僕の明日は二度と来ない
閲覧注意
暗いものが好きではない方、戻ることをオススメします!
今日、僕の幼馴染みがトラックに轢かれた。どうやら飛び出した子どもを助けようとしたらしい。
子どもを庇って、青い空に赤い花を咲かせた彼女。だが彼女が身を挺して庇ったはずの子どもは、結局、対向車線の車に撥ねられて死んだ。
あいつはいつも笑っている奴だった。
どんな時も気づいたら側にいて、にこにこ笑っているような奴だった。
あいつは鈍臭い奴だった。
何もないところで滑って転ぶくらい、鈍臭い奴だった。
あいつは馬鹿だった。
犬や猫、果てにはそこら辺に生えている草にまで話しかけるくらい馬鹿だった。
そしてーー…。
白い部屋の中でたくさんの管に繋がれているこいつはきっと、明日になったら、
「寝坊しちゃった!」
なんてボサボサの髪のまま、気が抜けたように笑うのだろう。
例え今日灰になっても明日には、
「やだ!遅刻する!」
と騒ぎながら、階段を転げ落ちてくるのだろう。
冷たい土の中で寝ていたとしても明日には、
「ごめん、遅れちゃった!」
なんて言いながら、イライラ待っている僕の肩を叩くんだろう。
明日、明日、あした、アシタ…。
明日にはきっと、あいつも目を覚ます。
お読みくださりありがとうございました!




