纐纈雄海コウケツ ユウマ、コウさんである。いつものするどい眼光と違って、優しいまなざしの彼が、立っていた。約束通り、浴衣。黒地とグレイ地の縦の縞柄。白地の帯に、横の古典的縞柄。下駄は、桐の茶台に鼻緒は、黒色で、麻の葉文様。市松模様の古典的ショルダーバック。

初めてのコウさんの浴衣姿。

洋服とは違った、男性の魅力が、湧き出ていた。うまく言えないが、日本男児の男気みたいな色気だ。

やばい。

ものすごく、やばい!

このままデートだけ楽しもう。「嘘だと言う告白は、またでいいよね。」と、悪魔のささやきが聴こえた。

このまま時間ときが、止まればいい!

とは、まさに、この瞬間だ。

この後、私の告白で、コウさんとは、お別れ・・・。したくない!

いやいや。

優子とも約束したんだ!ここは、やりとげなければ!

と、頭の中で、葛藤していて、ついつい反応できない私に、コウさんは、近づいてきた。

「大丈夫?疲れてる?」

心配そうな瞳を向けて、覗き込んできた。

距離が、近くて、心臓が高鳴った。

「ううん。コウさんの浴衣姿、似合ってて、ちょっとドキっとしただけ。」

と、思わず正直に、話してしまった。

何やってる!私!

正直に話すのは、ココじゃないのに!

少し赤くなった頬を見ながら、コウさんは、嬉し気に、耳元でささやいてきた。

「ゆうちゃんも、きれいだよ。このまま・・・別のところに行こうか?」

と、甘い声だった。

別のところ?

別・・・。

私は、彼の別のところを理解して、更に赤くなった頬で、気づかなかったふりをして答えた。

「電車、そろそろ来ますから!行きましょう!」と、小走りに歩き出した。

コウさんは、何かつぶやいたあと、追いかけてきた。

何もなかった様に、ホームに向かった。


ダメ!

ダメ!

ゆう子、女は、度胸!

負けるな!ゆう子!


電車に揺られながら、私は、心の中で、何度も唱えた。




読んでくださってありがとうございます。

週末には、また更新したいと思っています。(未定ですが・・・)

現実は、秋の風が、吹き始めてきましたが、数話、夏の話が続きます。もう少し「夏気分」で、お付き合い頂ければ嬉しいです。


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